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交差点
道交法・交通事故

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【交差点とは】定義や範囲・過失割合・交通事故が多い交差点は?

交差点の定義

交差点と定義されるのは「2つ以上の道路が交わる部分」です。道路交通法第2条第1項第5号で明文化されており、条文は以下の通りとなっています。

  • 道路交通法第2条第1項第5号:交差点 十字路、丁字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分をいう。

引用:道路交通法 | e-Gov法令検索

交差点には、信号のある交差点もあれば信号のない交差点もあります。また、複数の道路が交差している交差点、丁字路(T字路とも言います)なども交差点です。

さらに、交差点は、街中でよく見る同じ平面上に複数の道路が交わっている「平面交差」と、複数の道路が同じ平面上で交わらない「立体交差」の二種類に大別できます。

交差点とT字路の違い

交差点と丁字路(T字路)の違いは、道路の交わる形状にあります。

交差点とは「2つ以上の道路が交わる部分」の総称であり、十字路や丁字路もその一部です。

丁字路とは、1本の道路が他の道路と交わる際に直線路がほぼ直角に交わり、丁(てい)字形になっているものです。つまり、丁字路は交差点の中でも、直進する道路がない特定の形状を持つ交差点と言えます。

丁字路では通常T字形になっていて、直進できないため、交通の流れや制御の方法が他の交差点と異なることがあります。

交差点と十字路の違い

交差点と十字路の違いも丁字路との違い同様に、道路の交わる形状にあります。

十字路は交差点の一種であり、十字路とは、道路が直線的に交差し、四方向に進行可能な形状を持つ交差点のことです。

十字路は、交通の流れを制御しやすい交差点と言え、交差点内での交通の安全性を高められる特徴があります。都市部や交通の要所など、交通量が多い場所でよく見られる交差点の形状です。

交差点、と聞いて真っ先に思い浮かぶのはこの十字形と言えるでしょう。

交差点と交差道路の違い

交差道路とは、自分が進行している道路に交わる他の道路のことをいいます。

交差点は2つ以上の複数の道路が交わる部分であり、その中で自分が進行している道路以外の道路が交差している道路として交差道路となります。たとえば、十字路なら、自分が直進しているとき、左右にある道路が交差道路です。

交差点では、交差する道路間での交通の優先順位や信号機での制御が行われる一方、交差道路は自分の進行方向との交差点部分に焦点を当て、交通の流れや規制が考慮されるという違いがあります。

交差道路の存在は、運転する者にとって左右方向の確認や交通の安全上の重要な要素ともなります。

交差点の範囲

事故が起きた際にはどこを交差点とするのか、過失割合などで交差点の範囲が重要になることがあります。

交差点の範囲は1つではありません。交差点の範囲の決定方法には、以下の4つの方式があるとされます。

  • 側線延長方式:道路の側線を接点から延長し、その線に囲まれた範囲を交差点とする方式
  • 始端垂直方式:道路どうしの接点から対向する側線に対して垂線を下ろし、その線に囲まれた範囲を交差点とする方式
  • 始端結合方式:道路どうしの接点を結んだ線に囲まれた範囲を交差点とする方式
  • 車両衝突推定方式:それぞれの道路から進行する車両が衝突するおそれのある部分を交差点の内部とする方式

参考:道路交通法実務研究会 編「図解道路交通法」(2023年)

実際に事故が起きた際の過失割合や交差点の範囲の決め方は個々の事故の状況によって異なります。事故の加害者にならないよう、つねに安全運転を心掛けましょう。

交差点進入時の注意点

交差点に進入するときの注意点は、普段から運転している人にはどれも当たり前に思えるかもしれません。

しかし、疲れて注意が散漫になってしまっていたり、イライラして相手を思いやる気持ちがなくなってしまったりすることもあるでしょう。交差点は事故が多い場所でもあります。

以下の4つの注意点を参考に、ぜひ自身の運転を見直してみてください。

  • 信号や標識に従う
  • 右左折時の優先順位に気を付ける
  • 歩行者や自転車の存在をよく確認する
  • 速度の減速と安全確認は十分にする

1.信号や標識に従う

交差点に進入する前には、信号や標識をよく確認することが大切です。

信号や標識を守るのは当たり前ですが、信号や標識を守らないために重大な事故につながることが多々あります。

交差点に限った話ではありませんが、事故を起こさなくとも信号無視や一時停止標識の無視などは交通違反です。違反点数が1~2点、反則金の支払いなど罰則を受けることになります。

交差点に進入する際は、信号がある場合には青であることを確認したり、標識に従って右左折の制限や優先道路の表示を確認したり、適切な行動を取るようにしましょう。

参考:交通違反の点数一覧表 警視庁

2.右左折時の優先順位に気を付ける

交差点での右左折時には右左折車や直進車、道路の状況などによって優先順位が決まっているため、注意が必要です。

そもそも、交差点における他の車両等の関係については道路交通法第36条と37条で明文化されています。

第36条第1項車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。
第36条第1項第1号車両である場合 その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車
第37条第1項車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。

引用(抜粋):道路交通法 | e-Gov法令検索

つまり、信号の無い交差点では左から来た車両や路面電車が優先になり、交差点で右折するときは他の車両が直進、左折するのを妨害してはいけないということです。

3.歩行者や自転車の存在をよく確認する

交差点は、車以外にも歩行者や自転車などが行き交う場所でもあります。

内閣府の調査によると、令和2年の自転車乗用中の死者・重傷者数のうち、自転車対自動車の事故によるものは約8割を占めています。

自転車対自動車の事故を類型別に見てみると、すべての類型で交差点内で起きた事故は46%と、自転車と自動車の事故の約半数が交差点内で起きていることが分かります。

交差点に進入する際は当たり前にはなりますが、周囲に歩行者や自転車がいないかよく確認し注意して進むようにしましょう。

参考:第3節 歩行者及び自転車の交通事故の傾向|令和3年交通安全白書(全文) – 内閣府

4.速度の減速と安全確認は十分にする

3と似たような注意点ではありますが、実は安全確認については道路交通法第36条第4項に次のように規定されています。

  • 第36条第4項:車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

引用:道路交通法 | e-Gov法令検索

交差点では予期せぬ出来事が起こる可能性もあるため、常に周囲の状況を把握し、注意力を高めておくことが重要です。

東京で交通事故が多い交差点は?

