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セダンやSUV、だんだん同じ見た目になってない?令和に“クーペ風”デザインが流行るワケ
近年、新型車のボディラインが変化しています。四角い車をほとんど見ることが無くなり、流麗で滑らかなボディラインを描く車が非常に多くなりました。
こうした車は、セダンやSUVを「クーペ風」にしたものです。このデザインが多く取り入れられる理由は何なのでしょうか。
もともと“クーペ”は「2人乗りの馬車」だった
クーペという言葉の歴史を辿っていくと、現代の車の祖先である馬車へと行きつきます。馬車の様々なタイプを表す名称の一つとして、クーペが存在するのです。
クーペとは、2人乗りの4輪箱型馬車のこと。イメージとしては、シンデレラに出てくるカボチャの馬車を思い浮かべてください。この形の馬車が転じて、現在は車のカテゴリーの一つであるクーペになっているのです。
自動車のクーペも基本的には2人乗りの車を指します。2つのドア、運転席と助手席があり、後部座席は一応ありますがエマージェンシー用です。
長く伸びたボンネットからキャビンに向かって滑らかに盛り上がり、キャビン中央部から後方へかけて、なだらかに下っていくボディラインは伸びやかで流麗です。
見た目の格好良さはピカイチですが、キャビンは小さく機能的とは言いにくい形状。基本的にはスポーツカーや高級車に採用されることが多く、富の象徴(無駄を楽しむ)という要素も持ち合わせています。
セダンやSUVをクーペ風にするメリットは?
最近では、セダンやSUVにクーペ風のボディラインを採用する車が増えています。その理由はなんといっても格好の良さです。また、クーペを謳うことによって、高級感を纏うこともできます。
若干ですが、車の性能的な面でもメリットはあるでしょう。角張ったセダンやミニバンのテール部分よりも、滑らかに整えられたクーペ風モデルのテール部分の方が、空気の流れがスムーズになります。
一般的に、車の後方では上下左右から空気が流れ込み、空気の流れが寸断されるのと同時に、対流し、前進を続ける車を後方へ引く力が発生します。これにより抵抗が生まれ、前へ進むためにより多くのエネルギーが必要になり、燃費を稼ぐことが難しくなってしまうのです。
クーペ風にすることにより、スムーズに空気が流れ、燃費の向上にも一部寄与していることでしょう。
- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...