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プジョー 308 ディーゼルに試乗!燃費と走りや内装の質感などは評判通りか徹底検証!
目次
プジョー308に搭載される「BlueHDi」ディーゼルとは
2016年8月からPSAグループは革新的なクリーンディーゼルの「BlueHDi」を日本市場に導入を開始しました。
すでに限定販売されたグランドC4ピカソ・フィールBlueHDi(本格導入は今春から)を含め、シトロエンC4、DS4、プジョー308、同508などにこのディーゼルエンジンが搭載されています。
BlueHDiのラインナップは1.6L4気筒SOHCターボディーゼル(最高出力:120ps/最大トルク:30.6kg-m)、2L4気筒DOHCターボディーゼル(同150ps/37.7kg-m)。同じく2L4気筒DOHCターボディーゼル(同180ps/40.8kg-m)の3タイプとなります。
このうちプジョー308に搭載されるのは1.6Lと2Lの高出力版となります。
BlueHDiはクリーンディーゼル
このエンジンは酸化触媒装置・SCR(選択還元触媒)・DPF(微粒子フィルター)の3つの排気制御メカニズムを搭載し、ディーゼルの排ガスに含まれる排気汚染物質を大幅に削減することに成功しました。
同じ性能のガソリン車と比較した場合、CO2排出量は15%低減し、燃費性能は25%も改善されます。
SCRに尿素を使用することで、NOx(窒素酸化物)は90%を削減。
さらに、SCRをDPFのエンジン側にレイアウトしたことで、エンジンの冷間始動時から迅速にNOx(窒素酸化物)の除去が可能となり、DPFの効率を高めています。
その結果、欧州の排ガス基準Euro6と日本のポスト長期規制の両方に適合。
エコカー減税が100%適用されます。
優秀なトランスミッション
クリーンディーゼルのBlueHDiに組み合わされるトランスミッションは、PSAグループ自慢の6速EAT(エフィシェント・オートマチック・トランスミッション)です。
このトランスミッションはギアボックスそのものを小型軽量した上で、全体をハイギアード化して静粛性を向上。
エンジンパワーを無駄なく使うために、ロックアップ領域の拡大によりロスを減らし、ダイレクトなレスポンスと燃費の向上をも実現するという優れもの。
さらに、マニュアルモードのシフトスピードも向上させたことにより、パドルシフトを積極的に操作してスポーティなドライブも楽しめます。
- 最新「308」中古車情報
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本日の在庫数 300台 平均価格 2,033万円 支払総額 1,865~2,315万円
プジョー308ディーゼルに試乗
今回はそんなプジョーBlueHDi搭載車の中からもっともベーシックな1.6L直列4気筒SOHCディーゼルエンジンを搭載する308Allure(アリュール)BlueHDiに試乗しました。
試乗距離は700kmほどで、試乗コースは市街地3割・高速道路4割・峠道3割の割合です。
308Allure(アリュール)BlueHDiのスペック
全長:4,260mm
車幅:1,805mm
車高:1,470mm
ホイールベース:2,300mm
車重:1340kg
排気量:1,560cc
エンジン:直列4気筒SOHCターボディーゼル
最高出力:126ps/3,500rpm
最大トルク:30.6kg-m/1,750rpm
燃料噴射装置:電子制御式燃料噴射
トランスミッション:6AT
サスペンション(前):マクファーソン式ストラット
サスペンション(後):トーションビーム式
新車価格:299万円
試乗する際の注意ポイントはこちらの記事
プジョー308ディーゼルの外装
プジョー308のスタイリングは、妹分の208と共通のテーマでデザインされていますが、サイズが大きくなったことでより伸びやかでエレガントな印象を受けます。
最近のプジョーがアイデンティティとしている立体的なフローティンググリル、キャラクターラインを頂点としてエッジをつけ抑揚を与えたボディサイド、リアウインドウを上下方向に圧縮し、それと対をなすようにボリュームを持たせたリアバンパーなどにより、プジョー308は大衆車クラスでありながらデザインコンシャスなクルマに仕立てられています。
こうしたスタイリングに対するこだわりは欧州車ならではのもの。
ボディパネルのプレスに手間もコストも掛かるため、生産コストを最優先で考える国産車ではこうしたスタイリングはまず見られません。
じつは日本車のスタイリングが「つまらない」と言われている大きな理由は、エクステリアデザインにお金をかけていないからなのです。
プジョー308ディーゼルの内装
プジョー308は208から採用された小径ステアリングホイールとその上から除くメーターパネルが特徴になっています。
ダッシュボードのデザインはシンプルなラインで構成されていますが、その造形はアバンギャルド。
最初はデザインのためのデザインかとも思いましたが、ナビやスイッチ類は操作しやすく、意外や機能性に優れています。
ただし、筆者のような座高の高い(つまり足が短い)ドライバーの場合だと、小径のステアリングコラムの角度を合わせるとメーターパネルがステアリング上端に少し隠れてしまいます。
プジョー308のシート
308のシートはホールド性はまずまずなのですが、筆者が日常のアシに使っていているプジョー306カブリオレ(先々代モデルに当たります)に比べると座り心地はやや固めです。
これはこれで長距離ドライブでも疲れ知らずの良くできたシートなのですが、フランス流のふわっと優しく身体を包み込む柔らかいシートに親しんできた身としてはちょっと違和感を覚えます。
