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「現行ジムニーがレバー式に戻した理由に納得!」便利だけでは語れない4WDの操作系
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フルタイム4WDは、イージードライブの流れに乗ったが……
一方で、一切操作系がないのがフルタイム4WDの美点だったのですが、4WDシステムが電子制御されるにしたがって、「テレインセレクト」という機構が装備され始めました。
テレインセレクトは、路面状態をセットすることで、コンピュータがエンジン出力、制動力、各輪への駆動力配分を行うというもの。これらの操作にはロータリースイッチを採用する車種が多く、日産 エクストレイルやスバル フォレスターなどもそうしたモデルのひとつでした。
輸入SUVの中にはトラックパッドで操作するものもあり、走行中でも直感的にコントロールできるというのがウリとなっています。
現在の操作系はさらに進化。例えばスバル クロストレックはインパネ中央に配置された大型ディスプレイの中にあるアイコンで路面を選択。タブレットをいじるように、より直感的な操作が可能になりました。
オフロード向け車種においては操作系の簡略化を危惧する専門家も
電気系の信頼性が向上したこともあり、トヨタ ランドクルーザ−など僻地を走ることが身上の車種でも、一部車種でスイッチ式の操作系を採用する4WDが増えているのが実情です。今後は、モニターの中のアイコンをタッチするという手法が、操作系の主流となりそうです。
しかし、操作系が進化する一方で、悪路や雪道に入るという心構えができなくなるのではという心配も。
例えば、レバーを前後に動かす、ロータリースイッチを回すという物理的な動作によって、ドライバーはこれから危険を伴うシーンでドライブするという心構えができます。
電子制御の進化により、車両のコントロールが以前よりイージーになりましたが、危険度が低下したわけではありません。そういう点から考えると、操作系の簡略化を危惧する専門家も少なくないようです。
マニュアル式の操作系がいいのか、それとも電気式の操作系がいいのかは、そのクルマが使われる前提によって変わります。
やはり僻地で使われるワークホース系の四駆は、複雑な電子制御にしてしまうと耐久性や信頼性の面で心配が。加えて、複雑な電気系だと現地で応急の修理をすることも難しくなります。
一方で、全般的にサービス拠点が近い場所を走ることが前提のSUVは、よりドライバーに負担をかけないシステムが理想です。どちらの方式にも、まだ一長一短があるといえるでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...