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過去の東京オートサロンでカスタムカーやコンパニオンより盛り上がったのは〇〇!

2022年1月14日から16日まで開催される東京オートサロン2022に合わせて、過去数年のオートサロンで筆者にとって思い出深かったブースをいくつかご紹介します。

毎年行くと「見どころ」が変わってくるオートサロン

東京オートサロン2017(撮影:兵藤 忠彦)

毎年のようにオートサロンへ足を運ぶと思うのは、「あの展示、去年もあったよね?」だったり、「毎年似たような車が多いな」という事です。

街道レーサーやレーサーレプリカ、あるいは過去の名車をモチーフにして云々、という事になると、ドレスアップの方向性を自ら狭めているようなもので、何をベースにしても結局は同じような車に仕上がっちゃいます。

初めてオートサロンを見に行った人なら、「何これスゴイ!」となるはずですが、毎年通う側からすると、「ああ今年もこれか」と、横目でチラ見して終わってしまうのも仕方ありません。

だからこそ、ちょっと変わったブースでは足を止めますし、小規模ブースに埋もれていても「ピカーン!」と光る車を見つけた時は、宝物を見つけた気分になります。

本当にイイ車なら、ブースの大小なんて関係なし!

小規模ブースで、台の上でもなく漠然と置かれた「宝石」、ホンダアクセスのS660ネオクラシック(2016年・撮影:兵藤 忠彦)

その代表格が2016年、わずか2台ばかりのカスタムカーをチョコンと並べただけのホンダアクセス。展示場を見下ろせる位置から無数に置かれた展示車の中で1台だけ妙に浮いていて、全く異なるオーラに「なんだあの車は?!」と、目が釘付けになりました。

すごく遠くで小さくしか見えないのに、頭から稲妻を落とされたというな衝撃を受け、早くあの車のブースへ行かねば…と、フラフラ引き付けられたのを、何年たってもよく覚えています。

古くて新しいS660ネオクラシックのテールデザインには、ホンダイズムが宿っていると思う(2016年・ 撮影:兵藤 忠彦 )

それがその年のカスタムカーグランプリに輝き、、後にボディキットも販売されたホンダアクセスの「S660ネオクラシック」。

正直S660も、その前のS2000もデザインが好みでなかった筆者にとって、「そうだよ!俺がこうであって欲しいと思った”エス”はこれなんだよ!」と我が意を得たりで、一連のS(スポーツカー)とN(軽乗用車)、1960年代ホンダの名車が見事に融合されています。

「な、なんですかこれは?!」と、ブース担当者へ食ってかかったように話かけましたが、興奮していて何を話したのか…「このデザインでデビューしていたら、S660の歴史は変わったでしょうね」と言った事だけは覚えています。

「本物」には、派手な装飾や演出で着飾ったブースも、どちらが華かわからないお姉さんも必要なく、「ただそこにあるだけ」で十分なのです。

小規模ブース群の一角で、N-ONEピックアップ仕様と2台だけチョコンと並べたブース自体は全然目立たないのに、「本当の一流は、隠しきれないものだ」と思いました。

「水中眼鏡」と呼ばれたリヤガラスの再現が泣かせる初代ホンダZモチーフの「Re:Z」(2018年・ 撮影:兵藤 忠彦 )

なお、ホンダアクセスは2018年にもCR-Zをベースに、往年の初代ホンダZをモチーフとした「Re:Z」を出展。

これも「水中眼鏡」と言われたリヤガラスを、ガラスハッチ風にあえてバンパー上から開くところまで再現、往年のホンダファンを泣かせる演出です。

胸を打たれたのは「和の心」か「大和撫子」か?

テスラ車ながら和の心満載のモデルSに…というより、和装の大和撫子に心打たれた気もする「KOKORO」ブース(2016年・ 撮影:兵藤 忠彦 )

意外な取り合わせのブースも記憶に残るもので、テスラ モデルSへオリジナルのエアロや車高調、ブレーキなどを組み込み展示していた「KOKORO」(岡山県岡山市)の2016年ブースも秀逸でした。

画期的な運転支援機能を組み込んだ、アメリカ製最新EVは当時まだまだ一般的と言えず、筆者も実車を見るのはほぼ初めて。フルエアロにローダウン、高級そうなホイールの向こうに光る赤いブレーキパーツは「定番カスタムカー」っぽいパッケージです。