一般社団法人 日本損害保険協会が発表している令和3年の「全国交通事故多発交差点マップ」によると、全国の交差点での事故のワースト10に東京の交差点が4つランクインしています。

ワースト10にランクインしているその他の交差点には大阪や兵庫、愛知、沖縄などがあります。

また、この「全国交通事故多発交差点マップ」は都道府県別でもワースト3の交差点を紹介しているので興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

2021年(令和3年)の全国ワースト10にランクインしている東京の交差点は以下の通りです。()内は人身事故件数です。

  1. 大原交差点(29件)
  2. 池袋六ツ又交差点(21件)
  3. 四谷四丁目交差点(18件)

1.大原交差点

全国ワースト1位の交差点は「大原交差点」です。住所は、東京都杉並区和泉1丁目1番。

この交差点は、高速道路の支柱があり、視認の妨げとなっていること、朝夕は渋滞が発生しているという特徴があります。

大原交差点での事故発生件数は29件で全国ワースト1です。

件数の多い事故類型の主な要因と予防方策を1つ紹介します。

  • 事故要因1:脇見運転や漫然とした運転のため、前方車両の動きや安全確認の不足による。
  • 予防方策1:運転に集中し、安全確認をしっかりする。

2023年は死亡事故はないものの、追突事故が11件と最も多くなっています。

2.池袋六ツ又交差点

全国ワースト2位の交差点は「池袋六ツ又交差点」で、住所は東京都豊島区東池袋2丁目63番です。

池袋六ツ又交差点は六差路交差点で、大原交差点と同じく高速道路の支柱があり、視認の妨げとなっていること、交差点が大きく屈曲しているという特徴があります。

2021年の事故発生件数は21件で、重症事故も2件起きていますが、2023年は死亡事故は発生していません。

件数の多い事故類型は「出会い頭事故」となっていて、出会い頭事故の主な要因は「左右の安全確認の不十分」によるものです。

池袋六ツ又交差点に限らず、出会い頭事故を起こさないためにも周囲の安全確認が大切となります。

3.四谷四丁目交差点

全国ワースト5位、東京都ワースト3位の交差点は「四谷四丁目交差点」です。住所は、東京都新宿区四谷4丁目28番。

四谷四丁目交差点は五差路交差点で、交差点が大きく屈曲しているという特徴があります。

2021年の事故発生件数は18件で、2023年は死亡事故や重症事故は起きていません。

件数の多い事故類型は「左折事故」で、主な要因は信号の変わり目などの無理な左折、左折先の横断歩道の確認が不十分になり、自転車などと衝突したことです。

左折の際には歩行者や自転車、バイクなどの巻き込みに注意が必要です。

横断歩道上の歩行者、自転車の有無を確認し、ドアミラーやバックミラーも使って十分すぎるくらい安全確認をするのをおすすめします。

交差点での事故の過失割合

交差点に限らず、交通事故の過失割合は個々の事故の具体的な状況によって異なります。

本章では以下の2つの事故を例にして、交差点での事故の過失割合について解説します。

  • 一時停止規制がある事故の場合
  • 右折車と直進車の事故の場合

一時停止規制がある事故の場合

どちらにも信号機のない交差点で、一方の車が走行する道路には一時停止規制があり、もう一方の車が走行する道路には一時停止規制がない場合。

一時停止規制のある方の車をA、一時停止規制のない方の車をBとすると基本の過失割合は以下の通りになります。

A:B=8:2

Aは、道路交通法第43条によって停止線の直前で一旦停止をしなかった点や、第36条第2項「交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない」に反していることから80%程度の過失割合となります。

Bは、道路交通法第36条第4項に反しているとして20%程度の過失があると判断されます。

ただし、基本の過失割合は一概に8:2になるとはいえません。参照する判例によって異なり、過失割合が7:3となった事例もあります。

右折車と直進車の事故の場合

信号機のない交差点での右折車と直進車の事故の場合は、さまざまなケースが考えられ、すべての右直事故の基本過失割合が一概に同じになるとはいえません。

信号機のない交差点での右折車と直進車の事故の場合、以下のようなケースがあると考えられます。

  • 道路幅が同程度の優先関係も一時停止規制もない交差点での事故
  • 一方が明らかに広い道路幅の交差点での事故
  • 一方に一時停止規制がある場合の交差点での事故
  • 一方が優先道路の場合の交差点での事故 など

たとえば、1つ目の道路幅が同程度の優先関係も一時停止規制もない交差点での事故の場合。基本過失割合は、右から来た直進車をA、左から来た右折車をBとすると以下のようになります。

A:B=4:6

この場合、第36条第1項の規定「左方車が優先される」ことから、直進車であるAは、過失割合は右折車であるBよりも低いものの40%程度の過失となってしまいます。

交通事故の具体的な状況によって過失割合は変化します。過失割合は保険会社によって決められますが、各保険会社によって異なることはありません。事故の具体的な状況によって過失割合が変わることを覚えておくとよいでしょう。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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