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高級SUV風やGRMNよりやっぱりコッチがいいかも?30年続いた“初代”トヨタ センチュリー【推し車】

GRMNや5ドアもいいけれど、やはり本筋は重厚な4ドアサルーン?

1967年デビュー当時の初代センチュリー初期型(VG20)

現行型ではトヨタの社長専用車とはいえGRMNバージョンを、さらについ最近は高級SUVにも見える5ドアモデルを発表するなど新時代への生き残りをかけた改良が続く、トヨタの、そして今や国産車全てのフラッグシップ・モデルと言えるセンチュリー。

一方で従来からの4ドアサルーンは、用途が限られることからムダ使いの象徴という声も高まり、公用車でも法人でもやや敬遠され気味です。

しかし初代から変わらぬ独特の威厳によって、今でも街でセンチュリーを見かけると一目置いてしまうクルマ好きも多いのではないでしょうか。

今回は、MOBY編集部がAIに聞いた「30〜50代のクルマ好きが気になる名車」にもエントリーされている、初代センチュリーを振り返ります。

クラウンエイト後継で作りに作って30年!

初代センチュリー初期のカタログ表紙

1990年頃の話なら、「自動車界のシーラカンス」と言えば22年販売された三菱の初代デボネア(1964-1986)を指しましたが、その頃まだ販売されていた初代トヨタ センチュリーもかなりの長命で、1967年から1997年と実に30年もの超ロングライフ!

ランドクルーザー70のように2023年でデビューから39年という例もあるので、初代センチュリーが特別というわけでもなくなりましたが、それでも高級セダンでそれだけ作った国産車はありません(他には27年作った日産のY31セドリックくらい)。

もともと、1960年代に戦前からのアメ車信奉から脱却すべく、政府や官公庁、大企業向けの公用車となる国産車を各社が作っていた頃に、トヨタからも国産初のV8エンジン搭載市販セダンとして「クラウンエイト」(1964年)を発売。

しかし名前の通り2代目クラウンの見た目そのままに拡大して2.6リッターV8エンジンを積んだようなクルマだったので、1965年に日産が4リッターV8エンジンを積み、完全新規デザインの初代センチュリーを発売すると、少々見劣りするようになります。

そこで心機一転、当時の流行りだったアメリカやヨーロッパの影響を受けない純和風で重厚なデザインを構築し、「鳳凰」をシンボルとした超高品質サルーンとして1967年にクラウンエイト後継で発売されたのが、初代センチュリーです。

当時としては先進、高品質にして重厚

白いセンチュリーというのも、黒とは異なった威厳を感じさせたというか、見ると「黒じゃない!」とギョッとした

2023年現在では保守的に見えるデザインですが、発売当時は外国車に似ておらず、それでいて当時の国産車としてはワイド&ローでとても洗練された伸びやかなデザイン、高い精度で組み立てられたボディ、品質の高い塗装や内外装と、かなり先進的なクルマでした。

メカニズム面でも、リンケージをエンジン上に通してフロントサスのアッパー部から操作する複雑で整備性の悪いステアリング機構(初期型)こそやり過ぎでしたが、フロントのエアサスやシーケンシャル式のリヤ・ターンシグナルランプなどは斬新。

今では当たり前な室内トランクオープナーやエアコン、空気清浄機、パワーウィンドー、オートクルーズ、パワーシートといった先進装備も標準またはオプションで実装され、静粛性や快適性に優れた後席最重視のショーファー・ドリブンカーとして高い評価を受けます。

それらは時代とともにバージョンアップしていきますが、デザイン面でも装備面でも先進性があったために、30年という長いモデルライフの中でも、最後まで陳腐化することはありませんでした。

排気量の拡大やリムジン追加など、時代に合わせた改良も

黒以外のセンチュリーは民間の法人向けでは案外多かったようで、この初代後期型(VG40)もそのうちの1台…しかも海外で利用されているが、さすがにキレイに使われている
flickr.com Author:GPS 56 CC BY-SA 2.0

もっとも、全てが1967年デビュー当時のままというわけではありません。

当初はオーナードライバー向けも想定した、フロアシフト4速MTで前席がベンチシートではなく左右独立のセパレートシート、タコメーターも標準装備だった「Aタイプ」もありましたが、ショーファードリブンカーに専念するためかごく初期で廃止。

複雑なステアリング機構と、それに接続したダブルトレーリングアーム式フロントサスは通常のステアリング機構とストラットサスへ、リアサスも一般的なものへ改められたうえで、乗り心地などには悪影響を与えないように配慮されています(整備性はむしろ向上)。

クラウンエイトの拡大版だった3リッターV8エンジンも、排ガス規制に対応しながら十分な動力性能を確保すべく、1973年に3.4リッター、1982年に4リッターへと拡大。

モデル後半も半ばを過ぎた1989年にはホイールベースを延長して室内長を650mm拡大、後席ドアを前後に150mm拡大し、前後席間へ電動パーティションを備えたリムジン仕様も追加されました。

デザインも1982年の改良で奥まっていたフロントグリルが前進&大型化するなどフロントマスクの印象が大きく変わり、おそらくこの型(初期のVG20に対しVG40型)で、「センチュリーのイメージ」として記憶している人が多いかもしれません。

1997年には2代目へと変わりますが、細部がスッキリして5リッターV12エンジンになったのみで、「モデルチェンジしてもセンチュリーらしさはそのまま」と、安心したものです。

2018年からの3代目で外観は大きく印象が変わったものの、「初代や2代目のセンチュリーの方が、重厚感があってよかった」と思う人、結構いるのではないでしょうか?

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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