しかし、黒いボディカラーの深みと随所にアクセントとして加えられたゴールドのパーツというシックな組み合わせは、外車というより高級国産車のような懐かしさもあります。加えてパンフレット片手に花を添えているのは、落ち着いた色の着物に身を包んだ女性。

テスラ車を素材としつつ、「日本の繊細な心や美意識を世界に発信したい」というのが「KOKORO」ブランドのテーマにどハマリしており、わずか車1台分のブースがそこだけ別世界のようで、ついつい見とれてしまいました。

和の心、日本流のおもてなしを演出するのは、何も国産車じゃなくたってできるじゃないか、と言っているようでしたし、KOKOROのモデルSはどんな国産車より「日本車らしかった」と思います。

KOKOROブースへは2017年も足を運びましたが大和撫子は不在、ブースの雰囲気へ大きな影響を与えていたのを実感(2017年・ 撮影:兵藤 忠彦 )

なお、翌2017年のオートサロンでも真っ先にKOKOROブースへ足を運んだ筆者ですが、「和服の人?今年は来ないよ?」と言われガッカリしてしまったので、実際は単なる下心だったのかもしれません(笑)。

新型コロナ禍以降は下火とはいえ、いずれはまた海外からの客も増えるであろうオートサロンですから、「和の心」を感じさせるブースがもっと増えてもいいと思います。

メーカー系で意外に熱く、車が主役なダイハツ×D-SPORT

TAS2016へ展示されたコペンシューティングブレーク(手前)と、後に市販されたコペンクーペ(奥)・(撮影:兵藤 忠彦)

メーカー系ブースで積極的な提案が面白いのは、ダイハツ×D-SPORTのコラボブース。

かなり大規模で派手なブースを構える他メーカーに比べれば小規模で地味、筆者のように熱心なダイハツファンでもなければ素通りする人も多いかもしれませんが、ダイハツ専門パーツブランド「D-SPORT」と本格コラボ開始以来、毎回面白い展示をしています。

2016年はコペンのクーペ仕様とシューティングブレーク仕様のコンセプトカーを展示、アンケートを取るなどユーザーの反響を熱心にリサーチして、後にコペンクーペは200台限定で実際に販売されました。

ブーン スポルザ仕様(奥)とG11シャレード・デ・トマソ、新旧ダイハツリッターカースポーツ(TAS2018・撮影:兵藤 忠彦)

2017~2019年は、往年のシャレード・デ・トマソやミラTR-XXを思い起こさせる赤黒ツートンのスポーツカスタムを多数展示、2018年には本物のシャレード・デ・トマソターボ(2代目G11型)、2019年には往年の日本グランプリマシンP-5も展示。

ダイハツのスポーツ路線復活を予感させましたし、後にダイハツ関連会社で現行ブーンのCVTをローギアード化して加速性能を向上させるパーツも販売するなど本気なところを見せましたが、案外ユーザーの反応が鈍いのか、なかなか市販車へ反映されないのが残念です。

小排気量ながら本格的なGPマシンで1960年代の日本GPを戦った、ダイハツP-5(TAS2019・撮影:兵藤 忠彦)

スポーツ路線だけでなく、レジャー用途での人気が高まる軽商用車のカスタマイズカーも多く、軽トラに大型キャビン化したハイゼットジャンボ、軽1BOXの荷室をオープンデッキ化したハイゼットデッキバンのレジャー仕様カスタマイズも多数あります。

そのものズバリな特別仕様車や、オプションキットを発売するのではなく、カスタム自体はサードパーティへ任せつつ、「ダイハツの軽商用車ならこんな面白い事もできるんですよ!」とイメージさせる展示でした。

ダイハツはスズキにないハイゼットデッキバンのレジャー仕様でアピール(TAS2018・撮影:兵藤 忠彦)

デビュー前のスーパーキャリイをブースの隅で小さく、それも移動販売車仕様で目立たないようにしていたスズキも後にはダイハツ同様、軽商用車のイメージコンセプトを出展するようになっています。

大メーカーだとブース自体は派手なんですが車が目立たず、あるいは車は目立っても立派過ぎて、「それで何をするのか」が身近に感じにくいと思ったので、ダイハツやスズキの方が、オートサロンのブースをうまく使っている印象を受けました。

長くなりそうなので続きは後編へ。次回は「学校関連」のブースの面白さや楽しさをご紹介します。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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