更新
MIVECがなくてもイケてた時代の三菱!ターボにスーパーシフト、4WDと盛りだくさんだったミラージュ【推し車】
目次
3代目までのミラージュって、かなり年配のイメージが?
MOBY編集部がAIに聞いた「30~50代のクルマ好きが気になる名車シリーズ」、今回は初代~3代目のミラージュですが、2023年8月現在で49歳の筆者からすると、3代目でも50代半ば、2代目より前だともっと上の世代向けでは…というのが率直な印象です。
確かに初代ミラージュの実質8速MTな「スーパーシフト」など、心躍る装備はあるものの、実際にそれを現役で走らせていたのは現在60代の方だったりするので…。
それはともかく、MIVECエンジンでVTECのシビックと張り合う以前、3代目までのミラージュを紹介しましょう。
スーパーシフトがアツイ初代(1978年)
三菱初の小型乗用車だった「三菱500」(1960年)以来、コルト600からの「コルト」ブランドで800〜1,000cc級と1,000〜1,500cc級、2系統の性能はともかくデザインが地味な印象な大衆車を作り続けてきた三菱。
1970年代に入ろうというあたりからギャランやランサーの初代モデルと、その派生型(ギャランGTOやFTO)でようやくユーザーの心をつかむ事に成功し、その勢いで若者向けディーラー「カープラザ店」向けの目玉として登場したのが初代ミラージュです。
クラス的にはほぼ同期の2代目ホンダ シビック(1979年)に相当しますが、1970年代デザインのライバルに対し、クサビ型のウェッジシェイプ・デザインや、表面を円滑にしつつ張りのあるデザインに見せるのが腕の見せどころなフラッシュサーフェス化をいち早く採用。
おかげで当時としてはかなり未来的なデザインに見えましたが、1982年のマイナーチェンジで異型2灯式ヘッドライトを採用したフェイスリフトを敢行した「ミラージュII」でさらなる近代化を図り、当時人気のマツダ ファミリアにも負けぬ存在感がありました。
走りの面では4速MTにハイ/ロー切り替え式の副変速機を備え、実質8速ATとして使える「スーパーシフト」を採用、これを積む1.6リッター車の「GT」や、ミラージュIIから現れた1.4リッターターボ車が、ラリーなどで活躍するスポーツ系のイメージリーダーです。
当時のFFってみんなこんな形だったような?2代目(1983年)
モデルチェンジした2代目ではフラッシュサーフェス化がさらに徹底されるとともに、一回り大きくなって車格が上がり、キャビンも広く大きくなった印象。
当時の5代目E80系トヨタ カローラ・リフトバック(1983年)や、2代目いすゞ ジェミニのハッチバック車(1985年)など、当時のFF3ドア/5ドア車はFF化によるキャビン拡大、居住性向上という恩恵をアピールすべく、わかりやすいデザインが多かったものです。
そのため、2代目ミラージュも「どこかで見たようなデザイン」でしたが、初代より排気量アップした1.6リッターターボエンジンや、フルタイム4WD車の追加など、三菱らしい改良をライバルに先駆けて取り入れていました。
そのため、先進的なスポーティモデルという印象も強いのですが、見た目はいたって普通のハッチバック車で、初代に引き続き設定された4ドアセダン(ランサーの姉妹車)、新たに追加されたバン/ワゴンなど、堅実に実用性の高さもアピールできるモデルです。
4WDターボがダートラで活躍した3代目(1987年)
スポーツ性という面では、40〜50代あたりのユーザー、それもラリーやダートトライアルに縁のある人なら、この3代目は長期に渡って現役で活躍した、80年代テンロクスポーツの代表格という印象ではないでしょうか?
レースではカローラ系とシビックがバチバチ戦っていたものの、土系のラリーやタイムアタック系なら頑丈で4WDのDOHCターボもあったミラージュや、5ドアセダン版のランサーで長いこと活躍した、という人は多かったと思います。
何しろ1990年代どころか、2000年代に入る頃までダートトアイアルの1.6リッターターボ4WDクラスでは3代目ミラージュ/ランサーと、いすゞの3代目ジェミニ イルムシャーRが激しく戦っており、クラス区分が大きく変わるまで続きました。
ランエボやインプレッサWRXが活躍する最上級クラスも魅力ですが、安いベース車による性能園でもイコールコンディションに近い中、純粋にチューニングや腕を競った思い出を語れる往年のユーザーは多そうです。
なお、この代のミラージュでは高性能モデルの「サイボーグ」系が初登場していますが、面白かったのは2シーターでリアサイドウィンドウがない「XYVYX(ザイビクス)の存在。
ちょっと考えると、ヨーロッパでありがちな「商用登録ができる税金対策車かな?」と思いますが、日本の感覚では何に使ったらいいのかサッパリわからないモデルで短命に終わり、なぜラインナップしたのかも不明な珍車の代表格として、よく話題になっています。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
【推し車】シリーズのメーカー・ジャンル別一覧はこちら
【推し車】シリーズのスポーツカーまとめ3選集はこちら
【推し車】シリーズのテーマ別特集はこちら
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...