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猫には毒の不凍液とは?水道水と混ぜてラジエーターにいれて大丈夫なのかを検証

不凍液とは?

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不凍液とは、自動車のエンジンなどに用いる水冷機関の冷却水が凍結するのを防止するため、冷却水に添加する液体のことをいいます。詳しくは後述しますが、冷却水(クーラント)自体に始めから不凍液が含まれることの方が多いです。

冷却水が凍結するとラジエーターが膨張し、冷却システム系を壊してしまうため、冷却水の「凍る温度を下げる(氷点降下)」必要があるのです。

ラジエーターの仕組みについてはこちら

猫には毒の不凍液の成分とは?

不凍液は、氷点降下により水溶液の氷点が低下することを利用するもので、氷点の低い化学物質であるアルコール、グリセリン、エチレングリコールなどが用いられます。

中でも「エチレングリコール」は、無色の粘い甘味をもつ液体。猫に限らず、動物にとっては命に危険を及ぼす強い毒性があるため、不凍液の取扱や保管には注意が必要です。

エチレングリコールを口にした場合の症状としては、軽いもので”嘔吐や下痢”、重度のもので”昏睡や失神”を引き起こします。致死量は犬では5.5ml/kg、猫で1.6~2ml/kg、ヒトで1.4 ml/kgとされ、急性腎不全を引き起こすなど、命に関わります。

不凍液の本来とは違う使われ方も

冷却水の氷点を下げ、凍結を防ぐのが不凍液の本来の用途ですが、先述のエチレングリコールの持つ毒性を意図的に利用した使われ方が存在します。

その使われ方とは、エチレングリコールが猫が好む甘い液体であることを利用した猫の毒殺、つまり野良猫駆除です。実際、「動物愛護管理法に抵触しない程度に野良猫を駆除しましょう」という名目で、猫に不凍液を舐めさせる方法を紹介するサイトもあり、動物嫌いによる毒餌駆除が行われています。

クーラントに水道水と不凍液を混ぜていれれば大丈夫なのか?

クーラントとは?その役割

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クーラントとは、「冷却システム系に使われる熱媒体」、つまり冷却水のことです。

クーラント(冷却水)は、エンジン周辺に張り巡らされたパイプを経由することで、エンジン稼働で生じる熱を冷却し、オーバーヒートによる故障を防ぐ大事な役割を担っています。エンジンから熱をもらったクーラントは、ラジエーターを経由して再び冷却される循環を繰り返すことから、ラジエーター液とも呼ばれます。

クーラントの点検方法などについては以下を参考にしてください。

クーラントが水道水だけでいけない理由

「冷却水」という別名から、クーラントは水(水道水)であると捉えられることが多いですが、水道水のみを使用すると、エンジンやラジエーターにサビや泡を発生させる原因となり、長時間の使用は車の機能低下や故障につながりかねません。

また、記事冒頭でも説明した通り、水が凍結すると冷却システム系が破損するため、水道水のみの使用は推奨されません。

クーラントには、一般的に認知される狭義の意味として、「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」というものがあります。LLCは、冷却水に防錆材や消泡材、さらには不凍性能を持たせるための各種添加剤を入れて寿命を長くしているため、「クーラント=LLC」または「不凍液=LLC」という等式が成り立ちます。

水道水と不凍液で問題なし?

結論からいうと、水道水と不凍液の混合利用は全く問題ありません。不凍液は、先ほど解説したLLCに含まれる冷却水の一種であり、これが希釈タイプであれば、むしろ水と適切な濃度で配合する必要があります。

希釈の必要がないLLCの方が今や一般的であるため、業務用のLLCを希釈して安く使いたい方以外は、前者の購入をおすすめします。

エンジンのオーバーヒートについてはこちら

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MOBY編集部 カー用品チーム
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