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高回転型エンジン・ミッドシップ・オープンの車が「ちょっと高い軽」の価格で買えた奇跡…“ホンダ”を詰め込んだスーパー軽、ホンダ ビート【推し車】
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DOHCではないけど…軽NA唯一の64馬力を誇らせたMTREC
一言で言えば「なんとなく景気づけに急造した」ビートでしたが、1980年代によく作られた固定式ロールバーを持つハッチバックベースのオープンカーとは異なり、完全フルオープンを実現した専用プラットフォームなど、その作りは贅沢の極み!
エンジンはトゥデイ用をベースにしたSOHC直列3気筒12バルブのE07Aで、かつての「S」で多用されたDOHCヘッドや、可変バルブ機構のVTECは持たなかったものの、3連スロットルの制御システム「MTREC」は「S」などに使われた4連キャブレターの再来です。
当時のホンダは市販車向けのターボチャージャーにあまり熱心ではなく(1980年代にシティやレジェンドの初代モデルに使った程度)、回した気持ちよさと実用性、環境性能を並存させた自然吸気エンジンが売りでしたから、ビートもそれに沿った形でした。
これで7,000回転までブン回した時の最大トルクが6.1kgf・m、さらに8,100回転まで回せば、現在まで続く軽自動車の自主規制上限、64馬力に達する典型的な高回転型エンジンで、まさにホンダらしさ全開!
頑丈なプラットフォームで当時の軽自動車としては重めの車重(760kg)もあって、実用域でも俊敏な加速性能とまではいかなかったものの、普段は雰囲気を楽しむフルオープンカー、本気で回せば鋭い速さを見せるリアルスポーツを見事に両立しています。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...