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【トヨタ カローラ 110系】スリム化と安全強化へ。8代目のリポジショニング
目次
バブル終焉と社会不安。逆境のなか8代目カローラ誕生
8代目カローラ 110系が誕生したのは1995年。先代となる7代目カローラがバブル経済に沸いた時期に開発されたこともあり、歴代史上もっともゴージャスな仕様となったのに対し、8代目の開発時期はバブル経済崩壊直後。落ち込むであろう購買意欲を考慮しつつ、それまでの高級化路線から大幅な路線変更を余儀なくされたのです。
折しも時代は気候変動など環境問題が世界レベルで高まりつつあり、8代目カローラも省資源・省エネルギーをもとに環境に配慮し、さらに安全性を強化する方向へと転換が図られました。また、この時期、車のボディニーズがセダンからミニバンへと徐々に移行。8代目カローラは逆境のなか、モデルライフをスタートさせることとなりました。
徹底した軽量化とローコストを実現した8代目カローラ
7代目カローラが目指した「大衆車の頂点を目指す」というコンセプトは、車の品質・性能を非常に向上させた半面、車体は重くなり価格は高価となりました。そのため、8代目カローラは時代に則した各部のコスト見直しを図り軽量化。ボディサイズは若干大きくなったにもかかわらず、セダンの車両重量では最大50kgの減量に成功したのです。カローラ 110系のボディバリエーションは、4ドアセダンと2ドアクーペ(カローラ レビン)に、先代モデル仕様となるワゴン・バン、ミニバン仕様の派生車種スパシオが追加されました。
主力となるセダンのボディデザインは、曲線を帯びながら引き締まった印象で、キャビンは乗降りがしやすく居住性の高さを意識したものとなりました。また、1997年に実施されたマイナーチェンジではボディデザインが大幅に見直され洗練されたものに。バンパーはカラード化され、ヘッドランプにはマルチリフレクターが採用。リアではテール・フェンダー形状が変更され、ラグジュアリー感をアップさせたのです。
8代目カローラ 安全性能の飛躍的向上。ボディはGOA採用
8代目カローラのエンジンは当初、ガソリン仕様が1.3L 直列4気筒DOHCの4E-FE型、1.5L 直列4気筒DOHCの5A-FE型、1.6L 直列4気筒DOHCの4A-FE型がラインナップ。ディーゼル仕様が2L 直列4気筒SOHCの2C-Ⅲ型がラインナップし、最高出力は4E-FE型が88ps、5A-FE型が100ps、4A-FE型が115ps、2C-Ⅲ型が73psとしています。駆動方式はFFとフルタイム4WDが採用され、サスペンションは4輪ストラット式の独立懸架としました。
その後、エンジンラインナップにスポーツグレードとなる1.6L 直列4気筒DOHCで20バルブの4A-GE型(最高出力165ps)が復活し、ディーゼル車のエンジンを2.2L 直列4気筒SOHCの3C-E型に置換。ミニバンであるスパシオが1.6Lの4A-FE型と、1.8L 直列4気筒DOHCの7A-FE型のラインナップで追加されました。
8代目カローラは安全性能が飛躍的に向上。当初は先代でも採用されたフルラップ衝突対応「CIAS(サイアス)」をさらに進化させ採用。1996年には前席にSRSエアバッグが全車標準装備となり、1997年のマイナーチェンジに合わせ、ボディを衝突安全構造である「GOA」に変更。グローバルモデルとして主要国の安全基準をクリアしていったのです。セダン人気に翳りが見えるなか、8代目セダンシリーズは2000年に販売が終了。9代目にバトンタッチとなりますが、カローラレビンなどスポーツグレードは残念ながら廃止となったのです。
8代目カローラは流通量は比較的多めで、価格にばらつき
8代目カローラはゴージャス仕様の7代目などに比べ、簡素化された仕様でもあり価格は低め。現在流通するのは殆どが後期型で、復活したGT系が他グレードより高い傾向にあり、価格は25万~110万円となっています。(2020年1月時点)
トヨタ 8代目 カローラ 110系のスペック詳細
下記のスペックは1995年発売のカローラ 4ドアセダン 「SE サルーン」のものです。
- エンジン:1.5L 直列4気筒DOHC(5A-FE型)
- 最高出力:100ps/5,600rpm
- 最大トルク:14.0kg・m/4,400rpm
- ボディサイズ:全長 4,285mm 全幅 1,690mm 全高 1,385mm ホイールベース 2,465mm
- 車両重量:1,010kg
- トランスミッション:4速AT/5速MT
- 駆動方式:FF
- 乗車定員:5人
- 新車時車両価格:-
*本記事の画像は2019年9月にMEGA WEB トヨタ シティショウケースにて開催された新型カローラ・カローラ ツーリング メディア発表会にて撮影
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本日の在庫数 492台 平均価格 205万円 支払総額 50~473万円
- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理