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クーラント(LLC)とは?単なる冷却水?色や交換時期は?エア抜きと漏れに注意!

クーラント(LLC)とは?

プラスチック製のキャニスターから、洗車器の液体リザーバーに液体を注ぐ男性の手
©New Africa/stock.adobe.com

現在、多くの市販車が採用するエンジンは水冷式のエンジンです。バイクや旧車では空冷式のエンジンもありますが、水冷式エンジンは空冷式エンジンと比較して、温度を安定させやすいというメリットがあります。

クーラント(LLC:Long Life Coolant)は、水冷式エンジンを冷やすための液体。冷媒としての役割を担っています。

クーラントの水との違いは、凍りにくい性質をもつ成分や、水路の錆びが発生し詰まりをおこさないための防腐剤が含まれているという点です。

水は凍りやすく、錆が発生しやすい

熱伝導率という観点からも、クーラントと水には大きな違いがあります。

ラジエーターやエンジン内をクーラントが循環して水温を安定させる際に、水は80℃付近ではおよそ0.67、クーラントの成分に含まれるエチレングリコールは80℃付近でおよそ0.26という値で評価されます。

つまり、数値的には水の方が効率よく水温を安定させることができるわけですが、車は屋外に保管する可能性が高く、0℃以下の気温では水を使用していると凍ってしまう点がネックです。凍って膨張すると部品が破損してしまうおそれもあります。

また、錆びが発生しやすい水に比べて、メンテナンスを簡単に実施できる、メンテナンス周期を長くできるといったメリットもあります。

つまり逆をいえば、レースで使う車のように、走行する度に油脂類の入れ替えをする、部品の分解清掃を頻繁にする、水が凍るような気温では走らないなど、限られた条件によっては、クーラントより水の方が都合がよいケースもあるといえます。

リザーブタンクのクーラント(LLC)が増えたり減ったりする理由

白い膨張タンク
©Виталий Сова/stock.adobe.com

クーラントは熱が入ると膨張し、冷えると元の体積に戻ろうとするため、リザーブタンク内のクーラント量は増減します。

補充の際にガラスウォッシャー液のようにたっぷり入れてしまうと、熱が入った際にクーラントが膨張してリザーブタンクが破裂したり、あふれた状態になってしまいます。

クーラントを補充・交換する際は、リザーブタンク側面の目盛り「LOW」と「MAX」の間で調整するようにしましょう。

また、温度が高く圧力がかかっている時にラジエーターキャップを外すと吹き出す恐れがあり、やけどする可能性があります。非常に危険なため、必ず冷えた状態で補充しましょう。

クーラントが想定の範囲内で増減するのであれば異常はありませんが、どんどん減っていく場合はクーラントが漏れている可能性があります。この場合、補充するだけでは根本的な解決になりませんので、漏れの箇所の修理が必要です。

クーラント(LLC)補充・交換の注意点

クーラントまたは水の選択を示す手
©Cautivante.co/stock.adobe.com

クーラント(LLC)の濃度は適切に

クーラントの成分のひとつであるエチレングリコールは、酸化が進むと錆びを防ぐ効果が薄まってしまいます。したがって、程よい濃さに調整することと、定期的な交換が大切です。

通常、クーラントは30%程度の濃度に調整されています。30%の濃度であれば-15℃前後まで、60%程度の濃度では-54℃といった目安があります。60%以上から濃くしてもそれ以下の低温に対応できるわけではなく、あまり効果に変化がみられないとされています。

お住まいの地域や、旅行先の気候に合わせた濃さにクーラントを調整することも、エンジンを効率よく使うため、トラブルを避けるために有効です。

クーラント(LLC)は車検ごとに必ず交換しよう

LLCはおよそ1年から2年、長いもので3年で交換が必要です。補充して量を調節している場合でも、 車検ごとにクーラントは交換した方が良いでしょう。

LLCに含まれる成分は、長期間使用していると酸化して錆びの原因になります。錆びはウォーターポンプや、ラジエーターの詰まりを引き起こし、最悪の場合は錆びがエンジン内の水路に詰まり、オーバーヒートによるエンジンブローまで考えられます。

