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ホンダの大失敗作…と思いきや“走りの現場”では評価一変!速すぎた伝説のマシン・GA1/2 シティ【推し車】

なんとも複雑な2代目ホンダ シティの思い出

今でもGA2をガマン強く所有しているユーザーはいて、参加できそうなイベントだと元気な姿を見せる ©DCTMダイチャレ東北ミーティング

ホンダの「シティ」といえば、元祖トールボーイスタイルと優雅なカブリオレ、とんでもないジャジャ馬なターボと個性的だった初代が一番の有名どころで、もうちょっと詳しい人なら3代目以降はアジアカーとして新興国向け小型車需要を賄ったのも知ってると思います。

問題は間に挟まった2代目で、「初代を全否定した挙げ句の不人気車」と思う人もいれば、ジムカーナ競技などモータースポーツ経験者にとっては、懐かしいと喜ぶ人もいれば、ヒドイ下剋上をやられた思い出から、苦虫を噛み潰したように顔をしかめる人もいるのでは…?

今回はMOBYが試行中のAIが回答した「30〜50代のクルマ好き男性が興味あるクルマ」の1台、2代目GA1 / GA2型シティの「二面性」について思い返してみます。

最新「シティ」中古車情報
本日の在庫数 15台
平均価格 178万円
支払総額 90~419万円

初代を全否定したクラウチング・スタイルの大失敗作

最初期の「GA1」シティは1.2リッターのシングルキャブ車だったが、600kg台の車重で既に速かった

トンガったようなクサビ型「ウェッジシェイプ」、ツルンとした「フラッシュサーフェス」など、背が低くていかにも空気抵抗が少ないデザインが流行り始めた1980年代はじめ、背の高い初代「シティ」はそれだけで異質な存在でした。

しかし、優れた実用性や十分な動力性能をかさ上げしてあまりあるターボ、もはやジャジャ馬でしかなかったターボII”ブルドッグ”の追加、ピニンファリーナがデザインした幌つきでパステルカラーも華やかなカブリオレの設定など華があり、よく売れたものです。

ですから、1986年にモデルチェンジした2代目シティが、押しつぶしたかのように平べったく、ファニールックだった先代の名残が一切感じられない角ばったフロントマスクなど、初代の全否定デザインで登場した時は驚きました。

当時は既に初代トゥデイや3代目シビック(ワンダーシビック)が出た後ですから、それらとデザインの統一感を求めたような気もしますし、本来は北米向け低価格・低燃費車として企画されたため、小型軽量・空気抵抗低減を追求したのだ、と言われれば一応は納得。

しかし2代目シティの北米販売は頓挫、ほとんど国内向けになってしまうと、「こんな軽自動車みたいに狭く、可愛くもないクルマ、何に使うの?」となるわけです。

特に初代シティのコンセプトに共感したユーザーは一斉にソッポを向いたらしく、1995年まで販売していたのも、売れ行きが悪すぎて開発費の償却ができなかったからでは…と思いたくなるほどの不人気車、大失敗作でした。

もっとも、ルーフを高くした後継車ロゴもデザイン凡庸、安普請、回しても走らないハーフスロットル高性能という(当時としては)意味不明なコンセプトでコケてしまい、初代フィットまでホンダのコンパクトカーは暗黒時代が続いたのですが。

「走りの現場」では評価一変!大物喰らいの代表格

ホンダの高性能エンジンに多い「末尾C」を持つGA2シティ用エンジン、D13Cの中でも最強のPGM-Fi版(100馬力)

しかし買い物など日常ユースから舞台を変え、モータースポーツやツイスティな峠など、「走りの現場」に行くとその評価は全く正反対になります。

平べったいクラウチング・スタイルはミズスマシのように走る低重心、四隅に置かれたタイヤは高速から超低速まで、振り回してからビタッ!と方向をキメて加速する安定性は抜群ですし、国産車初というSOHC4バルブエンジンも、DOHCでもないのによく周りました。

そうか買い物グルマと思った俺たちが悪かった、これは「公道を走るレーシングカート」だな?と気づいたドライバーたちが、ジムカーナ競技や夜の峠に持ち込むと、まー走るは速いわ。

デビュー当時のジムカーナ競技、すなわち「ストレートなどほとんどなく、スタートからゴールまでひたすらRの小さいカーブを旋回、急加速、急減速、旋回を繰り返すステージ」なら、初期の1.2リッターシングルキャブエンジン(76馬力)でも十分に速かったのです。

1988年10月に追加されたGA2型、1.3リッターSOHC16バルブ「D13C」の電子制御インジェクション版(100馬力)を積むCR-iやCZ-iになると、もはや「シティタイプR」!

筆者も1度ジムカーナ練習会で試乗しましたが、ただ曲がるだけで猛烈な横Gに襲われながら小さいコーナーを破綻もなく駆け抜け、どこから踏んでも加速するんですから、「コレに勝とうと思ったら旋回性能以外の何かがよほど秀でていないと…」と、ウンザリ(※)。

(※当時の筆者は、ダイハツ ストーリアX4でGA2に勝とうと無謀な挑戦をしていました)

さすがにスピードの「伸び」という面では大排気量車に分があったとはいえ、狭苦しいところをチマチマ走り回るコース設定なら、「今日はシティのためのコースだな!」と言われ、実際よほどのトップドライバー以外、GA2シティに負けて当然だったのです。

あまりに速すぎた伝説のマシン

GA2には競技ベース的に簡素なCR-iと豪華装備版CZ-iがあったが、これは1989年10月に発売された前者の特別仕様車、「CR-iリミテッド」

当時のジムカーナA1クラス(排気量1.3リッター以下)をはじめ、「GA2のライバルはGA2」という状況になったGA2シティですが、2000年代に入ってモータースポーツの諸規則が相次ぎ変更、クラス区分なども変わると、シティの居場所は極端に限られます。

要するに「古くさいクルマがいつまでも主要クラスでハバ効かせてたら、自動車メーカーも迷惑」というわけで、参加者が少ない改造車クラスに追いやられたGA2シティは急速にその数を減らし、消えていきました…さすがにシビックやランエボが相手では分が悪いですし。

その後も、ローカルイベントで時々「GA2シティでも出られるクラス」が設定されると、参加してはブッチギリで勝ってしまうので、他の新しいクルマでは全く勝負にならず、結局は「シティ潰し」のようなルール作りが基本。

ラリーではその後も活躍しましたし、車両規則的な意味での縛りがない公道なら楽しむ余地はあったので、たとえば漫画「頭文字D」で藤原拓海のAE86トレノとバトルさせたら、カプチーノ戦より意外性があって面白かったと思いますが…(※)。

(※山口かつみの漫画「オーバーレブ!」では実現し、BMWのE36型M3相手に大勝利)

もしそんなバトルが実現していたら、GA2の5速MT車は中古車相場も爆上がりしたかもしれませんが、実際は元が不人気車だっただけにタマ数も少なく、CZ-iのノーマルに近い個体で138万円程度と、かなり控えめな数字ですね。

もし競技車上がりの中古でも見つかれば、ヘタにタイプRだVTECだってより、よほど面白くて目からウロコが落ちます。

実用車としては失格もいいトコでしたが、走り好きなら一度は乗ってほしい「隠れた伝説の傑作」です。

あ、ボディ剛性は当時のホンダらしくヨレヨレなので、本気で走る時はリアハッチが開かぬよう、ガムテープ等での固定を忘れずに…

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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