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V型エンジン・W型エンジンの構造とメリットの違いとは?搭載される代表車も紹介!

V型エンジンに採用されることが多いV型エンジン。そのエンジンはどのような構造で、どのようなメリットがあるエンジンなのでしょうか? 更にW型エンジンとはV型エンジンと何が異なるのでしょう。

V型エンジンとは?

レシプロエンジンとは、シリンダー(気筒)内をピストンが往復運動する機関を持つエンジンのことを言います。

市販車の多くは「直列型エンジン」と呼ばれるタイプが採用されています。何が直列かといえば、シリンダーが1列につまり直列に並んでいる構造なのです。

もう一つ「V型エンジン」と呼ばれるタイプがあります。V型とは2つのシリンダーが文字通り「V」の字のように2列になっています。
例えば6気筒エンジンですと、直列6気筒エンジンは6つのシリンダーがまっすぐ直列に並び、V型6気筒エンジンでは、V型の2列にシリンダーが3つずつ並ぶ構造となります。

車で市販化されたV型エンジンは、今までにV4、V6、V8、V10、V12、V16まで存在しています。

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V型エンジンの構造とそのメリット

V6エンジン ピストン

©shutterstock.com / Ksander

上の写真をご覧ください。これはV型6気筒エンジンです。左右に3つずつピストンが「V」の字に配列されていることがわかります。

その下にあるのがクランクシャフトと呼ばれるものです。クランクシャフトには全てのピストンが繋がっています。
ピストンとクランクシャフトの間にある棒状の部品をコンロッドと呼びます。

各ピストンで得た動力をクランクシャフトに回転運動として伝達します。この回転運動が、クラッチなどを経由して駆動輪に伝えられることによって車は走ることができます。

f328-E

©️久太郎

V型エンジンと聞くと、高性能なスポーツカーのエンジンとして聞くことが多いのではないでしょうか?

自動車最高峰レースF1のエンジンもV型エンジンを採用しています。V型エンジンがスポーツカーやレースカーで採用される理由は、V型エンジンの構造とメリットに答えがあります。

V型エンジンンの構造

V型エンジンのシリンダー列をバンクと呼びます。左右両バンクの「V」の字の角度のことをバンク角といいます。

バンク角はエンジンの気筒数と振動バランスの関係によって異なってきます。一般的なV型エンジンのバンク角は、V6とV12は60度、V8は90度、V10は72度を採用されています。

V12の場合は更に180度のバンク角を持つエンジンも存在します。
180度というt水平対向エンジンと思われがちですが、その違いはクランクシャフトとコンロッドが接続される位置です。
左右バンクで対になる2つのコンロッドがクランクシャフトの同じ位置で接続されているのが180度V型です。

それに対して対になるコンロッドがクランクシャフトの別々の場所で接続されているのが水平対向エンジンです。
これはエンジン内部の話なので、エンジンの外観からV型か水平対向かを見極めることは非常に困難です。

水平対向エンジンについて詳しくはこちら!

V型エンジンのメリットとデメリット

V10エンジンを搭載するBMW M5(E60)

BMW M5 E60型

V型エンジンは、直列型エンジンに比べ、どのようなメリット、デメリットががあるのでしょうか?そして、スポーツカーやレースカーで採用される理由はなんでしょうか?

その課題を解決するのがV型エンジンなのです。

V型エンジンのメリット

・バンクを左右に分けることでエンジンの全長が短くなる。
・エンジン高が低くなることから車の重心を下げることができる。
・片バンクだけでも動力を得て走ることが可能である。

V型エンジンのデメリット

・直列エンジンに比べ横幅が広くなる。
・各バンクにカムシャフトが必要で部品が多くなり複雑になる。
・部品が多くなることでエンジンの重量が増える。

高級車や大排気量車によく用いられる

スポーツカーやレースカーでV型エンジンがよく採用されるのは、コストや複雑さといったデメリットよりも、エンジンの全長が短くなることで搭載位置をできる限り車の中心に配置すること、車の重心を下げることで、車全体の重量バランス、コーナーリングの速度をあげることができるからです。特にレースでは、0.1秒を争うため必要な条件になります。

