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運転免許を自主返納するには?手続きと運転経歴証明書の申請方法、メリットや特典も
目次
運転免許の自主返納とは
自主返納とは、運転免許証が不要になった方や、加齢にともなう身体機能の低下などのため、運転に不安を感じるようになった高齢ドライバーの方が自主的に運転免許証を返納することです。免許証を返納することで、車の運転ができない生活の不便を補うために、さまざまな特典が用意されています。
ただし、免許の失効や取り消しなどの行政処分を受けている状態は自主返納には該当しません。また、失効や取り消し処分を受けている場合は自主返納手続きをおこなうことができません。
自主返納で交付される「運転経歴証明書」
自主返納した場合には、運転免許証に代わる身分証明書として「運転経歴証明書」の発行を申請することができます。「運転経歴証明書」に有効期限はありませんので、運転免許証のように定期的な更新は必要ありません。
また、自主返納の特典を受ける際には「運転経歴証明書」の提示が求められるのが一般的ですので、自主返納と同時に申請手続きをおこなうのがよいでしょう。自主返納から5年をすぎると発行することができなくなるので注意が必要です。
2012年4月より以前に発行されたものは身分証として使うことができないため、新たに申請することをおすすめします。
一部返納の場合は「運転経歴証明書」を申請できない
「運転経歴証明書」の交付条件は、運転免許を取り消した場合のみです。
トラクター(小型特殊自動車)や原動機付自転車しか運転しないといった場合に、普通免許や大型免許などの上位免許を返納し、小型特殊や原付免許などの下位免許を保有し続ける「一部返納」の場合は継続して運転免許証を保有することになるため、「運転経歴証明書」を申請することはできません。
運転免許証自主返納の手続方法
運転免許証の自主返納手続きは、必要書類に記入して運転免許証を返納するだけです。その際に「運転経歴証明書」の申請手続きも同時におこなってしまうことをおすすめします。
原則として本人の申請が必要ですが、入院や施設への入所、自宅療養中などの場合は、電話もしくは委任状などで本人の意思確認ができる場合にのみ代理人により手続きをすることができます。ただし、代理申請の場合は「入院証明」「入所証明」「診断書」などの所在を証明する書類が必要です。
手続き場所と対応日
自主返納手続きは、お住まいの地域を管轄する警察署および運転免許センターで手続きをすることができます。また、地域によっては交番や駐在所で受け付けている場合もあります。
免許返納の受付は、ほとんどの場所が平日のみの受付です。地域によっては土日も受付をおこなっている場所もあります。詳細はお住まいの地域の警察署ホームページで確認することができます。
必要なもの
運転免許を全部返納する場合
- 返納する運転免許証
- 運転免許取消・一部取消申請書(申請用紙は運転免許センター・警察署にあります)
- 印鑑(地域によっては必要)
一部を返納する場合
- 返納する運転免許証
- 運転免許取消・一部取消申請書(申請用紙は運転免許センター・警察署にあります)
- 免許更新手数料 2,050円(2種目以上は、1種目ごとにプラス200円)
運転経歴証明書の申請方法
返納した運転免許証の代わりとなる身分証明書であり、返納優遇を受けるために必要な運転経歴証明書です。
運転免許の取得種目や取得日が記載された「運転免許経歴証明書」と名称が似ているので、必要書類の間違いに注意しましょう。
申請の条件
運転経歴証明書を申請できる条件
- 運転免許を返納してから5年以内であること
- 運転免許の種目を問わず、全部取り消していること
- 運転免許証の取消・停止・再試験の基準に該当しないこと
上記の条件に当てはまっていれば、年齢の制限はありません。
申請場所
運転経歴証明書の申請は、運転免許の自主返納と同じくお住まいの地域を管轄する警察署および運転免許センターで手続きをすることができます。
受付日も同様に、地域によって土日もおこなっている場所はありますが、ほとんどの場所が平日のみの受付です。詳細はお住まいの地域の警察署ホームページで確認することができます。
必要なもの
- 運転経歴証明書交付申請書(運転免許センター、警察署に置いてあります)
- マイナンバーが記載された住民票、または申請者の氏名・住所・生年月日を確認できる身分証明書
- 印鑑
- 申請用写真(縦3.0cm×横2.4cm、無帽・正面・上三分身・無背景。申請前6ヶ月以内に撮影したもの)
- 交付手数料1,000円前後(地域による)
運転免許自主返納時の写真は?
