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OEMにしてはインパクトがデカかった!スズキ世界進出の足がかりとなった静岡生まれのアメ車、シボレー MW&クルーズ【推し車】

共同開発車YGM-1、GM名「シボレー クルーズ」

初代スズキ スイフトのアメリカンSUV仕様だが、大胆なリフトアップとGM流のドレスアップで見違えた「シボレー クルーズ」

シボレー MWのOEM供給に先駆け、GMはアジア・オセアニアを中心とした新しい新興国向け小型車「YGM-1」をスズキと共同開発することに決め、同車は東京モーターショー1999で発表された後、2001年10月には「シボレー クルーズ」として日本でも発売されました。

それに先立つ2000年1月、初代「スズキ スイフト」として発売されたコンパクトカーのGM版ですが、最低地上高を上げて大径タイヤを履き、ルーフレールを装着するなどクロスオーバー色が強く、ただ初代スイフトにシボレーのバッチを貼ったクルマではありません。

乗り味こそスイフトそのものでしたが、GM側で担当した外装デザインはアメ車風で、単純なビスカス・カップリングを使ったスタンバイ式ではなく、電子制御カップリングで積極的な駆動力配分を行う本格的な4WDシステムを採用したのも特徴。

いわば「初代スイフトがベースのSUV版」で、当初はGMオートワールド店向けに1.5リッター車を、スズキディーラー向けには1.3リッター車と分けて販売していましたが、すぐに全モデルが双方のディーラーで買えるようになります。

大抵の軽自動車より安い廉価グレード(SE-Z:2003年頃だと79万円~)があった初代スイフトに対し、シボレー クルーズは安くとも99万円からと少々高かったものの、当時としては手頃な価格で買えるアメリカン風味なコンパクトSUVとして、ちょっと人気でした。

スイフトが2004年に2代目へと代替わりした後も、シボレー クルーズは2008年まで販売されており、現在も販売している、イグニスやクロスビーのご先祖的モデル。

その間に深刻な経営危機に陥ったGMはスズキとの関係を段階的に解消、それを機にスズキは独力での世界戦略車として、2代目以降の「スイフト」を開発、3代目以降でコンパクト・トールワゴンの傑作になった「ソリオ」も生み出します。

日本では決して大ヒットとまで言えなかった「スズキ製GM車」ですが、GMとの提携強化を機に世界へ打って出る実力をつけ、今やトヨタに信頼されて、インドや東欧などで重要なポジションを任されるまでになったスズキにとっては、重要な転機になりました。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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