車自体の性能が向上する多気筒(6気筒以上)では、全長を抑えているV型エンジンの方が、限られたスペースに搭載しやすくなります。(エンジンの補機類をバンク間に配置することによって、エンジンが幅広くなった部分をある程度補填することが可能です。)

よって高性能な大排気量スポーツカーや、重量がある高級セダンの最上位に位置する特定のカテゴリーにおいては、V型エンジンを採用する車種が多いと言えます。

2列あるV型エンジンでは、片方1列のバンクを休止してエンジンを動かす仕組みを持ち、パワーが不要なときに走行時の燃費の向上が図られているモデルがあります。

V型エンジンを搭載する代表車たち

V8エンジンを搭載するフェラーリ 328GTS

フェラーリ F328 GTS

©️久太郎

V型エンジンは多くの車に搭載されています。昔からV型エンジンはスポーツカーに多く採用されてきましたが、最近では高級セダンにも採用されています。

国産車ではV6を採用した日産 GT-Rや新型NSXが有名です。8気筒以上になると、外国車が多くメルセデス、フェラーリ、ランボルギーニが有名です。

V6からV12までのエンジンを搭載する代表車をご紹介します。

V型6気筒エンジンを搭載する代表車

ホンダ 初代NSX(NA1/NA2型)

日産 GT-R

日産 GT-R track シルバー フロント

アウディ S4

V型8気筒エンジンを搭載する代表車

マクラーレン 650S
3.8L V型8気筒 DOHCツインターボエンジン

フェラーリ 488GTB
3.9L V型8気筒 DOHCツインターボエンジン

フェラーリ 488GTB

©Shutterstock.com/ Zavatskiy Aleksandr

シボレー コルベット C7
6.2L V型8気筒OHVスーパーチャージャーエンジン

©Shutterstock.com/ Darren Brode

V10エンジンを搭載した代表車

レクサス LFA
4.8L V型10気筒 DOHCエンジン

レクサス LFA

アウディ R8
5.2L V型10気筒 DOHCエンジン

アウディ R8 V10 クーペ 外装

ランボルギーニ ウラカン LP610-4
5.2L V型10気筒 DOHCエンジン

ランボルギーニ ウラカン LP 610-4

©Shutterstock.com/ Dong liu

V12エンジンを搭載する代表車

メルセデスベンツ マイバッハ S600
6.0L V型12気筒 SOHCツインターボエンジン

メルセデス ベンツ マイバッハ Sクラス 2015年

フェラーリ F12ベルリネッタ
6.3L V型12気筒 DOHCエンジン

ランボルギーニ アヴェンタドール LP700-4
6.5L V型12気筒 DOHCエンジン

ランボルギーニ アヴェンタドール LP 700-4 coupe 2012年

V型を超えた?W型エンジンはここが違う!

W型エンジンと聞いて、先程のV型エンジンを正面から見た両バンクとクランクシャフトを繋ぐ形が「V」だったのに対して、「W」に見えるから?と思った方は正解です。4バンクを1本のクランクシャフトと繋ぐラインが英文字の「W」に見えるのです。

4バンクの場合は、V型エンジンを横に2機並べたようなデザインになります。ただしクランクシャフトは1本なので、単純にV型エンジンを2機並べたわけではありません。

W型エンジンの構造

ではW型エンジンの構造は、V型エンジンに比べて何が違うのでしょうか?
またV型エンジン以上のメリットがあるのでしょうか?

W型エンジンの構造は更に複雑?

