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ブローバイガスとは?排気ガスとの違いや還元・再燃焼の仕組み

ブローバイガスとは?

燃焼室からクランクシャフトへ漏れた未燃焼ガスや混合気のこと

©robypangy/stock.adobe.com

ブローバイガスとはエンジンのシリンダーとピストンの隙間を通ってクランクケースへ漏れ出した未燃焼ガスおよび混合気のことです。

未燃焼ガスというのは言葉通り「燃焼し切っていないガス」ですので、混合気と同様に燃料(ガソリンやディーゼル)が含まれています。

例えば、ガソリンエンジンの燃焼行程は周知の通り吸気・圧縮・燃焼・排気です。これだけ見ると、「燃料は圧縮工程で全て燃焼しているはず」とつい考えてしまいますが、実際にはその通りではありません。

また、シリンダーとピストンの隙間(クリアランス)は、エンジンの個体差はありながらも少しずつ開いていきます(金属同士が擦れるため)。この金属摩擦を低減することもエンジンオイルの役割の1つで、定期的にエンジンオイルを交換するべき理由の1つです。

つまり、走行距離が長い車両エンジンはそのクリアランスが広がっている可能性及びブローバイガスが多く発生する可能性が懸念されます。

ブローバイガスはエンジンオイルの汚れの原因にもなる

©︎Zoran Zeremski/stock.adobe.com

クランクケースに侵入したブローバイガスは、クランクケース内部でエンジンオイルと混ざり合うことで汚れとなり、エンジンオイルの粘度を低下させる原因となります。

エンジンオイルは、①潤滑(金属同士の摩擦を軽減する)、②洗浄(エンジン内部を循環してゴミ・汚れを運びだす)、③防錆(金属部品を錆から守る)、④緩衝(燃焼時の衝撃を受けとめる)、⑤冷却(燃焼による熱を冷やす)、⑥気密保持(シリンダーとピストンのクリアランスを密閉する)の6つの役割を果たしています。

つまりそのエンジンオイルにブローバイガスが混ざれば、粘度が下がり潤滑や気密保持の効果が下がるということです。

エンジンオイルの粘度不足が原因でブローバイガスがピストンとシリンダーのクリアランスから漏れ出してクランクケースへ流出すること、そしてクリアランスがそもそも広がっていることが原因となってブローバイガスが多く発生することもありえます。

ブローバイガスと排気ガスの違い

ブローバイガス以外に自動車に関連するガスとして排気ガスを上げることができますが、ブローバイガスと排気ガスは一体何が違うのでしょうか。

排ガスはサイレンサーから排出されるもの

まず1つは排ガスはサイレンサーから排出されるガスであるという点です。

排気ガスは、燃焼行程における排気の行程で、排気側バルブスプリングからエクゾーストパイプやセンターパイプを経由し、最終的にはサイレンサーから大気へ排出されています。

これに対し、クランクケース内のブローバイガスはPCV装置によって再循環されて燃焼行程に再利用されており、クランクケースやPCVバルブにインテークマニホールドそしてスロットルバルブなどを延々と移動していることになります。

もちろん、再燃焼すれば排ガスになるため永遠と同じ排ガスが居座っているわけではありません。

一酸化炭素や炭化水素の量が異なる

2つ目の違いとして、ガスに含まれる一酸化炭素や炭化水素の量にあります。

排ガスに含まれる一酸化炭素や炭化水素はブローバイガスのそれと比べると圧倒的に少ないです。

自動車におけるブローバイガスの処理方法

©Stefan Redel / stock.adobe.com

現代において、ブローバイガスは燃焼行程で再利用されており、この仕組みはブローバイガス還元装置(PCV装置)と呼ばれています。

ブローバイガス還元装置は、クランクケースとインテークマニホールドをいくつかの菅でつなぎ、さらに1-way(一方方向にのみ流れる)バルブとして機能するPCVバルブを組み合わせる構造です。これによりブローバイガスはクランクケース内へ逆流することなく、吸気行程へ確実に送り込まれます。

ちなみに、ブローバイガス還元装置に使われているワンウェイバルブは、例えばブレーキフルード交換時にもホースを組み合わせて使われています。バイクのブレーキフルードを交換する時にも便利なので、一式揃えておくとDIYが捗ります。

ブローバイガスを再循環させても大丈夫?

未燃焼ガスを大気開放せず燃焼に再利用することは環境・人体には優しいですが、車にとってそれは必ずしもそうとは限りません。

その理由として、ブローバイガスに含まれる炭化水素(HC)が汚れを生じさせることが挙げられます。

そもそも、炭化水素とは炭素(C)と水素(H)で構成される化合物の1つで、炭素と水素それぞれの分子の数で様々な組み合わせができるわけですが、ガソリンは一定数の炭素分子と水素分子によって構成されています。

炭化水素はインテークパイプやスロットルバルブ、そしてPCVバルブなどに汚れを生じさせます。そのため、定期的に洗浄することがエンジンの調子を保つ工夫の1つともなっています。

執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。
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