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インチアップとは?メリットやデメリット・やり方も解説

タイヤのホイールのインチアップとは

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タイヤとホイールのインチアップはかなりメジャーなカスタムですが、実際に車検対応の範囲内で行うには考えるべき内容が存在します。

インチアップはホイールが大きくなる

車のホイールを純正よりも大きなものに換えると、見た目の印象がガラッと変わります。このようにより大きな外径(インチ)のホイールに変更することを「インチアップ」とよびます。逆に小さなものに変更することを「インチダウン」とよびます。

純正よりも大きい外径のホイールを装着することで、ホイールが強調され引き締まって見えます。

インチアップではタイヤも変わる?

ホイールのインチアップを行った場合は、そのホイールのインチサイズに合わせたタイヤを新しく用意します。

基本的なインチアップでは、純正タイヤとなるべく近い外径のものにすることが推奨されます。そのため、タイヤを横から見た時、これまで使用していたタイヤよりもホイールが大きくなったぶんタイヤが薄くなります。

また、ホイールと同じようにタイヤの外径も大きくし、より見た目のインパクトを演出するカスタマイズ方法もあります。

タイヤとタイヤハウス
©Photocreo Bednarek/stock.adobe.com

この場合、タイヤの外径が大きすぎると、タイヤと車体がタイヤハウス内(タイヤが収まっている半円形の空間)で干渉してしまったり、前輪であればハンドルを切った際にフェンダーにタイヤが接触してしまう場合がありますので注意しましょう。

タイヤの外径を変えないのはなぜ?

車にはスピードメータのほか、総走行距離(車が製造されてから現在まで走った距離)を示すオドメーターとリセットが可能な区間走行距離を示すトリップメーターがついています。

これらは新車販売時に装着しているタイヤの外周が、1周転がる時に進む距離からそれぞれを算出しています。

そのため、インチアップなどでタイヤの外径が大きくなると、それらの数字が正確に算出されなくなり、特にスピードに誤差が出るのは非常に危険です。あまりに誤差が大きくなると車検にも通りません。

そのため、インチアップはホイールの大きさを変え、タイヤの外径を変えないようにするのが推奨されます。

タイヤ外径早見表はこちら

インチアップは数字で表される

インチアップを施す際、「16インチから17インチにインチアップした」などという言い方をします。

これは、16インチのホイールだったものを17インチのホイールに変える、ということです。

当然ですが、16インチのタイヤは17インチのホイールには装着できませんので、ホイールのインチアップの際は、タイヤも17インチのものに変えなければなりません。

タイヤ交換でかかる値段が知りたい方はこちら

インチアップのメリット

@Cla78/stock.adobe.com

インチアップには、手頃・簡単に魅力的な車へ変化させられる2つのメリットが存在するようです。

この項目では、2つのメリットを取り上げて解説してみました。

メリット1:見栄えが良くなる

1つ目は「見栄えが良くなる」点です。

ノーマル仕様では装着が難しかったホイールを、インチアップの恩恵で取り付けられるようになり、愛車を狙っていた意図のパッケージに変えられるのが強みとなります。愛車に適合したサイズがなくてホイールの購入をあきらめていた人でも、見た目や個性を意識したカスタマイズができるため、満足度が高まるのではないでしょうか。

メリット2:走行性能が向上する

2つ目は「走行性能が向上する」点です。

インチアップしたタイヤは標準時の状態と比較して幅が広めであったり、扁平率が低くなっていたりするため、車がより運動性能を重視した感触に生まれ変わるでしょう。

ハンドル操作をしているとコーナリングの応答性がアップして、速度を落とし過ぎずに曲がり切るのが可能となります。特に、峠などカーブの多い山坂道でインチアップの効果を感じ取れるのではないでしょうか。

ただし、インチアップでタイヤの“許容範囲”がアップしたから性能がアップしているという考えは禁物です。カーブを攻めるなどの危険な運転は避け、安全第一を心がけて車を運転するようにしましょう。

インチアップのデメリット

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タイヤ・ホイールのインチアップはメリットがある反面、デメリットも存在するようです。

この項目では、インチアップのデメリットを、2つのポイントに着目して解説しています。いずれも、車を運転する際にマイナスポイントとなりがちです。

デメリット1:燃費が悪化する

1つ目は「燃費が悪化する」です。

タイヤの幅が広くなって路面との接地面積が大きくなると、グリップ力が向上して走行安定性が高まる一方で走行中の“転がり抵抗”が増えます。加えて、扁平率が低いタイヤとなるとより転がり抵抗が大きくなり、走行と同時に発生するエネルギーの消費も増加するでしょう。

また、ホイールが大型化するのに伴って、タイヤ・ホイールを組み合わせた重量が増えることで、走行時のエネルギーがより求められます。パワーロスが激しくなって燃費性能が落ちてしまう点は把握しておきたいポイントです。

