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意外と知らない?ターボ(ターボチャージャー)の仕組みや構造を解説!

ターボ(ターボチャージャー)とは

中央に見える巻き貝のような部品がターボチャージャー
©nutcha11/stock.adobe.com

ターボとは「ターボチャージャー」の略で、エンジンの補器類の一種です。日本語では「過給機」と言います。

自動車に搭載することで、エンジンに圧縮した空気を送り込み、より大きなパワーを得ることができるようになります。

近年では、高圧縮エンジンが主流になっており、高い圧縮力を維持するために多くの空気を取り込むことが必要になり使用されることも増えており、燃費向上アイテムのひとつとして使われることもあります。

ちなみに、このような過給機を搭載しないエンジンのことを、NA(ノーマル・アスピレーション:自然吸気)エンジンといい、現在はこのタイプのエンジンが一般的となります。

低排気量でも力強いパワーを得ることができるようになる

例えば、3,000ccや4,000ccといった大排気量のエンジンと同じパワーを得るために、2,000ccのエンジンにターボを組み合わせる、という使い方ができます。

これによって、1,000ccや2,000cc分の空気をターボで圧縮してエンジンに押し込むことが可能となり、大排気量エンジンに近いパワーを得ることができます。

ダウンサイジングターボの先駆けと言われているフォルクスワーゲン ゴルフ GTI

このように少ない排気量にターボを組み合わせることを、「ダウンサイジングターボ」といいます。ダウンサイジングターボについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ダウンサイジングターボとは?メリット・デメリット

ターボチャージャーの仕組みと構造

ターボチャージャーのイメージ
ターボチャージャーのタービン
©alexlmx/stock.adobe.com

ターボチャージャーは、概ね4つの部品で構成されます。

  • タービン(空気を圧縮する装置)
  • インタークーラー(圧縮した空気を冷やす装置)
  • パイピング(タービンとインタークーラーをつなぐためのパイプ)
  • ブローオフバルブ(高くなった圧力を逃がす・逆流を防ぎタービンを保護する装置)

ターボチャージャーの流れ

遮熱板の注意マーク
タービンは高温かつ高速で回転しているため、遮熱版に「触るな」と注意を促すマークがある

それぞれの説明をすると、タービンはカタツムリのような形をした部品で、排気ガスを利用してタービンを回します。そのタービンが回ることで連結された逆側のタービンが連動して回り、たくさんの空気を吸い込みます。ちなみにタービンは1分間あたり20万回以上の超高速回転を行っています。

インタークーラー
インタークーラー

空気が圧縮されると温度が高くなり、エンジン内で燃料を燃やすときのロスが大きくなります。そのための冷却装置としてインタークーラーが装着されます。

アクセルを踏んでタービンを回し、空気を押し込んでいる間は良いのですが、アクセルを抜くと押し込んだ空気がエンジンからタービンへ逆流してしまいます。

ブローオフバルブ
ブローオフバルブ

そのままタービンに逆流した空気が戻ると、タービンに高い負荷がかかります。その逆流した空気を開放する役割をもつのがブローオフバルブです。よく、「パシューン」や、「パキューン」と音がするその部品です。

ブローオフバルブを取り外して穴をふさいだ状態になると、逆流した空気がタービンに直接当たり「シュトゥトゥトゥ」という音がします。この状態を「バックタービン」といいます。

インタークーラー自体の冷却も必要!

スバル レヴォーグ

圧縮された空気との熱交換により、インタークーラー自体も高温になるため、冷却が必要になります。スポーツカーなどで見られるボンネットの穴(エアインテーク)はインタークーターを冷却するために設けられています。

身近な例では水平対向エンジンを搭載するスバルのターボ搭載車によく見られます。

ただ、中にはインタークーラーがエンジン前面にあるためエアインテークが不要だったり、スポーティ感を出すためにダミーのエアインテークが設けられている車もあります。

ターボチャージャーのメリット・デメリット

ターボのメリット

ターボの最大のメリットは、小さい排気量でも大型のエンジンと同じようなパワーが得られることです。

また、パワーアップをするときに、マフラー交換などの排気系部品の交換、ターボの制御を変更するといったことで、簡単にパワーを上げることが可能になります。

エンジンが、どの程度の圧力まで耐えられるかという問題さえクリアできれば、タービン次第でどこまでもパワーが上げられる仕組みといってよいでしょう。

最新のターボは燃費が悪くない!

