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DIYで機能拡張のススメ! キャラバンカーの荷室にパイプを取り付けてみました。

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


皆さん、愛車でDIY楽しんでますか!? キャンピングカーの機能を拡張するためにも、カーライフをより一層楽しむためにもおすすめしたいのがDIY。

その第一歩として、今回はキャラバンカーにルーフインナーバー(荷室天井用のパイプ)を自力で取り付けたリポートです!

ルーフインナーバーに興味のある方、あるいはこれからDIYを始めようという方、この記事が参考になれば幸いです。

ちなみにルーフインナーバーは、汎用性の高い矢崎化工(株)のイレクターパイプを使いました。

「イレクター」は同社の登録商標で、パイプとそれを差し込むジョイントを組み合わせて自由自在にいろいろなものが作れます。

キャンピングカーであればベッドフレームやルームラック、タイヤラックなどにも応用できてたいへん便利!

そして、パイプを取り付けたのは、私の愛車「日産キャラバン マルチべッド」です。車名のとおり、荷室にもともと広いマルチベッドシステムを標準装備しています。

おかげで快適な車中泊生活ではあるものの、天井にパイプがあれば洋服やカーテンを下げたり、ラックを付けて収納スペースを増やしたりもできます。

そう考えたことが発端で、今回のDIY挑戦となりました。

思っていたより時間はかかりましたが、結果は大成功。

DIYによって車は自分好みにカスタマイズされ、さらに便利に快適に

そしてなにより、作業を通じて車への愛着が一層湧いてきましたよ!

では、私がルーフインナーバーを取り付けるまでの工程、お伝えいたしましょう。

DIYを選んだ経緯 純正オプションは予算オーバー

実はこのキャラバンカー、荷室の架装部分にあらかじめ様々なオプション設備が用意されています。

そのうちのひとつにルーフインナーバーも。

「N14サイドマルチパイプラック」という商品名で、つまり純正のルーフインナーバーがあるのです。

「だったらそれを使えばいいじゃん?」とおっしゃる方がいるかもしれません。

ハイ、私も当初、選択肢として考えていました。しかし、調べていくうちにひとつの壁が……。

悲しいかな、それは費用面です。

荷室の両サイドに付けるこのパイプ、2本で26,400円……。

これを取り付けた上で、窓を保護するウィンドウパネルと、釣竿などの長物を収納する「N24ロッドアタッチメント」、あるいはサーフボードなどを収納する「N22ボードアタッチメント」を選んで組み込むと、それだけで総額10万円をゆうに超えます。

「よ、予算オーバー……」こうして私は、純正オプションの選択肢を捨て、費用を抑えながら自分好みにカスタマイズできるDIYの道を選んだのです。

そして試行錯誤を経て行き着いたアイデアが、天井部を四角に囲う形で4本のパイプを取り付けること。

このサイドにカーテンを付け、さらにテーブルの収納スペースをつくるために下段両側にもパイプを付けることにしました。

キャラバンの荷室部分の純正オプション 税込み価格
N14サイドマルチパイプラック(左右セット)約1200mm 26,400円
N22ツインアタッチメント ロッドホルダー(ボード&釣竿) 83,600円
N23ボードアタッチメント(サーフボード) 75,900円
N24ロッドアタッチメント(釣竿) 75,900円
N30両側ウィンドウパネル ユーティリティナット無 50,600円
N31運転席側ウィンドウパネル ユーティリティナット無 28,600円
N32助手席側ウィンドウパネル ユーティリティナット無 28,600円
N33両側ウィンドウパネル ユーティリティナット有 61,600円
N34運転席側ウィンドウパネル ユーティリティナット有 35,200円
N35助手席側ウィンドウパネル ユーティリティナット有 35,200円