デメリット2:乗り心地が悪化する

2つ目は「乗り心地が悪化する」です。

タイヤの幅が広くなり、路面との接地面積が増えるとロードノイズが大きくなり、走行中の騒音が大きくなるでしょう。路面にある段差や轍などが原因で耳障りに感じる音が生じ、運転していると気になってしまうかもしれません。

また、段差や轍の路面状況が、運転中に振動や衝撃として身体に伝わってくるケースもあります。不快な感覚となり、運転での疲れに繋がるでしょう。

インチアップで外観の見栄えがよくなる、走行性能が高まるのと引き換えに快適性が損なわれる点は注意したいポイントです。

タイヤハウスについて詳しく知りたい方はこちら

インチアップのやり方

@Daniel Jędzura/stock.adobe.com

この項目では、インチアップのやり方を3つの手順で解説しました。

インチアップ用のタイヤ・ホイールは基本的にタイヤ専門店などの店舗に作業を依頼することとなりますが、車の所有者もあらかじめ把握しておくとよいでしょう。参考にして、タイヤ・ホイールのインチアップでカスタマイズを楽しんでみてください。

手順1:乗っている車種の標準タイヤサイズを確認する

1つ目は「乗っている車種の標準タイヤサイズを確認する」です。

インチアップを進める前に、愛車で使用しているタイヤのスペックを把握するのが重要となります。車種で指定されているタイヤサイズのスペックは、運転席側のドア開口部内側に貼られているステッカー(適切なタイヤサイズや空気圧が示されている)をチェックするとわかりやすいです。

タイヤサイズのスペックで気にしたいポイントが以下の4点となります。

  • タイヤの幅
  • 偏平率
  • インチサイズ(リム径)
  • ロードインデックス(荷重指数)

例えば、タイヤのスペック表記で「185/60R15 84」などと記されていますが、上記の4点のポイントに合わせて分解すると以下のとおりです。

  • 「185」=タイヤの幅
  • 「60」=偏平率
  • 「R15」=インチサイズ(リム径)
  • 「84」=ロードインデックス(荷重指数)

タイヤの幅はmm(ミリメートル)単位で決められており、数値が大きいほど見た目が幅広くなります。1ランク分インチアップをするなら、タイヤの幅は10mm程度広がるでしょう。

扁平率は“タイヤの薄さ”を指していて、数値が小さくなるほど側面から見たタイヤの厚みが平たくなります。1ランク分のインチアップをすると、扁平率が10%程度下がる仕組みです。

インチサイズは今回の例で指すと「R15」と書かれている箇所が当てはまり、15インチのタイヤを示しています。タイヤの幅、扁平率が変化すると同時に、インチ数が1ランクもしくは2ランクほど上がることとなるでしょう。

ロードインデックスは“タイヤの負荷能力”を表し、タイヤが車の重量をどこまで支えられるかを示しています。推奨される数値より低いタイヤを選択すると、車の重量を支えられずトラブルに繋がるケースもあるようです。

インチアップを行う際は、上記4つのタイヤスペックを確認してから取り組むのをおすすめします。

手順2:車種に適合するホイールを探す

2つ目は「車種に適合するホイールを探す」です。

タイヤサイズが大きくなるのと同様、ホイールも1ランクサイズアップすることとなるでしょう。その際に注意したいのが次の2点となります。

  • ボルトの穴数
  • PCD

「ボルトの穴数」はよく間違えやすいポイントとなります。ホイールの中央、ボルトを取り付けるためにあけられている穴の数を指しており、「4穴」や「5穴」など種類が存在します。穴数を間違えるとホイールの影響で車に取り付けられなくなってしまうため、愛車にはいくつのボルトの穴数に対応したホイールが取り付けられるのか確認しましょう。

また、PCDも車を知らない人であると間違えやすいポイントです。「Pitch Circle Diameter」(ピッチサークル・ダイアメーター)の略称で、ホイールを固定するためのボルト穴から、中心点を結んでできた円の直径を表しています。車種で決められている適正の幅を勘違いしてしまうと、タイヤ・ホイールを車に装着できなくなるため注意しましょう。

手順3:車体に当たらない・はみ出さないタイヤを探す

3つ目の手順が「車体に当たらない・はみ出さないタイヤを探す」です。

インチアップには限界があり、「タイヤハウスに収まらない」「ボディからはみ出る」などのポイントに引っかかると、車検に合格しない、あるいは保安基準違反となるケースがあります。

違反とならないよう適切なサイズまでインチアップを止めておくとよさそうです。

しっかりと選んで効果的なカスタムを!

タイヤとホイールショップ
©New Africa/stock.adobe.com

行うことで手軽に愛車をスタイリッシュに変身させるインチアップですが、メリットもデメリットもあることがお分かりいただけたと思います。

また、正しい知識でしっかりと選ばない事には、危険が潜んでいることもわかりました。インチアップは愛車の個性を引き出す、とても効果的で実用性の高いカスタマイズです。

インチアップした愛車でドライブに出かけると、その楽しさは格別なものになるでしょう。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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