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ガソリン価格の店頭表示“しない”のもアリ?ガソリンスタンドも辛かった“物価上昇”と“値下げ競争”事情とは
店頭でのガソリン価格表示は義務ではない?
全国石油商業組合連合会が2022年11月に発行した「ガソリンスタンドにおける価格表示の適正化ガイドライン」を見ていくと、意外なことが分かりました。
ガソリンスタンド店頭における価格表示の基準には、「店頭の見やすい場所に簡潔で、わかりやすく、正確に表示すること」(加えて表示は総額表示形式で行うこと)と明記されています。
さらに、価格表示を行う場合の内容についてという項目を見ていくと、価格表示は、不特定多数の消費者に商品購入の判断材料を提供することを主目的とすることから「一般消費者向けの現金小売価格」とすることと明記されていました。
※会員やプリペイドカード客など特定の消費者を対象にした価格表示も認められており、その際には「会員限定」などの適用条件を、金額のすぐそばに同程度の大きさの文字で見やすく表示することと定められています。
しかし、ガイドラインを読み進めていくと、「店頭表示を行う場合は〇〇しなさい(もしくは〇〇してはいけない)」ということは記載されているのですが、「店頭表示をしなければならない」という記載はないことに気づきます。
つまり、ガソリンスタンドの価格表示は、店頭表示をするもしないも、経営者の自由ということになるのです。
「ガソリン価格を表示しない」のも自由
2021年4月より、価格表記に消費税を含めた価格とする「総額表示」が義務化されました。この総額表示は、もちろんガソリンにも適用されています。
つまり、ガソリンの価格表示には、本体価格と消費税を合わせた価格が示されているということです。給油機の上にある、ガソリンの店内表示は消費税込み価格を表示することが決まりです。
過度な価格競争により、ガソリン価格が下がります。しかし、競争を続けるとガソリンスタンドの経営が立ち行かなくなり、廃業となることも。こうした競争心理を避けるために、あえて価格の店頭表示を行わないお店や地域が存在します。
価格の安い場所を選ぶのは一つの選択肢ですが、地域のために頑張ってガソリンを販売しているお店を選ぶというのも、消費者にとっては大切な選択肢の一つです。ガソリン販売の裏側に目を向けると、お店の考え方も想像することができます。
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- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...