準備したパーツと費用

今回のDIYの主役であるルーフインナーバーは、最初にご紹介した矢崎化工(株)のイレクターパイプを使いました。

スチールパイプにプラスチックをコーティングしたもので、丈夫でしかも組み立てが簡単だからです。

イレクターパイプは、ホームセンターなどの量販店で購入できるほか、同社のネット通販サイト「yazaki shopping」でも注文可能。

今回使ったパイプ径28mmのものはアイボリーやグレー、ブラックなど8色が用意されていて、表のようにお値段も比較的リーズナブルです。

※表中の参考価格は1本(個)あたりの単価で、「yazaki shopping」内の価格を基本としました。

イレクターパイプ1500mm(参考価格748円)×4本
イレクターパイプ1200mm(同609円)×2本
HJ-1メタルジョイント(同484円)×18個
J-13Bクロス部分用ジョイント(同99円)×4個
J-110Aパイプインナー用ジョイントキャップ(同44円)×8個
J-49パイプアウターキャップ(同44円)×4個
EK-1イレクター専用ハンドカッター(同5357円)
・EY-30イレクター専用 サンアロー接着液 30ml(同407円)

サンアロー接着液はイレクターDIYの必須アイテム

パイプとジョイント表面の樹脂を溶かして固定する。

鉄製のメタルジョイント。六角棒レンチで組み立て、枠のつなぎに使う。

2本のパイプを交差させるときの専用ジョイント

水が浸入してパイプ内面が錆びることを防ぐインナーキャップ

パイプ径28mmと32mmのパイプ切断に使うハンドカッター

荷室天井のサイド用パイプに今回接着したアウターキャップ

購入の際の注意点としては、パイプ径28mmのイレクターパイプを使ったので、それに合うジョイントとキャップを慎重に選びました。

イレクターパイプはパイプ径28mmのものと32mm、42mmのものがあって、ジョイントなども各サイズ用意されています。

組み合わせをうっかり間違えたらアウトなのでお気をつけて!

また、以下のパーツは矢崎化工のラインアップで見つけられませんでした。

なので、ネット通販で購入したものです。

イレクターパイプアタッチメント(小売価格500円ほど)×18個
遮光カーテン1000mm×1050mm(同3000円ほど)
カーテンリング10個入り(同1000円ほど)×2袋

制作の流れ

次は、いよいよ具体的な作業の流れです。

荷室天井へのルーフインナーバー取り付け、下段サイドへのパイプ取り付け、そしてカーテンの取り付けと3つに分けてご説明します。

ルーフインナーバーの取り付け
① ハンドカッターを使い、1500mmのイレクターパイプを必要な長さに切断。サイド用の2本は各1300mmに、センター用のあとの2本は1320mmに切りました。キャップをはめやすいように、切断面のバリをやすりなどで削り取ります。
② サイド用のパイプに「J-49 パイプアウターキャップ」を接着剤で取り付け。
また、センター用のパイプに「J-110A パイプインナー用ジョイントキャップ」を接着剤で取り付けます。
③ 天井部分の両サイドにユーティリティナットのキャップがあるので外します。片側6個、両サイドで計12カ所の開口部にイレクターパイプアタッチメントをプラスドライバーで取り付けます。ただのハンガー掛けとしての使用であれば、強度は落ちますが片側3カ所ずつの取り付けでも大丈夫でしょう。
④ 「HJ-1 メタルジョイント」とサイド用のパイプ取り付けます。同じ作業を反対側でも行います。
⑤ 「J-13B クロス部分用ジョイント」を使い、センター用のパイプを取り付けます。
⑥ 荷室天井を四角く囲う形でルーフインナーバーDIYが完成!

ユーティリティナットとその開口部
ユーティリティナットの開口部にイレクターパイプアタッチメントを装着
さらにメタルジョイントを取り付ける
クロス部分用ジョイントを使い、パイプを垂直に交差させる

下段サイドへのパイプ取り付け

⑦ 下段の両サイドにもあるユーティリティナットを外します。片側3カ所、両サイドで計6カ所にイレクターパイプアタッチメントを取り付けます。
⑧ 1200mmのイレクターパイプ2本の両側に「J-110A パイプインナー用ジョイントキャップ」を接着剤で取り付け。
⑨ 「HJ-1 メタルジョイント」をイレクターパイプと一緒に取り付けて六角棒レンチで締めます。

