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デリカD:5

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「俺たちのデリカが帰ってきた!」デビュー12年後でも販売はV字回復、三菱デリカD:5はまだまだイケる!【推し車】

販売好調のデリカミニと併売される親玉デリカD:5

2007年の発売から16年、唯一無二のミニバンSUVとして「デリカ」ブランドを守るデリカD:5

デリカミニの販売好調で、「デリカ」ブランドの威力をまざまざと見せつけた三菱。

しかしデリカD:2(スズキ ソリオのOEM)、デリカD:3(日産 NV200バネットのOEM)がそんなに売れているという話は聞いたこともなく、「デリカならこういうカタチだろう」というイメージを、三菱オリジナルでキチンと作ったのが正解でした。

そのイメージは過去のデリカスターワゴンであり、またデリカスペースギアであり…しかしその次で、パジェロベースのクロカンSUVなどもう作れないとなって、いよいよ「デリカ」の命運もこれまでかと思った時…三菱の底力を見せたのがデリカD:5でした。

デリカミニへ直接つながる「デリカ」ブランド最新の源流を紹介しましょう。

最新「デリカD:5」中古車情報
本日の在庫数 2251台
平均価格 310万円
支払総額 35~695万円

パジェロベースじゃなくても「デリカ」は作れる!

ただのモノコックと思うなかれ、リブボーンフレームで補強されたボディを持つミニバンなど、他にあるだろうか

デリカスターワゴン、デリカスペースギアの2本立てで1990年代RVブーム時代に「クロカンとミニバンを融合したようなクルマなら、三菱のデリカでしょう!」と、固定ファンをガッチリとつかんだ三菱。

しかしベースとなる商用1BOX版「デリカ」は、商用車市場の縮小で1999年にデリカバン(スターワゴンのベース車)、デリカカーゴ(スペースギアのベース車)が相次いで販売終了して、マツダ ボンゴOEMへ以降。

さらに、これまでデリカ4WDシリーズの土台を支えたパジェロも、1999年にモデルチェンジした3代目からはボディとフレームが別体のラダーフレーム式ではなく、モノコックボディへラダーフレームを溶接した「ビルトインラダーフレーム式」になりました。

つまり、パジェロのボディ違いのような方式でミニバンSUVは作れない…2007年まで販売が継続されたデリカスペースギアをもって、いよいよデリカもおしまいかと思われます。

しかし、三菱のSUVはパジェロだけではありません。

パジェロベースから始まったチャレンジャーや、その血を引くエアトレックやアウトランダーといったワゴンタイプのSUVが発展しており、並の乗用車より強固な構造のモノコックボディで、三菱らしい発展を遂げていたのです。

2007年に登場した新世代ミニバンSUVは、それら新世代SUVをベースに開発され、5代目デリカを表す「デリカD:5」として誕生しました。

普通のミニバンも目指してみるが、行き着くところはSUV!

サポートカーとはいえ過酷な道を延々と走り悪路走破性が重要なのは変わらず、よいアピールになると「ユーロミルホー・リスボン~ダカール2007」で激走するデリカD:5

こうして無事に「デリカ」を引き継いだデリカD:5ですが、モノコックボディのFF車になったことで、他社のようなFF低床ミニバンとしてのラインナップも買おうとなり、FF車の「C2」系や、エアロバージョンの「ローデスト」系も設定されました。

しかし三菱としてもやはり本命は「ミニバンSUVとしてのデリカ」、肋骨のようなリブボーンフレームやアンダーフロアを補強するクロスメンバーで並のモノコックボディではなく、4WDシステムもアウトランダー譲りの電子制御フルタイム4WDです。

しかしラダーフレームでもスーパーセレクト4WDでもないデリカD:5、SUVらしいのはカッコだけじゃないかと思われるのはもっともな話で、その名にふさわしいことを証明すべく、発売された年のダカールラリーへ参戦!

あくまでパジェロのサポートカーでしたが、安全装備以外はノーマルで走ったデリカD:5は見事に最後まで走りきり、その悪路走破性やタフネスぶりの健在をアピールしました。

「三枚刃」という酷評を吹き飛ばしたダイナミックシールド

2019年のビッグマイナーチェンジでダイナミックシールド化、たくましい姿に生まれ変わって見事に人気を回復した

そうなればユーザーの期待はSUVミニバンとしてのデリカに集中、2009年早々にFF車のC2系は廃止され、2018年にはローデスト系も廃止。

2019年のビッグマイナーチェンジはディーゼルターボ車にのみ行われ、間もなくガソリン車は廃止、「ユーザーが望むデリカ」としての姿や性能を誇るグレードのみが残されます。

なお、ビッグマイナーチェンジでは三菱の新たなデザインアイコンとなるフロントマスク、「ダイナミックシールド」が採用され、発表時点では口の悪い人から「三枚刃」、「おろし金」などと面白がって好き勝手に酷評されますが、しょせん外野の勝手な意見。

そもそも三菱車、それもデリカを好むユーザーにとっては「かえってそれらしい」と好評だったようで、デビュー12年目にして低迷していた販売はV字回復、まさに「俺たちのデリカが帰ってきた!」とばかりに、人気モデルになりました。

その間もスライドドアを持つ悪路走破性の高い「ミニバンSUV」など、デリカD:5以外に登場せず、ライバル不在のままデビューから16年、ビッグマイナーチェンジから4年たった2023年現在でも、根強い人気と「デリカ」ブランドを守り続けています。

2023年5月に発売した軽自動車版デリカミニと、デリカD:5の2台持ちというファンもいるのではないでしょうか?

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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