ただし、先代308のドイツ車をお手本にしていたような硬いシートに比べると、表層部分のクッションは当たりの柔らかいものに変わっていました。
プジョー308ディーゼルの走り
ドライバーズシートに座りスタートボタンを押してエンジンをかけます。
ディーゼルエンジンということで気になるのがエンジンノイズですが、プジョー308はアイドリング時に多少コロコロとディーゼルノイズを発するものの、静粛性は非常に高く、走り出してしまえばまったく気にならないレベルです。
ディーゼルエンジンとしては驚異的に静かと言えます。
プジョー308に搭載されるBlueHDiはディーゼルらしく、下から太いトルクを発生させます。
アクセルを軽く踏んだだけでクルマがスッと加速して行き、ターボ車と言うことを考えても1.6Lという排気量をまるで感じさせません。
もちろん、勾配をスロットル全開にしてフル加速・・・などと言うシチュエーションでは、もう少しパワーが欲しくなりますが、街乗りや高速巡航では必要にして充分なパワーがあります。
しかも、エンジンフィールがディーゼルとは思えないほど滑らかで、回転の上昇とともにトルク感は落ちますが、
高回転までスムーズに回ります。
ただ、実際には高回転域を使うことはほとんどなく、実用化移転域は2,000〜3,000回転ほどでほとんど賄えてしまいます。
BlueHDiはコンベンショナルな技術で作られたディーゼルなのですが、マツダのスカイアクティブディーゼルに比べてエンジンフィールやトルクの出方などで半歩プジョーがリードしているかの印象です。
プジョー308のサスペンションとボディ
↓プジョー308のアルミホイール
プジョー308のサスペンションはストロークがたっぷりとしたしなやかなもの。
タウンスピードでは乗り心地がよく、高速巡航時には素晴らしい安定性を見せ、峠道ではFF車のセオリーに従ってコーナー手前でしっかりと荷重移動をしてやるとキビキビとした走りを見せてくれます。
使い古された表現ですが、プジョー伝統の「猫足」健在と言った感じです。
シャシーの剛性感は現行型ゴルフほどではありませんが、それでも旧来のプジョーに比べて強化されており、良くできた足回りと相まってドライバーの意のままにクルマを操ることができます。
個人的にはドイツ車の固められた足回りよりも、308のソフトながらよく粘る足回りのほうが好ましく感じます。
プジョー308ディーゼルの燃費性能
費性能は素晴らしく、700km走破(高速5割・一般道3割・峠道2割)してガス代は4,000円でお釣りが来ました。燃費性能を意識しなくても平均燃費は20km/Lを超えています。
言うまでもなく軽油はガソリンよりも安いので、感覚的には同クラスのガソリン車よりの3/5程度のガス代で済みます。
エコドライブを心がければさらに低燃費となることは間違いがなく、プジョー308 BlueHDiはエコカーとしても素晴らしい性能を持っています。
ちなみにプジョー308Allure BlueHDiは窒素酸化物を除去する選択還元触媒に「AdBlue(アドブルー)」と呼ぶ尿素水溶液を使います。
ラゲッジルームの下のスペースに尿素水溶液タンクが備わり、1年もしくは1万kmごとに販売店で点検・補充することになります。
1回の補充費用は5000円くらいになるそうです。
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの燃費比較はこちらの記事
プジョー308ディーゼルの評判
↓プジョー308のトランクルーム
ネットでプジョー308の評判を見たところ、概ね良好なようです。
とくに評価する声が多いのが、やはり燃費性能です。平均すると20〜23km/Lをマークしているようで、カタログ燃費(10・15モード燃費:21km/L)を凌駕するのには驚きです。
ほかにも走りの良さ、乗り心地、実用性の高さが評価されているようです。
ただ、プジョー308のスタイリングについては賛否がありました。
イヤミのないスッキリとしたスタイリングについては否定的な声は少なかったのですが、「プジョーらしい個性がもう少し欲しい」という意見は少なからずありました。
たしかに最近のプジョーは万人に受け入れられる好ましいスタイリングなのは良いのですが、どこか無国籍風でプジョーらしいアイデンティティに欠ける嫌いがあるのも事実です。
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本日の在庫数 300台 平均価格 2,033万円 支払総額 1,865~2,315万円
プジョー308ディーゼルは万人にオススメできる車!
↓プジョー308SW BlueHDi
プジョー308 Allure BlueHDiについてのまとめ記事はいかがでしたでしょうか?
プジョー308 Allure BlueHDiは1.6Lモデルなら300万円を切るお手頃な価格です。
この価格ならプリウスに比べても充分競争力があります(少なくともドライバビリティの面ではプリウスなどのハイブリッドカーを凌駕しています)。
走り良く、快適で、優れた経済性を持つプジョー308Allure BlueHDは、輸入車ファンだけでなく、エコカーの購入を考えている人にも積極的にオススメできます。
ファミリーカーとして使うのにもう少しラゲッジルームが欲しいという人にはプラス24万円でワゴンボディのプジョー308SW Allure BlueHDiもあります。
こちらもオススメです。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...