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トヨタの名機エンジン「1JZ-GTE」とは?搭載車種を全てご紹介!
トヨタの1JZ-GTEってどんなエンジン?
1JZ-GTEエンジンは、ヤマハ発動機が設計し、トヨタの供給していた直列6気筒2500ccのターボエンジンです。このエンジンのルーツは、トヨタ2000GTにも搭載されたM型がルーツにあり、生粋のスポーツエンジンでもあります。
トヨタのスポーツエンジンは、ヤマハの手が入ることが多く、トヨタ2000GTのM型エンジンはヤマハと共同開発されたというのは言わずもがな、2T-G、4A-G、3S-Gといったエンジンも同様で、1JZもその中の1つです。
1JZ-GTEは、1990年にデビューしたA70型スープラや、X81型マークⅡ・クレスタ・チェイサーに搭載されました。当時の1JZエンジンにVVT-iという可変バルブタイミングは非装着で、A70のツインターボRや、X81のGTツインターボというグレード名からわかるように、タービンを2基搭載したエンジンでした。
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当時の1JZ-GTEは、国内馬力自主規制いっぱいの280ps/6200rpm、トルクも37.0kg・m/4800rpmというスペックで、最大トルクが発生する回転数がやや高く、圧縮比8.5というやや低圧縮エンジンです。そのツインターボエンジンは、2JZで採用されたシーケンシャルターボのような動作はせず、常時2基稼働するという旧世代的ないわゆるドッカンターボエンジンだったのです。
初期の1JZ-GTEは、X90型のマークⅡ・クレスタ・チェイサーにも搭載され、そのグレードをツアラーVとし、このモデルが人気車種ツアラーVの元祖となります。1barを超えるハイブーストにノーマルでも耐えられるエンジン(例えば単純計算だと、2500ccで1barはターボが無くても吸い込むエンジンに、+1barしたらほとんど5000ccと変わらない)と、多気筒特有の爆発間隔の短いエキゾーストサウンドは、モデルチェンジをしたX100型でも健在でした。
しかし、VVT-iを搭載した後期モデルの1JZ-GTEですが、タービンもツインターボから、シングルターボに変わります。それの特性を活かすために、サージタンクのつながる空気吸入側の形状や、エキゾーストマニホールドにつながる排気側の穴の形状も変わります。
VVT-iは、可変バルブタイミングシステムという意味ではVTECと一緒ですが、その仕組みは切り替え型のVTECに対し、バルブオーバーラップを無段階変化させる位相型の可変バルブタイミングシステムです。
それらを合わせたエンジンは、電子制御のシーケンシャル駆動の低回転から使えるタービン、VVT-iの可変バルブタイミングと合わせて、低回転のトルクを補いマイルドなエンジンに仕上がっています。
実際にスペックは、最大出力280ps/6200rpm、トルクも38.5kg・m/2400rpmになっており、最高出力をそのままに、最大トルクをアイドリングから1500rpm回したくらいで出力するエンジンという意味で、初期の1JZ-GTEとは異なるマイルドな性格のエンジンです。
また、初期より1JZに採用される、回転軸をしっかり出しやすいフルカウンタークランクシャフトは、RBやVTECエンジンに採用される重量を意識したセミカウンタークランクと異なり、エンジンレスポンスは若干落ちるものの、シルキー6と呼ばれるBMWのような質の高いエンジンに仕上がっているといえます。
また、X110型になると、ヤマハ製タービンを搭載した限定仕様のフォーチュナーや、クラウンアスリートVXは、300psまでパワーアップし、トルクも40kg・mとさらなるパワーアップを果たしたモデルも存在します。
これらにより根強いファンを獲得した1JZ-GTEは、1990年代から2000年代初頭にかけて、ソアラやクラウン、マークⅡ・クレスタ・チェイサー、そしてスープラなどに搭載され、日産のRBやSR、ホンダのB16やC30、マツダのロータリー、スバルのEJ、三菱の4G6など、当時の人気スポーツエンジンの仲間入りを果たします。
こうして考えると、この頃は今よりも、個性的なスポーツセダンやスポーツカーが多かったようです。ライバルの多いこの中で、国内外問わず人気の出たこれらのエンジンは、日本自動車文化の誇るべき産業遺産ではないでしょうか。
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YAMAHAの刻印
1JZ-GTEにはヤマハが設計した証、YAMAHAの刻印がパーツに施されています。部品をトヨタ工場で生産し、設計、開発や組み立てをヤマハが担当していたことをユーザーが感じ取れる部分でしょう。そして、トヨタとヤマハの長きにわたる関係を示す証でもあります。
トヨタとヤマハの関係は1967年、トヨタ2000GT時代までさかのぼります。現在では市場価値が2,000万から4,000万円とか、オリジナルであれば数億円でも買う人がいるといわれ、映画007のボンドカーにも採用された、元祖日本のスーパーカーといっても良いでしょう。
この3Mと呼ばれるエンジンはヤマハ製で、日産のS20などと同様で、レーシングカーのエンジンを少しデチューンしただけで、市販車に搭載したクルマでした。
そんな時代が長く続くわけもなく、1970年を迎えた日本では、自動車排気ガス規制が強化されます。いわゆる「冬の時代」といわれる頃で、スカイラインのGT-Rが無くなり、DR30スカイラインRS-TURBOとしていたなど、とにかく自動車業界には苦しい時代を迎えます。
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その時代にもヤマハとトヨタは、2TというSOHCの1600cc直列4気筒エンジンを環境対策に適合させるべく、DOHCに変更し2T-Gとして、TE22セリカや、TE27レビン・トレノに搭載されたほか、セダンのラインナップの中心だった、カリーナなどにも搭載されました。そのエンジンは、80年代にかけ30万機以上製造されたといわれ、「DOHCのトヨタ」といわれる程になります。
その後も、2T-Gをルーツにもつ4A-Gや、18R-Gをルーツにもつ3S-Gなど、ヤマハとトヨタの関係は長きに続いていきます。そして1JZも、その中の1つなのです。
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1JZ-GTEのエンジンサウンド動画
トヨタの名エンジン「1JZ-GTE」のスペック
■第1世代1JZ-GTEスペック
種類 インタークーラーツインターボ
排気量 2500cc
出力 206kW(280PS)/6200rpm
トルク 363N・m(37.0kg・m)/4800rpm
■第2世代1JZ-GTEスペック
種類 VVT-iインタークーラーターボ
排気量 2500cc
出力 206kW(280PS)/6200rpm
トルク 378N・m(38.5kg・m)/2400rpm
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...