クーラント(LLC)は飲用NG。誤飲に注意

LLCは水や他の液体との誤飲を防ぐために、赤や緑などに着色されたものがあります。LLCに含まれるエチルグリコーゲンなどの成分は、誤飲してしまうと死に至る可能性がある毒物だからです。

また、数種類のLLCを混ぜてしまうと、色が変化し錆びの発見の遅れといった弊害もあるので、できるかぎり混ぜない方がよいでしょう。

クーラント(LLC)の交換方法

膨張タンクを見ている整備士
©Yakobchuk Olena/stock.adobe.com

クーラントの交換作業自体は難しい工程も少なく、比較的簡単に行えるメンテナンスのひとつです。ラジエーター下部にドレインコックが付いており、特別な工具も必要なく取り外しができます。

ラジエーターキャップも高圧タイプや、純正同等のタイプなどがあります。配管の劣化が見受けられるものでは、負荷が集中し破損する可能性もあるので、高圧タイプを取り付ける時は特に注意が必要です。

作業手順を簡潔に紹介すると、大きく分けて8つほどの工程となります。

  1. ラジエーターのキャップを外す
  2. ドレインコックの下にバケツなどを用意する
  3. クーラントを抜く
  4. ドレインコックのパッキンを交換し戻す
  5. ラジエーターキャップを外したところからクーラントを注ぐ
  6. リザーブタンクにクーラントを入れる(入れすぎないように注意)
  7. キャップを開けたまま30分ほどエンジンをかけ、サーモスタットが開き配管全てにクーラントが循環し、気泡が抜けきるまで待つ(=エア抜き
  8. ラジエーターキャップを戻す

エア抜きが難しい車はDIYしない

リザーブタンクにクーラントを入れたあと、30分程度アイドリングをする工程は「エア抜き」という最も重要な工程です。エアが抜けた分のクーラントを足しながら作業する必要があるので、エンジンをかけたまま車を放置せず、常時クーラント量を確認する必要があります。

サーモスタットが開き配管全てにクーラントが循環したかどうかは、ラジエーターの電動ファンが回ったかどうかでも判断できます。

ハイブリッド車及びアイドリングストップ車では、エンジンが動作をしたり止まったりするため、なかなかエア抜きができません。そのため、車種ごとに設定される操作を行い、エンジンがかかったままの整備モードにするアイドリングストップをカットするスイッチを押しておくなどの必要があります。

また、エンジンルーム内には多くのカバーなどの化粧板が付いている最近の車は、DIYをするハードルが高くなりがち。エア抜きが難しい車種は無理してDIYせず、ディーラーや整備工場に依頼しましょう。

クーラントを廃棄する際は環境への配慮を

クーラントの処分には、PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出移動登録)正式名称「特定化学物質の環境への排出量の把握および管理の改善の促進に関する法律」が関わります。

そのため、ガソリンスタンドや専門店などで引き取ってもらったほうがよいでしょう。

急なオーバーヒートは日々のメンテナンスで予防

昨今の夏季の暑さは年々その威力を増し、熱中症患者が頻発しています。そんな人間につらい環境は、機械である車にとっても比較的つらい状態といえます。

つまり、突然車の水温が上がった、突然エンジンが壊れたという状況は、人間が熱中症で倒れるようなもの。炎天下でのオーバーヒートは、エンジンもかけられないのでエアコンも使えず、高速道路の渋滞でオーバーヒートは、ドライバーをも危険に晒します。

車だけに限らず、機械は日々のメンテナンスがトラブルの予防に直結します。たまにしか車に乗らない人ほど注意が必要ですので、予定がある方は定期点検以外でも、事前に点検してもらってはいかがでしょうか。

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