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トリップメーターとは?使い方、見方と動かない等の故障修理について解説!
目次
トリップメーターとは?

トリップメーターとは、車の区間走行距離を表示する計器のことです。
自動車に必ず備えなければいけない計器には指定されていないので、2000年頃まで廉価グレードの軽自動車などでは省略されていることもありました。
トリップメーターは任意の2地点間の走行距離を計測するためいつでもリセットできるようになっていて、例えば旅行に出かける時にリセットしておけば、目的地までの距離や旅行を通じて走った距離を知ることができます。
1990年代までは歯車で数字の書かれた円筒を回転させるアナログ式がほとんどでしたが、現在では液晶表示のデジタル式が主流となり、「A」「B」や「1」「2」など複数の区間走行距離が計測できるようになっている車種もあります。
トリップメーターとオドメーターの違い
トリップメーターと似たような見た目と機能をもつメーターに、オドメーターというものがあります。
デジタル式のメーターでは「ODO」などと表示される場合もあります。
「自動車の走行距離を計る」という機能は同じですが、オドメーターには車が完成してからの走行距離が積算して表示され、車検証にも車検時のオドメーターの値が記載されます。
トリップメーターとの最も大きな違いは、自分でリセットできないという点です。
皆さんが中古車を見るとき、走行距離は重要なチェックポイントのひとつですよね。
容易にリセットすることができないオドメーターを見ればその車がどのくらいの距離を走行しているかがわかるので、中古車の状態を知る1つの手掛かりになります。
もう1つの違いは、オドメーターが1km刻みなのに対してトリップメーターは0.1km刻みになっています。
これはオドメーターがその車の積算走行距離を表示するのに対して、トリップメーターは区間走行距離を示しているので、より細かい0.1kmの単位まで表示できるようになっている、ということです。
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トリップメーターの見方とリセット方法
トリップメーターはどこにある?車によって表示のタイプもいろいろ

多くの車種では、トリップメーターはスピードメーターや燃料計が設置されているインストルメント・パネル(インパネ)と呼ばれる部分に表示されています。
最近の車では走行距離だけでなく、給油後の「平均燃費」やエンジンをかけてからの「アイドルストップ時間」、残りのガソリンで走ることのできる「航続可能距離」など色々な数値をメーター内に表示できるようになっています。
これらはメーター内に一覧で表示される場合もありますが、表示部分を共用している場合にはボタンなどで表示の切り替えを行う必要があります。

表示の切り替えは、表示部の近くにインパネから飛び出すように設置されている棒状のボタンを短く押すことで切り替えられるようになっているのが一般的です。
高級車に多いインパネ全体が液晶になっている車などでは、切り替えボタン自体が液晶に表示されたり、ハンドルなど別の場所についていることもありますので、一見してボタンが見当たらないというような場合にはお使いの車の取扱説明書で確認してみてください。
トリップメーターのリセット方法

トリップメーターは、いつでも好きな時に表示を「0km」にリセットすることができます。
リセットボタンは先ほど表示切り替えボタンと共用されていることが多く、そのような場合は表示の切り替えで短く押していたところを今度は「長押し」することでリセットできるようになっています。
このリセットボタンも車種によっては別のところについている場合もありますので、表示できる内容や切り替えの方法なども含めて、取扱説明書を見ておくと良いでしょう。
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トリップメーターの便利な使い方をご紹介!
2つの地点の走行距離を計るという単純な機能のトリップメーターですが、愛車のメンテナンスやツーリングなどでも利用することができます。
ここではトリップメーターの使い方についていくつかご紹介します。
トリップメーターで燃費を計算する

燃費の計算にすでにトリップメーターを利用されている方は多いかもしれません。
ガソリンを給油したらトリップメーターをリセットし、次の給油の時にトリップメーターが表示している走行距離と給油したガソリンの量から燃費を計算するという使い方で、満タン給油で燃費計算することを「満タン法」と呼んだりします。
給油時にトリップメーターを自動的にリセットしてくれる便利な機能が付いている車もありますので、この機能を使えばリセットのし忘れもありませんね。
ちなみに、計算式は「区間走行距離(km)÷給油量(L)=燃費(km/L)」です。
この方法は一般ドライバーでも手軽に燃費の計算ができますが、給油する人によるガソリンの入れ方の違いなどでどうしても多少の誤差が出てしまいます。
中には誤差をなるべく少なくするために必ずセルフ給油をするだけでなく、給油するガソリンスタンドやノズルまで決めている、という方もいらっしゃるようです。
トリップメーターをオイル交換の目安にする
燃費計算の使い方と似ていますが、オイル交換の時にトリップメーターをリセットしておけば次のオイル交換時期の目安にすることができます。
ターボ車にお乗りの方は、タービン保護などのためにオイル交換にも気を配っている方が多いと思います。
トリップメーターでいつでもオイル交換後の走行距離を確認できるようにしておけば安心ですね。
トリップメーターで離れた車との距離を計る
車好きな方の中には、連絡を取り合いながら仲間とツーリングをされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、市街地では信号待ちなどで仲間の車と離れてしまうのは避けられないものです。
そのような時、まず先行している車が分かりやすい目標物を指定してトリップメーターをリセットします。
後続の車が同じ目標物を通過したことを聞いた時に、トリップメーターに表示されているのが離れているおおよその距離、ということになります。
この距離がだんだん伸びていくようなら、早めに休憩して合流するのがいいでしょう。
いかがですか?
この他にも、工夫次第でトリップメーターには色々と活用方法があります。
複数のトリップメーターがある車なら、シーンによって使い分けたり、組み合わせて使うこともできますね!
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トリップメーターに誤差が出る!?
近年の車に装備されているメーター類は、デジタル信号で制御されているのでとても正確になっています。
トリップメーターやオドメーターなどの走行距離計も、誤差は数パーセント以下と言われています。
それでも、同じ道を走っているのに走行距離がいつもと違っていたという経験をされたことはありませんか?
走行距離の誤差はタイヤが原因であることがほとんど

