更新
アルファロメオ ステルヴィオ ディーゼル 試乗レポ|これがスポーツSUVだ!
#アルファロメオ ステルヴィオ をあまり知らない方へ
#ロングドライブ試乗レポートvol.42
試乗インプレッション
今回の試乗車は、イタリアの「ALFA ROMEO(アルファロメオ)」のSUV「STELVIO(ステルヴィオ)」。このステルヴィオは2018年7月から日本国内発売が開始されたアルファロメオ初のSUVとしてデビュー。このデビューの後、2019年4月からターボ・ディーゼルエンジン仕様車が追加ラインナップされました。もう少し詳しい情報は後述するとしまして、先に試乗インプレッションを箇条書きにまとめてお伝えします。
- 速い!
- クイックなハンドリング!
- 軽快!
- 乗り心地が良い!
- 安定感!
- 運転が楽しい!
- 峠をいつまでも走りたくなる!
という感想です。なぜこのようなインプレッションになったのか、機械的なこと、技術的なことは後述しますが、とにかく走って楽しいクルマ。走りの良さが信条のブランド、アルファロメオはSUVでもきっちり示してくれています。
同じエンジンを搭載したスポーツセダン「ジュリア」にも試乗
試乗コースは富士山方面、富士五湖の一つ精進湖を取材
アルファロメオとは?ステルヴィオとは?
この項では、アルファロメオとはどんな自動車メーカーなのか?ステルヴィオとはどんなクルマなのかについての概略をお伝えします。既知の方はお読み飛ばしを。
2020年は110周年となるアルファロメオ
1910年代からアルファロメオは、モータースポーツ界で実績を残し、スポーツカーメーカーの地位を確立。当時としては先進的な四輪独立懸架を採用した高級車を生産するなど、世界の自動車業界を牽引していました。その後、紆余曲折を経て1950年代からそれまでの高級車、高性能なスポーツカーを少量するメーカーから、量産車メーカーへ転じます。1954年にデビューして世界的ヒットを飛ばしたのが現在も後継車が生産されている「ジュリエッタ」です。1962年には「ジュリア」がデビュー、この2車種はアルファロメオを代表する名車となっています。
ステルヴィオとは?
アルファロメオ初のSUVとして2016年のロサンゼルスオートショーで世界初公開。当時、ドイツのニュルブルクリンクで当時世界最速となったセダン「ジュリア」のアーキテクチャ(基本構造)を用いて、ハイパワーなエンジンをアルファロメオ独自の四輪駆動システム「Q4」で走らせるミドルSUVとして誕生しました。2017年9月、ニュルブルクリンク北コース(1周約20.8km)でステルヴィオは量産SUVで当時世界最速、7分51秒7を記録しました。(ニュルブルクリンクで当時の世界記録を樹立したのは、「ジュリア・クアドリフォリオ」、「ステルヴィオ・クアドリフォリオ」)
ステルヴィオの名の由来はイタリア北部、アルプスにある峠から。
試乗車のスペック
ボディサイズは、全長4,690mm、全幅1,905mm、全高1,680mm、ホイールベース2,820mm。車重1,820kg。試乗車は「2.2 ターボ ディーゼル Q4」で新車車両価格は税込635万円。
走りの源はアルミ製エンジンと「Q4」
2.2L直列4気筒インタークーラー付きターボ・ディーゼルエンジンは、最高出力を154 (210) / 3,500rpm、最大トルク 470 (47.9) / 1,750rpmを発生させます。このエンジンはアルミ製で軽量化が図られ(ちょっと前まで、爆発力の大きいディーゼルエンジンはアルミ製でつくるのは大変なことでした)車両重量は1,820kg。一般的にガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車を比較すると、ディーゼルの方が重たくなりますが、ステルヴィオはガソリンエンジン車より10kg重いだけ。
前後輪のトルク配分を電子制御する四輪駆動システム「Q4」は、普通の路面では100%の駆動力を後輪に配分してFRのような走りのテイストに、路面状況が悪くなると、前輪に最大50%のトルク配分を行いAWDとして安定した走行を実現させたものです。
オフロードもオンロードも軽快な走り
というわけで、路面状態の悪い道へ。撮影場所の都合で撮れませんでしたが、この先には荒れたアスファルトの上に砂利と枯れ葉が敷き詰められたようなところもあり、滑りやすい路面状況がありました。ステルヴィオは、そんな道も何事もなかったように走り抜けました。途中、少し意地悪して停車状態からアクセルを強めに踏んでみましたが、お見事ですね。トルク配分が効いているなと体感はしましたが、安定して加速してくれます。トルク制御のない2WDだったらホイールスピンしていたことでしょう。雪道やアイスバーンでも、ステルヴィオは安定、安全な走りをしてくれるはずです。
特筆すべきなのは、乗り心地の良さ。アンジュレーション(路面のうねり)があるところでも、フラットで路面の凹凸をサスペンションが全部吸収してくれている体感です。ボディ全体がしっかりした剛性感のあるもので、とても安心感、安定感があります。どっしりとした印象というより、4つのタイヤでクルマが路面にしっかり着いているという印象ですね。
仕組み上、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて回転フィーリングが悪くなりがちですが、アルファロメオのディーゼルエンジンはそんなことありません。グイっと回転数をレスポンスよく上げて走ってくれます。最高出力はガソリンエンジンに劣るディーゼルエンジンですが、トルクはディーゼルの方が上。車重が重たくなるSUVには有利に働きます。峠の名を持つSUVですから、大人3、4名乗車して山道を走る機会が多い方はガソリンよりディーゼルの方がベストチョイスになるでしょう。
先進安全装備もしっかり。
自動ブレーキ、全車速対応のACC(アダプティブ・クルーズコントロール)などの先進技術もしっかり。ACCは車間距離の調整が適切で使いやすく渋滞時の追従も安心できるもの。走りのイメージが強いアルファロメオですが、先進技術もぬかりなくしっかり使えるレベルにしているところ、ナイスです。
曲がる楽しさ世界イチのSUV
アルファロメオといえば、ハンドリングの良さが定評のブランド。SUVになって車高が高くなり、ハンドリングに不利なボディになってもなんのその。ハンドル操作のクイックさはSUVらしからぬもの。ジュリアもハンドルはクイック。初めて乗る方は違和感を覚えるかもしれませんが、これはすぐに慣れると同時に楽しさに変わるはず。交差点を曲がるだけでも体感できます。登り坂のきついカーブは得意中の得意。かといって、直線が苦手なわけではありません。高速道路での直進安定性もしっかりとしていて長時間の運転も疲れにくいクルマです。
今回の試乗コースは、都内からは中央高速で河口湖ICまで走り、富士五湖から山麓の曲線の多い道路での走行を堪能。
撮影・文:MOBY編集部 宇野 智
- 最新「ステルヴィオ」中古車情報
-
本日の在庫数 115台 平均価格 490万円 支払総額 228~1,197万円
おすすめ関連記事
[/feed-ignore]
- 執筆者プロフィール
- 宇野 智
- モーター・エヴァンジェリスト/ライター/フォトグラファー/ビデオグラファー/エディター エヴァンジェリストとは「伝道者」のこと。クルマ好きでない人にもクルマ楽しさを伝えたい、がコンセプト。元MOBY編...