更新
「あなたの軽自動車は安全?」悲惨な事故が多い中、衝突試験が良好だった車種ランキング5選
目次
軽自動車の中で衝突安全性能評価が高いランキングトップ5
もっとも気になるのは、どの軽自動車が安全であるかどうかです。独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が現時点で公開している資料(2020年度版)をもとに、新車販売されている軽自動車の衝突全性能総合評価ランキングTOP5をお届けします。
ランキング5位:ダイハツ タフト
2020年6月に登場したタフトは、4代目ダイハツ タントと同じDNGAにもとづく軽量高剛性プラットフォームを採用しています。国内基準はもちろん、欧州の衝突安全基準もクリアするその衝突安全性能総合評価は83.18点。同社のタントよりも助手席の安全性がやや劣るものの、運転席や後席の安全性はいずれも同等もしくは上の数値となっています。
ランキング4位:ホンダ N-BOX
2017年8月に発売した2代目ホンダ N-BOXは、衝突時の衝撃を制御する「G-CON」ボディを採用。TOP5にのぼった車種のなかではもっとも古い車ではあるものの、総合評価は堂々の88.5点です。
登場当時はJNCAPにおいて軽自動車の最高評価を叩き出し、同時に最高ランクの衝突安全性能評価を獲得した車だけに贈られるファイブスター賞も受賞。全席に備わるエアバッグや頚部衝撃緩和フロントシートなども衝突安全性に貢献しています。
ランキング3位:日産 ルークス/三菱 ekスペース
3代目となる現行型日産 ルークスおよび三菱 ekスペースは2020年3月に発売。これらは日産と三菱の共同開発された車であり、車体骨格は共通であるため評価は同じく86.54点で、2021年にはファイブスター賞を受賞。
適所に使用された高張力鋼板や7つのエアバッグによって衝突安全性が高められており、なかでもニーエアバッグは、現時点で軽自動車に装備しているのは日産と三菱のみです。
ランキング2位:日産デイズ/三菱 ekワゴン
2019年3月に登場した日産デイズおよび三菱 ekワゴンが総合評価は88.60点で第2位です。2020年にはファイブスター賞も受賞しています。
車体の基本構造やニーエアバッグをはじめとする安全装備は日産 ルークスおよび三菱 ekスペースと共通であるものの、運転席側の安全性はデイズ/ekワゴンの方が高く、助手席側はルークス/ekスペースに劣る結果となっています。
ランキング1位:ホンダ N-WGN
軽自動車のなかでもっとも衝突安全性が高いのは2019年8月に発売し、総合評価88.7点を獲得したホンダ N-WGNです。ボディの基本構造や車内安全装備はN-BOXと共通ですが、運転席・助手席・後席のすべてにおいてN-BOXよりもN-WGNのほうが衝突安全性に優れる結果となりました。もちろんN-WGNも2019年のファイブスター賞を獲得しています。
前面・側面衝突安全性は普通車並! でも軽自動車の後席は…
現在の衝突安全評価は普通車と同じ方法で試験されるようになったため、普通車と衝突安全性の比較ができるようになっています。軽自動車の衝突安全性は以前よりも向上しており、なかには普通車よりも優れた前面・側面衝突安全性を確保している軽自動車も多く存在していることが数値からわかります。
しかし、後方からの衝撃に対する安全性だけは別です。総合評価に含まれる「後面衝突頚部保護性能試験」は、実際に後方から衝突試験がされているわけではなく、車体の潰れは考慮されていません。大型車や大きな速度差がある車に追突され、車体が大きく潰れるような事故ともなると、リアハッチの前に座る形になる軽自動車の後席乗員は大きな被害に遭ってしまいます。
普通車であればラゲッジや3列目シートのスペースが緩衝帯となりますが、絶対的な車体サイズが小さい軽自動車の大きな後面衝突に対しては打てる手立てがありません。
軽自動車ではありませんが、マツダやボルボなど一部のメーカーは独自に後面オフセット衝突試験や3列目の生存空間についてテストを実施しています。大切な人を予期せぬ事故から守るためにも、自動車を選ぶ際の基準として「衝突安全性がどれだけ確認されているか」をチェックすることも重要なのかもしれません。
つぶれる事の重要性とは?
軽自動車の最新情報をチェック!
まだ取得可能?2022年度版はどうなるのか
- 執筆者プロフィール
- 伊藤友春
- 1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...