トリップメーターなどの走行距離に誤差が生じる原因のほとんどはタイヤにあり、
・タイヤの空気圧が指定の圧力で入っていない
・ホイール交換でタイヤをインチアップ、またはインチダウンしている
といったものが挙げられます。
トリップメーターやスピードメーターはタイヤの回転数が基準となっていて、純正タイヤに規定圧の空気が入った状態で正確な値を表示するように調整されています。
タイヤの圧力がメーカーで指定されている値より低かったり、純正タイヤとサイズの違うものに交換したりするとタイヤの外径が変わってしまうので、タイヤが1回転で進む距離も変わってきます。
これによってメーターの表示に誤差が出ることになってしまうのです。
冬場にスタッドレスタイヤに交換する時、純正サイズのスタッドレスタイヤが高い、あるいは特殊なサイズのタイヤで、そもそも純正と同じサイズのスタッドレスタイヤが無いなどの理由でタイヤサイズを変えるケースも多いでしょう。
そのような場合、トリップメーターやスピードメーターの誤差が大きくなっていることに気を付けましょう。
センサーの付いているタイヤによって誤差が出ることも

皆さんも「内輪差」や「外輪差」という言葉を聞いたことがあると思います。
車のタイヤは4つとも同じように回っているのではなく、それぞれが少しずつ異なる距離を異なる速さで進んでいます。
このため距離やスピードを計るセンサーが付いているタイヤがどれかによって、実際の距離やスピードとの誤差が出ることがあります。
一般道を普通に運転している分にはほとんど気にしなくてよいほどの誤差ですが、サーキットなどの決められたコースを走り続けることが多い場合は右と左に曲がる頻度に差が出るので、この誤差が無視できなくなることもあります。
走行距離の計測方法はメーカーや車種によって異なる
走行距離を計測するという同じ目的でも、メーカーや車種によってその方法は異なっていて、
◆タイヤの回転数から距離を算出する
◆ミッションの回転数から距離を算出する
◆タイヤの回転速度とタイヤの半径から計算した速度から距離を算出する
などがあります。
このため、同じ人が運転しても車によって誤差が生まれることもあります。
センサーの場所や計測方法の違いによる誤差は小さいものなので、通常あまり気にすることはありません。
空気圧が低くタイヤが変形している、タイヤ交換でサイズが変わっているなどの原因もないのにメーターの誤差が大きい場合はセンサーやメーターの故障も疑われますので、点検してもらうようにしましょう。
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トリップメーターが動かない!?故障した時の修理は?

旧車に多いアナログ式のトリップメーターでは「トリップメーターが動かない」「リセットができない」といった故障は起こりやすいものです。
これはリセットボタンやメーターを回す歯車は樹脂でできていることが多いため、使っているうちにグリスが切れたり、経年劣化で歯車が割れてしまったりすることで起こります。
アナログ式のトリップメーターは比較的構造が簡単なので、自分でグリスアップしたり、同じ車種のメーターから正常な部品を交換して修理されたりしています。
また旧車を扱うことの多い整備工場や1つの車種を専門に扱っているようなショップなどでは、ストックしている部品で修理していることもあるようです。
一方デジタル式のメーターでは、動作不良よりも液晶の表示欠けなど、電気的な故障が多くなります。
デジタル式のメーターは構造が複雑なので、専門知識がなければ故障の修理は難しくなります。
この場合、オドメーターなど他のメーターごと交換となる場合も多いので、ディーラーなどに相談するようにしましょう。
トリップメーターは工夫次第で色々な用途に使える
トリップメーターに関する記事はいかがでしたか?
いつでもリセットすることのできるトリップメーターは、使い方を工夫することで燃費計算などのメンテナンスや、離れた車との距離を計ることに使えることをお分かりいただけたと思います。
いままであまりトリップメーターを見たことがなかったという方も、これを機会にトリップメーターを活用してみてはいかがでしょうか。
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