申請する場所によって、その場で撮影か持参なのか異なるようです。詳細はお住まいの地域の警察署ホームページで確認することができます。
免許返納自体は手数料は無料だが…
免許返納自体は無料ですが、運転経歴証明書の発行には交付手数料がかかります。
運転免許証を紛失していても申請できるが…
運転免許証を紛失等で持っていない場合は、運転免許センターや警察署では申請できないことがあります。お住まいの地域の警察署ホームページで確認しましょう。
運転免許証の住所が現住所と異なるときは
運転免許証の住所が現住所と異なるときは、現住所が分かるものを持っていきます。ただし、即日発効できないことがあります。
代理人が運転免許証を返納・運転経歴証明書を申請するときは?
本人以外の代理人でも手続きはできます。条件や場所は同じなので必要なものをまとめましょう。
必要なもの
- 本人の運転免許証
- 申請用写真 1枚
- 委任状
- 代理人の住所・氏名・生年月日が確認できるもの(確認のみ)(運転免許証、住民票の写し(マイナンバー(個人番号)が記載されていないもの。コピーは不可)、マイナンバーカード(個人番号カード)、健康保険証、旅券、在留カード等)
【注意】運転経歴証明書の申請には期限がある
「運転経歴証明書」は取得後は永年有効となります。しかし、申請には期限があります。申請期限は自主返納および失効後5年以内となっています。
今後免許更新をしないことがわかっていて、運転経歴証明書の発行を考えている人は、なるべく早めに申請することをおすすめします。
免許が期限切れ(免許失効)してしまった人も申請可能に!
更新手続きができずに免許失効(うっかり失効)してしまった人でも、同じく5年以内ならば申請ができるようになりました。
詳しくはお住まいの地域の警察署ホームページで確認しましょう。
自主返納で受けられるメリットや特典
近年では国内の各市町村や⺠間事業者による、免許返納者へのさまざまな⽀援サービスもおこなわれています。
外出や買物時に便利に利⽤できる「タクシー利⽤券」や、「コミュニティバスの回数券」などの交通費の割引サービス、その他にもデパートやスーパーの配達便の割引や、宿泊施設や飲⾷店などさまざまな店舗の割引など、そのサービスは多岐に渡っています。
現在、国をあげて⾼齢者の運転免許証⾃主返納を進めていますので、この先もさまざまなサービスが追加されたり、さまざまな⺠間事業者が参⼊してくるでしょう。
免許を返納したときのデメリット
運転免許証を返納した際のデメリットは、あたりまえですが今までのように⾞を運転できなくなることです。とくに公共の交通機関が整っていない地域ほど、運転免許返納前後の差を実感してしまいます。
さらに⾞の運転をしなくなったことで、判断⼒や記憶⼒が低下したり、最悪の場合認知症が急に進んでしまったという事例もあります。
規則正しい生活や頭を使うような仕事や趣味を続けたりすることで、認知症の予防を心がけると良いでしょう。
免許返納について家族と話し合いを!
今すぐに免許返納が難しい場合は、現在の自分の運転技術や判断力をサポートしてくれる安全装備を車に搭載し、安全運転ができる環境を整えましょう。
運転免許証を返納するかどうかは、それぞれの⼈の⽣活環境によって⼤きく異なるものです。家族が自主返納を説得しても理解が得られなければ、各相談窓口に相談することもできます。運転の「目的」と「意味」を理解し家族で話し合うと良いでしょう。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...