近年の高圧縮エンジンでは、パワーアップを目的としたタービンの使われ方はされておらず、燃費を意識したセッティングになっています。

一昔前までいわれていた、ターボは燃費が悪いという時代は、既に終わりを告げているといえます。

税金も安くなる!財布にも優しい

ターボを搭載することで排気量が小さくなった場合、自動車税も安くなります。また、ハイブリッドシステムやディーゼルエンジンに比べて、コストが低いのも魅力です。

ターボのデメリット

基本となるNAエンジン(一般的なエンジン)に比べ、部品が増えるため車体重量が重くなりがちです。車種にもよりますが、ターボなどの補器類だけで数十キロの差が生じます。

最近の車は、少しでも車重を軽くして燃費を向上させようとした結果、スペアタイヤの搭載を嫌うほど重量に敏感になっています。そのため、補器類による数十キロの増量はメーカーにとっては大きいのでしょう。

低回転時には十分な効果が発揮できない「ターボラグ」が発生することも

ターボチャージャーはエンジンの排気を利用してタービンを回すため、排気の出にくい低回転時はタービンを回すための十分な力が得られません。

そのため、アクセルを踏み込んだ際にターボが効き始めるまでに遅れが生じてしまいます。これを「ターボラグ」といいます。

しかし、最近では「ツインスクロールターボ」といって排気をタービンに送る流路を2つに分けることで、低回転時でもターボの力が得られるようになりました。

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ターボチャージャーを初めて搭載した車は?

BMW 2002 1973年モデル
BMW 2002 1973年モデル

ターボを初めて搭載された車とされるのが、BMW 2002という車です。

BMW2002は、世界がオイルショックの影響を受けていた1973年開催のフランクフルトモーターショーで発表されました。

BMW 2002のターボチャージャー搭載エンジンの図
BMW 2002のターボチャージャー搭載エンジンの図

ターボはもともと空気の薄い上空で、安定した空気量を確保するための飛行機の部品でした。それが、地上ではパワーアップに使われることになり、自動車レース活動で実用化に向けボルシェやBMW、ボルボなど競争が激化します。

そのため、ターボ=レースといったイメージが定着し、高性能や、スポーツカーといったイメージが先行するようになったと言われています。

「スーパーチャージャー」との違い

日産 マーチ スーパーターボ
ターボチャージャーとスーパーチャージャーの2台の過給器をひとつのエンジンに搭載してしまった最強コンパクトカー。

エンジンに圧縮した空気を強制的にエンジンに送り込むという目的はどちらも一緒ですが、「スーパーチャージャー」の場合、エンジンの出力の一部を利用してコンプレッサーを回転させます。

そのため、アクセルを踏んだ瞬間から過給が始まるのでターボチャージャーと違ってターボラグは発生しません。

しかし、エンジンのパワーを利用するので、パワーロス、燃費の悪化、最高速が伸びないなどの欠点があります。低速時の過給はツインスクロールターボで補うことが可能になったこともあり、現在はメリットの多いターボチャージャーが一般的となっています。

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これからはターボ車=旧車のイメージに?

スバル レヴォーグ 1.6GT-S EyeSight(2014年モデル)

現在、世界的にカーボンフリーに向けた動きがみられます。水素燃料や、ハイブリッド、EVといったモーターで動く乗り物が主流になれば、エンジンの補機類であるターボの必要性は無くなっていくと考えられます。

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まだ、ハイブリッド車であればレースで活躍するハイブリッドターボなどがあるので、活躍の場は残されているといえるでしょう。しかし市販車として考えると、ユーザー側はメンテナンスコスト、メーカー側は製造コストの問題を抱えることになります。

燃料電池の開発や、EV化に向けた新しい自動車設計の開発に注力したいと思われるメーカーにとっては、後回しになる存在でしょう。

そうなれば、ターボ車というだけで旧車という時代も近いのかもしれません。

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MOBY編集部

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