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「スキール音」を放置すると危険!タイヤ劣化のサインを見逃すと大惨事に…正しいメンテナンス方法は?
スキール音を放置するとどんな危険がある?
F1やラリーなど、モータースポーツの世界では、スキール音がわずかに発生するくらいのタイヤコントロールが、最もグリップ力が高い状態だと言われています。また前述の通り、立体駐車場などでは、停車中にハンドルを回しただけでスキール音が発生することもあります。
タイヤからスキール音が聞こえるからといって、絶対に危険な状態にあるとは限りません。ただし、タイヤの状態によっては、スキール音を放置することで、タイヤの劣化によるさまざまなトラブルが発生する可能性があります。
例えば、空気圧が低くなっている状態では、タイヤの転がり抵抗が増すため、燃費が悪くなります。空気圧が極端に低かったり高かったりしても、タイヤが偏って摩耗しタイヤの寿命を縮める偏摩耗の原因にもなります。
タイヤの空気圧が適正でなかったり、ひび割れた状態で放置したりすれば、最悪の場合タイヤがバーストする危険もあります。
スキール音を防止するためのポイント
スキール音はタイヤの劣化を示す指標にもなります。定期的なタイヤメンテナンスは欠かせません。そこで前述の担当者に、どのようなメンテンナスを心がけるべきか聞きました。
「どんなに丁寧に乗っていてもタイヤの劣化を完璧に防ぐことはできません。しかし、いくつかの点に注意すれば劣化の進行を遅らせることは可能です。
例えば、常に空気圧を適正に保っておくことです。長距離移動時には空気圧を確認すると思いますが、自宅の車庫に停めているだけで空気圧は変化していきます。
理想は週に1回、少なくても月に1回は空気圧を点検してください。ガソリンスタンドや洗車場に行けばすぐに測定できますので、給油するたびに点検する習慣をつけることがおすすめです。空気圧の適正化がタイヤのメンテナンスにつながります。
また、タイヤの洗車にも配慮してほしいと思います。タイヤ専用の洗剤を使って洗車している人も多いかもしれませんが、できれば水だけで洗うことをおすすめします。
洗剤をよく洗い流さないと余分な洗剤が残り、タイヤの劣化につながります。水だけでも汚れは十分に落ちることがほとんどなので、過度な洗剤洗いは不要です。」
タイヤの保管もメンテナンスの一部と考えよう
長期間タイヤを使用しない場合は、タイヤの劣化や変形を遅らせるため、自宅の風通しの良い場所で保管することをおすすめします。自宅で保管場所を確保できない筆者は、レンタル倉庫を借りてタイヤを保管しています。
なお、タイヤにホイールを付けたまま保管するときは、空気圧を低めにして、横に重ねてカバーをかけるようにしましょう。もしホイールがなくタイヤのみであれば、変形を防ぐために、縦置きにしてタイヤに負荷がかかりにくくなるようにしてください。
普段からスキール音がしないような運転を心がけることは重要ですが、適切なメンテナンスと正しい保管方法でタイヤを保護すれば、タイヤを長期間、快適に使用できるでしょう。
また、スキール音以外にも、タイヤから聞こえる何らかの異音は、異常を伝えるサインです。そうしたサインを見逃さずに、いつもと違う音が聞こえたら、ディーラーやタイヤショップなどで点検、整備を受けてください。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...