同じ作業を反対側でも行えば、下段サイドバーが完成します。

助手席側はテーブルの収納スペースとして、運転席側は100均で買った網ラックを利用してそのほかの収納スペースとして使います。

テーブルを収納した助手席側

カーテンの取り付け

⑩ 内径30mmのカーテンリングを使用し、カーテンを設置します。片側8個、両サイドで計16個のカーテンリングを使いました。
⑪ 市販品のカーテンをリングに通していきます。100cm×105cmのサイズのカーテンを使いました。遮光カーテンがおすすめです。

両開き用の市販カーテンを使用。

2枚入りで、愛車の両サイドにぴったりでした。

パイプとカーテンリングを使ってカーテンを取り付ける。

取り付けてみた感想

今回のDIYで分かったのは、楽しいけれど、思ったより時間がかかる!

ルーフインナーバーの取り付け自体はさほど難しくありませんがが、慎重にやるとたぶん1日では終わりません。

そうお急ぎでなければ、計画を立てて数日に分けて作業をするとよいでしょう。

たとえば私は初日、ルーフインナーバーの取り付けで一日費やしました。そのあと、下段サイドパイプと網ラックで一日、最後にカーテン取り付けでもう一日。

計三日かけてコツコツと作業しました。

一度にやり過ぎないことでミスが起きにくいでしょうし、肉体的・精神的にも無理がありません。。

ちなみに、ユーティリティナットを利用したので、穴あけなどは一切必要ありませんでした。

使った工具もパイプカッターとプラスドライバー、六角棒レンチ程度で、一般家庭にある工具でほとんど事足りると思います。

パイプカッターは100円ショップでも売られていますし、なければ鉄ノコでも切断可能です。

イレクターパイプを差し込むアタッチメントは、プラスチック製や木製、金属製が販売されています。

そのなかで、私は金属製をおすすめします。実は過去の失敗があり、初夏にプラスチック製のアタッチメントを使ったところ、荷室の暑さで変形して落ちてしまったのです。

その経験を踏まえ、前回3カ所止めにしたのを6カ所止めとし、強度アップを図りました。

そして、アタッチメントの材質も金属製に変更その結果、今回は変形したり外れたりする様子は一切なし!

しかも、網ラックを付けて収納棚にもしたので、かなり重量感のあるものを支えていますが、びくともしません。

この網ラックは、窓をガードするウィンドウパネルの代用です。100均の網ラックをベースにDIYしました。

S字フックでぶら下げた状態のまま、下段をインシュロック(結束バンド)でサイドパイプに引っ張り固定しています。

もちろん、網ラックに付けたほかのフックやトレイも、急ブレーキなどで外れないようにすべて固定してあります。

使い勝手がよく、調味料やドライヤーなど、使用頻度の高い物を安心して収納できています。

まとめ

私がルーフインナーバーを取り付けた工程、いかがだったでしょうか?

イレクターパイプを使ったDIYは、応用が効いて簡単なのでおすすめです。

しかも、リーズナブル。今回のDIYにかかった費用は4万円弱でした。

内容に多少の違いはあるものの、純正オプションを使った場合の半額程度。

100均などをもっと活用すれば、さらに抑えることもできるでしょう。

DIYのメリットは、こうした費用面と、あとは拡張性。どこまでやるか自由に選択できることだと思います。

必要な場所にパイプを取り付けた上で、気が向いたらカーテンを付けることだって、テーブルの収納スペースをつくることだってできます。

このテーブルの収納スペースにしても、狭いとダメだし、広すぎてもダメ。ちょうどよいスペースに調整できるのもDIYならではといえます。

あれこれ考えながら作業するうちに、私はすっかりDIYに夢中になっていました。

純正オプションもいいですが、必要なパーツを自分で選び、自由な発想でくっつけるDIYはもっと楽しい!

さて、次はどんなDIYをしようか?

これからの計画を練るのも、私のような発展途上キャンパーの大きな楽しみであります。

そして、こうしたDIYによって、愛車がさらに唯一無二の相棒になっていくのでは、と思います。

以上、今回はキャンピングカーのルーフインナーバーを例に挙げました。

皆さんもぜひ、ご自身の愛車でDIYライフをエンジョイしてみてはいかがでしょうか。

ライター:ズナスケ

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執筆者プロフィール
車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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