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寒冷地仕様車は標準車と何が違う?メリットとデメリットは?プリウスやハイエースを例に解説

寒冷地仕様車とは?

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寒冷地仕様車は、雪や寒さの厳しい地域でも車を安全快適に使えるよう、機能や装備を充実させた車のことです。一般に、通常装備に加えて寒さや雪対策がされているため「寒冷地仕様」というオプションにあたります。

雪道走行のための必要装備としてはスタッドレスタイヤが一般的ですが、エンジンやバッテリー、ミラー、シートなど、様々な箇所が雪国に最適化されます。寒冷地仕様車は氷点下20℃以下の環境でも車両不具合が起きないように設計されているそうです。

寒冷地仕様車は「寒冷地仕様」のオプションを追加するケースと、そういったオプションを追加した車を地域標準とし「北海道価格」などを設定して販売するケースがあります。

標準車でも寒冷地OKのメーカーもある

現在、国産車メーカーにおいて「標準車」と「寒冷地仕様車」を明確に分けて販売しているのはトヨタ、日産、ダイハツ、三菱です。

しかし、ホンダやスバル、スズキ、マツダなどは、寒冷地でも問題なく走れる標準車となっているため、寒冷地専用のオプションや価格設定はありません。

例えばトヨタは「寒冷地仕様装備」をメーカーオプションとして用意しています。また、北海道地区の場合は寒冷地仕様が全車標準装備となります。

また、2WD車と4WD車で寒冷地仕様の標準装備とオプションの内容が異なる場合もあります。

輸入車は表記がなくても寒冷地仕様の場合が多い

外車においては「寒冷地仕様車」自体がない場合が多いです。メルセデス・ベンツやアウディなど、日本でも人気のドイツ車は寒冷地でも問題なく使用可能です。

寒冷地仕様車と普通仕様車の違い

バッテリー容量や電装品が強化されている

寒冷地仕様車はバッテリー、オルタネーター(電気を生成する発電機)の容量が普通仕様車と比べ、大きくなっています。

また、エアコンやワイパー、スターターモーター・リアデフォッガーの効果(効き)も強化されています。

ボディの防錆性・防腐性が強化されている

雪道に撒かれる融雪剤は塩分を含むため、車体下の錆の原因になります。そのため、寒冷地仕様車は防錆剤の塗布などにより、標準車より錆への耐性がアップしています。

液体類が凍らない工夫が施されている

ロングライフクーラント、ウインドウォッシャー液は凍結を防ぐため濃度を上げられています。また、タンクの大容量化が行われ、寒冷地でも液体切れを防ぎます。

ドアミラーやハンドルにヒーターを採用している

ドアミラーにヒーターを実装することで、凍結による視界不良を防ぎます。また、ハンドルやシートにもヒーターを採用し、寒い日の運転を快適にします。

材質を変更して雪への対策を行っている

寒冷地仕様車にはスノーワイパーブレードが使われています。スノーワイパーブレードは、ブレード全体がゴムで覆われており、着氷雪時でもきちんと拭き取りができます。

また、ウェザーストリップの材質を軟質化し、ドアの隙間から風雨や雪の侵入を防ぎます。

暖房機能が向上

シートヒーターの実装やウェザーストリップの材質変更により、車内の暖房機能が高められています。

また、ヒーターリヤダクト(後方への暖房効果の向上)や、サブマフラー(排気熱をエンジン暖機に利用する。エンジンの暖めが速やかになり、暖房効率、燃費悪化を防ぐ)がなど搭載されます。

寒冷地仕様車の装備は?

©Nature K Photostudio/stock.adobe.com

寒冷地仕様車としてトヨタや日産が用意している装備を紹介します。

高濃度冷却水

極寒でも凍らないように濃度を上げた冷却水です。トヨタでは標準仕様のLLCが30%なのに対し、寒冷地仕様車では50%まで濃度を上げています。これにより-35℃ほどまで冷却水が凍結しなくなります。

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大容量ウォッシャータンク

ウォッシャー液切れを防ぐため、タンクの容量をアップしています。例えばトヨタ カローラスポーツでは、標準仕様2.5Lに対し寒冷地仕様車は4.8Lとなっています。

補助ヒーターや即熱性ヒーター

エンジン始動後なるべく早く車内を暖めるために、補助ヒーター(トヨタ)や続熱性PTCヒーター(日産)が搭載されています。

リアヒーターダクト

リヤシート足元からも温風が出るよう、ダクトが設定されます。車種によっては、後席のエアコン温度を調節できる装備も追加されます。

ハンドルヒーター

ハンドル部分を暖めるヒーターです。

シートヒーター

フロントシート(運転席、助手席)の座面や背面を暖めるヒーターです。

ヒーター付きドアミラー

曇りを取るために、熱線を配したドアミラーです。

リアフォグランプ

吹雪や霧などで視界が悪いとき、後続車に存在を知らせるための赤色灯です。

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ウインターブレード

凍りつかないよう、ブレード本体をゴムラバーで覆った寒冷地用のワイパーブレードです。

ウインドシールドデアイサー

ワイパーに付着した雪や氷を溶かすための、フロントガラスに貼られた熱線です。

標準車でセットオプションとして選べる場合も

ハンドルヒーターや、シートヒーター、ヒーター付きドアミラーなどは、標準車のセットオプションになっている場合もあります。

寒冷地仕様車がないメーカーは、こうしたセットオプションを用意することで、標準車を寒冷地で問題なく乗れるようにしています。

大容量バッテリーやシートヒーターは後付けもできる

標準車であっても、バッテリーを大容量のものに変更したり、後付けシートヒーターを導入するなど、”寒冷地仕様車風”にカスタムすることができます。冬のカーライフの豆知識として覚えておくのもおすすめです。

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寒冷地仕様車のメリット

先程紹介した寒冷地仕様車の装備は、寒冷地でなくても重宝します。標準車にはないメリットを紹介します。

バッテリー上がりしにくい

寒冷地仕様車として容量の大きいバッテリーを搭載している場合、バッテリーが上がりにくくなります。寒い時期はもちろんですが、普段車に乗る回数が少ない人にとってはありがたい仕様です。

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曇り止めや暖房は日常使いでも重宝する

ドアミラーの曇り止め、シートヒーターやハンドルヒーター、即熱性ヒーターは寒い地域に限らず真冬の運転に重宝します。

防錆ボディは海の近くでも有効

融雪剤対策の防錆ボディは、海水や海風による錆や腐食に対しても有効です。

寒冷地仕様車のデメリット

標準仕様車よりも少し値段が高い

現在、寒冷地仕様車は標準車よりも値段が3万~5万円ほど高くなります。トヨタ車の場合、「メーカー希望小売価格」と「北海道地区メーカー希望小売価格」を比べてみるのがわかりやすいです。

価格差から見れば寒冷地装備の価値はお値段以上といえますので、一概にデメリットとなるとは言えません。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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