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パートタイム4WDは駆動方式を切り替える?フルタイム4WDとの違いも

パートタイム4WDとは?

パートタイム4WDとは、2WDと4WDのどちらでも走行できる駆動方式のこと。パートタイム4WDの自動車を走らせる場合、通常走行時には2WDで走行し、必要に応じて4WDへ切り替えるということが、標準的な使い方となっています。

これに対し、常に4WD走行を行う駆動方式をフルタイム4WDと言います。現在の日本車の4WDのほとんどがフルタイム4WDです。

一般的に「4WDの車」という表現をする場合は、このフルタイム4WDを指すことが多いと言えます。

駆動方式について詳しく知りたい方はこちら!

どうやって駆動方式を切り替えるの?

副変速機レバーを操作する

パートタイム4WDを理解するうえでポイントになるパーツの一つがトランスファーです。

2WDと4WDでの走行を切り替えるときに、用意されている副変速機レバーを操作してトランスファーを接続して前軸部のドライブギアを駆動させます。4WDから2WDへ戻すときにもレバー操作します。

ジムニーの車内。シフトレバー下に見えるものが副変速機レバー。

一部車種では駆動方式に合わせてハブロックレバーを操作する

今では一部の車種だけですが、パートタイム4WDといえばハブロックもお馴染みかつ重要な構造です。

ハブロックの役割は、必要に応じて前輪をドライブシャフトへ固定すること・フリーにする(駆動が伝わらない状態にする)ことになります。

例えば昔のジムニーでは、ハブロックの固定・解除を手動で行うハブロックレバーが前輪に装備されていました。2WDで走行するときにはハブロックをフリーの状態にして、4WD走行時にロックさせるといった感じです。

現行のJB64型ジムニーにハブロックレバーはありません。エアハブロックというタイプになっていて、わざわざ車から降りてハブロックを操作することなく、必要に応じてロック・フリーが切り替えられるようになっています。今やはハブロックレバーもレトロの領域と言えるでしょう。

パートタイム4WDでも、なぜ通常は2WDで走行するの?

2WDで走行することが基本とされている理由の一つが、タイトコーナーブレーキ現象を防ぐためです。タイトコーナーブレーキ現象とは、コーナー旋回時の前輪と後輪の回転差によって前輪で急ブレーキがかかったようになることです。

パートタイム4WDはいわゆる直結式4WD。つまり前後車輪の回転差が吸収されず、4WDで走行するとタイトコーナーブレーキ現象が発生します。これを防ぐためには2WDで走行するしかないということです。

ちなみに、パートタイム4WDではタイトコーナーブレーキ現象が発生しますが、例えばフルタイム4WDでこれは発生しません。

その理由はセンターデフで、これがあることで前輪と後輪の回転差が抑えられている(調整されている)のです。前述したようにパートタイム4WDにはセンターデフが装着されていませんが、2WDにすることでタイトコーナーブレーキ現象に対応しています。

4WD車について詳しく知りたい方はこちら!

パートタイム4WDが性能を発揮するのはいつ?

©cineuno/stock.adobe.com

砂利道や雪道といった未舗装路においてパートタイム4WDは性能を発揮します。こういった路面ではタイヤがグリップしにくく、なおかつ前輪・後輪の4本のタイヤすべてが駆動してトラクションがそれぞれへ分散されるため、2WDのときと比べると比較的走破性が向上するのです。

ただし、パートタイム4WDにはデフが装着されていないので、いくら4WDとはいえど空転してトラクションを路面へ伝えられないときもあります。

そういった課題を解決するものがブレーキLSDトラクションコントロールで、空転する車輪へブレーキを効かせることで片方の車輪のトラクションが路面に伝えます。

パートタイム4WDが採用された自動車は?

スズキ ジムニー

パートタイム4WDが採用されている自動車はさまざま。代表的な車種を一つ挙げるとスズキ ジムニー(ジムニーシエラ)です。

トランスミッションに5MTと4ATの異なる2つのモデルが用意されているほか、これらには4Hと4Lの2つギアが選べる副変速機も装備。先に紹介したブレーキLSDトラクションコントロールは、4Lギア選択時に作動します。

軽トラックにもパートタイム4WD仕様モデルが存在します。同じくスズキの現行車・キャリイ農繁スペシャル 5MTもパートタイム4WD、なおかつ高低速2段切替式です。さらにデフロック機構が備わっていて、スイッチ操作で簡単にオンにできます。

意外に多いパートタイム4WDモデル

パートタイム4WDは2WDでの走行が基本になりますから、必要なときにだけ4WD、それ以外ではタイヤに優しい2WDで走行したいという方におすすめです。

常時四輪が駆動するフルタイム4WDよりも、タイヤを労った使い方ができると言えます。

デフがないので機械式デフ入り4WDのような作動制限はありませんが、現行ジムニーのブレーキLSDトラクションコントロールや、デフロック機構付きパートタイム4WDのように低ミューでトラクションを伝えるモデルも。

パートタイム4WDは意外にもさまざまなモデルが販売されていますので、気になる一台を探してみてはいかがでしょうか。

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。

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