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【日産 エクサ キャノピー】斬新さ断トツ!変幻自在のリアハッチ
目次
エクサ キャノピーの変幻自在なボディ
日産 エクサは1986年のデビュー。パルサーが3代目N13型へモデルチェンジするのを受け、クーペボディのみを別モデル「エクサ」として独立させる形で誕生することとなりました。なかでもエクサ キャノピーは、リアハッチ部がワゴン形状となるタイプです。
エクサ キャノピーのデザインは、フロントはグリルレスでリトラクタブル・ヘッドランプをもつクーペ同様、スポーティな印象。リアでは基本を透明なサイドガラスがルーフにまで回り込む形となるグレー基調のキャノピー(リア部分を覆う囲い)が、従来のステーションワゴンとは一味違う印象を醸します。また、リアコンビネーションランプはダイアゴナルスリットと呼ばれる斜め枠が配されました。
さらに斬新な点は、リアハッチ部が着脱可能なこと。日本では法規上実施されませんでしたが、アメリカで販売されたモデルではクーペとキャノピーでリア部のコンバート(交換)も可能としたため、クーペ・クーペ+Tバーオープン・キャノピー・キャノピー+Tバーオープンといった自由自在のボディバリエーションを楽しむことができたのです。
エクサ キャノピーにも採用!リトラクタブル・ヘッドランプとは
消灯の際には車体内部に格納されているランプが、点灯時のみ外部に突起あるいは反転し出現するものを「リトラクタブル・ヘッドランプ」と呼びます。70年後半から90年にかけて、スポーツカーを中心に採用されることが多く、エクサ キャノピーにも採用されています。
リトラクタブル・ヘッドランプを初採用したのはアメリカのコード社が生産したモデル 810。60年代に入るとシボレーのコルベット スティングレー(2代目C2型)や、ロータス エランが採用。さらに70年代のスーパーカーブームでフェラーリ 512BBやランボルギーニ カウンタックに採用されたことで一躍認知され、そのデザイン性の高さから「高性能スポーツカーといえば リトラクタブル・ヘッドランプ」というイメージを確立しました。
日本では1967年にトヨタ 2000GTが初採用。70年代にはマツダ サバンナ RX-7が、80年代には日産 エクサやフェアレディZ(Z31型)、ホンダ プレリュードなどが次々と採用しました。
しかし現在では、衝突時の対歩行者保護の点で突起が危険であること、コストが高いこと、点灯時の空気抵抗増大などの問題点から、リトラクタブル・ヘッドランプを採用するモデルはありません。
エクサ キャノピーはDOHCエンジン搭載でスポーティ
エクサ キャノピーのグレードは当初、ノーマルグレードとなる「タイプ A」とパワーウィンドウ・集中ドアロック・専用アルミホイール装備の「タイプ B」がラインナップ。1987年以降にはL.A.バージョンシリーズが追加されました。(この記事で使用する画像のグレードはエクサ キャノピー タイプ Bです)
エンジンは、1.6L 直列4気筒DOHCのCA16DE型で駆動方式はFF、サスペンションではフロントがストラット、リアをパラレルリンクストラット式とし、最高出力は120PS/6,400rpmを達成。ツインカムエンジンが持つ吹け上がりの良さを感じるスポーティな仕上がりとしました。
今では超稀少!遊び心満載のエクサ キャノピー中古車価格
残念ながら国内では着せ替えは実現できませんでしたが、エクサ キャノピーの着脱可能なリアハッチは当時大きなインパクトを与えました。しかしやはり少し斬新すぎたのか、発売時は販売が思うように伸びず、今では流通することも貴重な超稀少モデルとなっています。現在流通するのは専用装備付きとなるタイプ Bで73万円となっているようです。(2019年9月時点)
- 最新「エクサ」中古車情報
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本日の在庫数 3台 平均価格 252万円 支払総額 159~399万円
日産 エクサ キャノピーのスペック詳細
・エンジン:直列4気筒DOHC(CA16DE型)
・最高出力:120PS/6,400rpm
・最大トルク:14.0kg・m/5,200rpm
・ボディサイズ:全長 4,230mm 全幅 1,680mm 全高 1,295mm ホイールベース 2,430mm
・車両重量:1,080kg
・トランスミッション:5速MT/4速AT
・駆動方式:FF
・乗車定員:4人
・新車時車両価格:-
撮影:宇野 智(MOBY)
※2019年6月、日産自動車がメディア向けに開催した、神奈川県座間市にある「日産ヘリテージコレクション」の取材会にて撮影
- 執筆者プロフィール
- 石黒 真理