更新
車のデイライトのメリットとデメリット|LEDが主流?取付け方や車検基準
デイライトの車検での保安基準
2016年10月の保安基準改正により、それまで「その他灯火類」扱いだったデイライトは、「昼間走行灯」という扱いになり、基準が明確化されました。
「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第124条の2(昼間走行灯)」によれば、デイライトの保安基準は以下のとおりです。
- 昼間走行灯の光度は、1,440cd 以下であること
- 昼間走行灯の照射光線は、他の交通を妨げないものであること
- 昼間走行灯の灯光の色は、白色であること
- 昼間走行灯は、灯器が損傷し、又はレンズ面が著しく汚損していないこと
- 昼間走行灯は、レンズ取付部に緩み、がた等がないこと
- 昼間走行灯の照明部の大きさは、25 ㎠以上 200 ㎠以下であること
デイライトは白色以外はNGになった
最も注意すべきはデイライトの色です。2016年以前は、デイライトは「その他灯火類」として、赤とオレンジ以外の色でもOKでした。社外品も青や黄色のデイライトが多く販売され、ドレスアップを楽しむ人にも人気でした。
しかし現在は白のみと規定され、それ以外の色のデイライトを装着していると車検に通りません。さらに、白でもケルビン数が高いと検査員によっては「青」と判断し、車検に通らない可能性があります。
JIS規格の3,000~7,000ケルビンの、白のデイライトが安全といわれています。
基準値以下の明るさでも、交通の妨げになるとNG
2016年以前、デイライトは「その他灯火類」として300カンデラ以下の明るさに制限されていました。しかし改正後は1,440カンデラと、かなり明るいライトでもOKとなっています。
ただし、「照射光線は他の交通を妨げないものであること」という規定の通り、他車の幻惑の危険があるほど明るい、他車の迷惑になる光軸と判断された場合は、車検に通らない可能性があります。
照度が見直され、引き下げられる可能性も?
照度は1,440カンデラまでOKと明文化されたものの、デイライトが義務化となっているEUが1,200カンデラであることを踏まえ、今後基準値が引き下げられる可能性もある、という声もあります。
純正のデイライト装着車は問題ありませんが、ドレスアップなどで後付けデイライトを装着しているユーザーは、現在付けているデイライトでは今後車検に通らなくなるかもしれません。
車検に通るポジションランプとLEDポジションランプ人気おすすめ10選|青色LEDは要注意!
デイライトの後付け方法
1.電源を確保する
まずは、デイライトを点灯させるための電源を確保します。ACC電源かIGN電源の二つのうちからヒューズ電源を確保しましょう。この時注意することが、必ず同じアンペアのヒューズと交換することです。
2.デイライトを取り付ける
電源を確保できたら、デイライトを取り付けましょう。後付けキットにより、取り付け位置や方法は異なりますが、動画ではフロントグリルの上から取付けしています。
3.配線する
取り付けられたら、後は配線して完了です。配線は機械の動きに支障が出ないように固定する必要があります。デイライト付近に上手く固定できると良いでしょう。
デイライト装着は義務化される?
ヨーロッパでは2011年にデイライトおよびオートライトが義務化されました。これを受けて日本でも2016年にオートライトの義務化が決定しましたが、デイライトについてはまだ行われていません。
ただし保安基準の改定により、これまで「その他灯火類」だったデイライトを「昼間走行灯」と分化させ、基準を明文化。これによりデイライトは正式に認可されたといえます。
明るすぎるライトはむしろ危険?
デイライトに限らず、「車のライトはじゅうぶんな明るさがあったほうがよい」「眩しすぎるとかえって危ない」という議論は常に行われています。
ヘッドライトが眩しいと、対向車の幻惑を引き起こすだけでなく、歩行者からは見えているのにドライバーからは見えないという事態になりかねません。
ヘッドライトによる幻惑防止にはメーカーも力を入れており、対向車を検知して照射範囲を自動調整する「アダプティブ・ヘッドライト」や、その簡易版の「オートマチック・ヘッドライト」などを搭載する車も増えてきました。
総合的に安全を高めていくために、幻惑効果のないヘッドライトや効果的な明るさのデイライトなどが開発され、普及していくと思われますが、まずは自分が無灯火で走っていないか、周りの車に眩しい思いをさせていないかを考えることも大切です。
2021年4月からナンバープレートの新基準が施行!気づかぬ違反に要注意
クリアな視界を保つのに役立つ記事
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
- 監修者プロフィール
- 鈴木 ケンイチ
- 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...