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スロットルボディの洗浄や交換はなぜ必要?清掃・交換方法と費用まとめ

スロットルボディとは?仕組みと構造

スロットルバルブ
©Орлов Александр/stock.adobe.com

エンジンルームを開けると、エアクリーナー近くにスロットルボディと呼ばれる部品があります。その部品が車を動かすためにどのような役割があるのか、どのような仕組みなのかをご紹介します。

まずは、スロットルボディ単体の説明ではわかりにくいので関連部品とあわせてご説明します。

エンジン作動とスロットルボディの関係

エンジンは、燃焼室で燃料を燃焼させることで、ピストンを動かし車の動力源としています。エンジンを動かすためには「燃料」「火花」「空気(酸素)」が必要となります。

スロットルボディは、エンジンに取り込む空気量をコントロールする部品です。この部品により空気量を調整し、エンジンの回転数を制御しています。空気量を多く取り込むと、その空気量に応じて適当な燃料噴射量を噴くので爆発力が大きくなり車は加速します。

反対に、空気量が少ないと燃料噴射量も少なく、小さなパワーしか生み出さないということになります。

また、スロットルボディの開閉はドライバーのアクセルの踏みこみと連動しており、アクセルを思い切り踏み込むとスロットルボディの開度は大きくなり空気量を多く取り込みます。

加速・減速はドライバーの意思であり、それによりスロットルボディの開度が変わり、エンジンパワーの大きさも変わるという流れで車は動いています。

スロットルボディの仕組み

スロットルボディは、円形のバタフライバルブ構造になっています。大抵の車において、エアクリーナーとエンジンの間に取り付けられており、目視できるサイズなので比較的簡単に見つけることができます。

従来のスロットルボディは、バルブの開閉は機械的にアクセルペダルと繋がっているという単純な仕組みでした。しかし現在は、電子式(DBW:ドライブ・バイ・ワイヤ)の採用が一般的です。

DBWの採用が一般的になった理由とは

機械式から電子式に移行した理由は、アイドリング中の空気調整に問題があったからです。

DBWはアイドリング時、アクセルを踏まなくても自動的にバルブの開きを調整し、適度な空気量を吸入してくれますが、機械式の車の場合はアクセルを踏まないとバルブが閉じてしまうので空気を吸入できません。空気が吸入できなければエンジンは止まってしまいます。

機械式の車にはアイドリング中もエンジンを止めないために、アイドル時専用の空気量調整機構(ISCV:アイドル・スピード・コントロール・バルブ)が装備されていました。空気の抜け道のようなものです。

しかし、ISCVは劣化や汚れの詰まりにより、アイドリングが安定しないこともしばしばありました。電子式にすることで、ISCVの定期的な手入れや設置するスペースを排除し、アイドリングの安定とスペースを確保することが可能となったのです。

スロットルボディに関連するペダルの詳しい解説などはこちら

スロットルボディの汚れはエンストの原因に?

自動車修理
©Wakko/stock.adobe.com

スロットルボディは、エンジンの入り口付近にあるため、エンジンの吹き返しやブローバイガスの還流で内側や隙間にオイルやカーボンが付着して次第に汚れていきます。

スロットルボディの清掃はそれらの汚れをパーツクリーナーやエンジンコンディショナーを使って除去する作業になります。

スロットルボディは、前述のとおりエンジンの出力を調整するために非常に重要な部品です。気持ちのいいアクセルワークのためには、スムーズなバルブの開閉をキープすることが大切です。

そのためには定期的な清掃すると良いでしょう。

スロットルボディ故障の症状

  • エンジンキーを回したとき、一度でスムーズにエンジンがかからないとき
  • 信号待ちの間、アイドリングが不安定なときがある
  • 車を発進するとき、『ガクン』、『ドン』と言った音がでるときがある(アクセルを踏んでも直ぐに発進しないなど)

スロットルボディの清掃・洗浄方法

スロットルボディの掃除
©Александр Байдук/stock.adobe.com

スロットルボディは見つけやすい場所にあるものの、取り外して洗浄するのはあまり簡単なことではありませんが、参考として清掃・洗浄方法についてご紹介します。

①ダクトを取り外す

スロットルボディはアクリーナーから吸入ダクトで繋がっており、一般的にこのダクトはバンドなどで止められているだけなので取り外しはそれほど難しくありません。スロットルボディ自体を取り外すのは困難なので、エンジンルームに設置した状態で清掃・洗浄していきます。

②カーボン除去してバルブをきれいにする

パーツクリーナーやエンジンコンディショナーをウエスなどのやわらかい布に塗布してやさしく筒内やバルブをふき取っていきます。特に、バルブの裏側は汚れやすいのでバルブを開閉しながらきれいにしていきます。

※バルブの周囲が黒くなっていることがあります。これは汚れではなく、モリブデンコーティングといわれるスロットルボディの密着を高めて全閉にするためのコーティングである場合があります。決してゴシゴシ落とさないで下さい。実施前に確認することをおすすめします。

③ダクトを元に戻す

エンジンルーム内に戻し、固定用のバンドなどの留め具も忘れないようにしましょう。

お手軽洗浄方法

ダクトを取り外さずに洗浄する方法があります。エンジンをかけながら専用の洗浄剤をスプレーで流し込むことでエンジンの吸気部品に付着しているカーボンなどをまとめて除去してくれるというものです。スロットルボディから吸気系までを洗浄してくれる便利な商品です。

ただし、車によっては不具合がでる可能性もあるそうですので、事前に車と洗浄剤の相性などを確認してから実施するようにしましょう。

スロットルボディ清掃時はモリブデンコートに注意!

スロットルボディの清掃をする際は、専用の洗浄剤で清掃するようにしましょう。スロットルボディ内部のモリブデンコートを剥がしてしまう恐れがあります。

モリブデンコートがない状態はアイドリングが不安定になるので要注意です。

スロットルボディがあるエンジンルームの清掃についてはこちら

スロットルボディの交換時期と交換費用

車 メンテナンス
©Zenzeta/stock.adobe.com

交換時期はエンジンの不調時や、エンジンチェックランプが点いたときにはディーラーや修理工場に行くことをおすすめします。

スロットルバルブの交換は通常はスロットルボディごとの交換になります。

交換作業をディーラーや修理工場に依頼した場合、部品代と工賃を合わせた合計で35,000円から80,000円ほど。車種によっては作業工程が複雑な場合もあり、70,000円から80,000円ほどもかかるケースもあるようです。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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