W型エンジンの基本的な構造は V型エンジンと同じですが、バンク数が増えたことによって構成部品が増え、より複雑化しています。フォルクスワーゲンが、4バンクW12型エンジンを発表しました。

このW型エンジンは、フォルクスワーゲンの狭角V型6気筒エンジン(VR6)を2基組み合わせています。4つのバンクを持つ12気筒エンジンなのですが、4つのバンクが明確に別れているようには見えません。見た目は幅が広いバンクの大きなV型エンジンに見えます。
VR型エンジンを2基合わせたことから、WR型12気筒とも呼ばれます。

現在はフォルクスワーゲンの傘下にあるブガッティが4バンクW16型エンジンを市販化しています。これはVR6を応用し、シリンダーを更に2つ増やしたものを2基合わせて合計16気筒としています。よって、WR型16気筒エンジンとも呼ばれます。
現在は改良が重ねられ、最大出力は1500psにも到達しています。

W型エンジンのメリット・デメリット

W型エンジンはエンジンの全長を大きくせず気筒数を倍増させることができるのが最大のメリットとなります。大排気量化、高出力化を目指すなら最も適したエンジン型式の一つとなります。

しかし、V型エンジンに比べ横幅がかなり広くなることから、車幅も広く取る必要がありコンパクトカーなどではなく、高出力がもとめられるスポーツカーや大型のサルーンでのみしか採用されないデメリットがあります。

W型エンジンを搭載する車種

現在市販車で4バンクW型12気筒エンジンを搭載している車は、いずれもフォルクスワーゲン社製エンジンがベースです。

また4バンクW型16気筒エンジンもVR6エンジンの延長線上でデザインされたエンジンですので、W型エンジン搭載車はある意味、兄弟車とも言えるでしょう。

4バンクW型12気筒エンジン搭載車

代表される主な車種は以下の通りです。

フォルクスワーゲン フェートン W12
6.0L W型12気筒エンジン

フォルクスワーゲン フェートン 最終モデル

アウディ A8 W12
6.3L W型12気筒エンジン

アウディ A8 2015年式

ベントレー コンチネンタルGT
6.0L W型12気筒 ツインターボエンジン

ベントレー コンチネンタルGT 2016年型

他にも搭載されている車種は存在しますが、いずれもボディサイズは大きく、価格も高価な車のみとなっています。

4バンクW型16気筒エンジン搭載車

現在はブガッティ社のスポーツカーだけに搭載されています。ブガッティ ヴェイロンの8.0L W型16気筒 クワッドターボエンジン、ブガッティ シロンの8.0L W型16気筒 クワッドターボエンジンのみです。

どちらの価格も億単位で、別次元の車と言えるでしょう。

V型エンジン・W型エンジンの未来

V型エンジンは大排気量エンジンが多気筒化されるにつれ、エンジンの剛性やバランスを向上させ、車としての性能面にも貢献してきました。またW型エンジンは限られた車種のみに搭載されています。
メーカーの技術力をアピールが目的である傾向が強いので、今後その車種が劇的に増えていくことは考えづらいと思われます。

大排気量になれば、馬力もトルクも上がり性能が向上します。そんな中、レシプロエンジンは生き残りをかけてCO2の排出量を抑えるためにエンジンの排気量を少なくし、ターボ(ターボチャジャー)を装着することで車の性能を落とさないよう対応しています。

またエンジンの燃焼効率の向上や馬力の伝達ロスを少なくすること、有害物質の排出を少なくする廃棄システムなどを合わせて大排気量のままCO2の削減に成功している自動車メーカーもあります。

しかし、昨今の環境破壊への配慮が唱えられるようになってから車が排出するCO2が制限値は年々下げられています。ガソリンだけに頼った純粋なレシプロエンジンは、近い将来、ハイブリッドや水素や電気などのエンジンへの本格的な転換期を迎えるのかもしれません。

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この記事の執筆者

久太郎この執筆者の詳細プロフィール

漫画「サーキットの狼」がきっかけとなり、1970年後半のスーパーカーブームに感化され未だにその熱が覚めず現在に至る。 特にヨーロッパ車の文化とデザインに魅了された車好きです。 現在の愛車はちょっと古めのフェラーリです。 この車は、工業製品でありながら芸術品でもあり、次のオー...