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eペダルとは?日産の新技術e-Pedalのメリットとシステムや操作の違いを解説!
目次
日産新型リーフには新機能e-pedal(Eペダル)が搭載
日産新型リーフ
日産自動車は2017年9月6日に新型リーフを公開しました。
ゼロ・エミッションのEVは環境に優しいことはもちろん、モーターによるパワフルな加速が魅力です。
新型リーフに搭載される先進技術で注目したいのは、e-Pedal(イーペダル)です。
Eペダルとは一体どんなシステムなのでしょうか。
ブレーキ不要!アクセルペダル操作のみで運転可能なEペダル
e-pedal(イーペダル:以下 Eペダル)は、1つのペダルのみで車の加速・減速・停止が可能な操作システムです。
ここでいうペダルとはアクセルペダルのことで、アクセルペダルのみでのこの走行は通称「ワンペダル走行」と言われています。
新型リーフのEペダルのコマンドスイッチを押すと、アクセルペダルにEペダルとしての機能が加わります。
Eペダルがオンの状態であれば、運転手はEペダル(アクセルペダル)だけで加速や減速、停止することが可能です。
ドライバーは右足でEペダルのみを操作するだけで運転操作することができ、今までのブレーキペダルに足を移すことはなくなります。
Eペダルについて作動手順を①~④の順で解説すると
①Eペダルボタンを押す。
②アクセルペダル(Eペダル)で加速。
③アクセルを緩めると減速状態へ移行。
④アクセルを完全に緩め停止状態となると停車を維持。
以上のような使い方になります。
ワンペダル走行を実現!ブレーキペダルはあくまで補助的な存在
Eペダルは、運転の90%をカバーすることが可能です。
ゆえに運転時に右足のほとんどをアクセルペダルに添えるのみです。
ブレーキペダルは存在するがあくまで補助的な存在となります。
通常、信号待ちなどの停車時は、シフトノブをドライブ(D)に入れた状態でブレーキを踏んでおきますが、Eペダルモードにしておけば停車時にブレーキを踏んでおく必要はありません。
坂道での停車時も、ブレーキペダルを踏んでいない状態でタイヤにブレーキをかけた状態を維持してくれます。
もちろん、シフトノブはドライブのままで問題ありません。
この機能により、ストップ&ゴーの多い市街地や渋滞時の走行が楽になり、ドライバーの負担を減らすことができます。
Eペダルとe-POWER Driveとのシステムの違いは
日産ノートe-POWER
日産は、すでにアクセルペダルのみで運転可能な「e-POWER Drive」をノートe-POWERに搭載しています。
このe-POWER DriveとEペダルの違いは何なのでしょうか。
e-POWER Driveとは?
e-POWERには、さまざまな走行シーンに合わせて「NORMALモード」とe-POWER Driveが作動する「Sモード」「ECOモード」の走行モードを選ぶことができます。
e-POWER Driveは通常走行よりも減速を強めに、または早めに行うことができ、ブレーキを踏む回数を減らすことができます。
SモードとECOモードでは、アクセルペダルを戻すだけでNORMALモードに対して強く減速をします。
これにより渋滞時やカーブの多い道路など頻繁に加減速が必要なシーンでアクセル・ブレーキペダルの踏みかえを減らし、ドライバーの運転をサポートします。
また、停車時からアクセルを放した時のクリープ状態に関しては、NORMALモードがガソリン車と同様にクリープし、「Sモード」「ECOモード」はブレーキを踏んでから戻すとクリープが始まります。
クリープとは
クリープとは、オートマチック車でエンジンがアイドリング状態にある時、シフトレバーがドライブ(D)やR(リバース)の位置にあると、アクセルを踏まなくても車がゆっくりと動き出す現象のことです。
e-POWER DriveとEペダルの相違点
e-POWER DriveもEペダルもいわゆる「ワンペダル走行」が可能であると謳っていますが、加減速機能や停止機能はEペダルの方が勝っているといえます。
これは、e-POWER Driveがモーターの「回生ブレ-キ」のみで減速を行うのに対し、Eペダルはモーターの「回生ブレーキ」と通常の「油圧ブレーキ」の2つで車を制御するという違いがあるためです。
Eペダルでは路面の滑りやすさなど状況に応じて、モーターとブレーキを併用するため、4輪全てに制動力を生じさせることができます。
対してe-POWER Driveはモーターのみが作動するため前輪のみでの制動となり、Eペダルよりも車速が落ちにくい側面があります。
Eペダルはe-POWER Driveの高性能版と考えるとよいでしょう。
日産ノートe-POWERについての記事はこちら
Eペダルのメリットとデメリットは
これまでの解説で、Eペダルは革新的なシステムで良いこと尽くめのように思えます。
その中でも大きなメリットは、フットブレーキをするという過程がなくなることで、カーブの多い道でのブレーキングや渋滞時や信号でのストップアンドゴーでドライバーの負担が格段に減らすことができることです。
しかし、すべての減速操作を車に任せるのは危険です。
Eペダルのデメリット
Eペダルのデメリットとして挙げられるのは、万が一に道路脇から歩行者が飛び出してきたときや、ワイディングで野生動物が飛び出してきた時など、いざというときのブレーキ操作を人間ができるかという点です。
そういった場合は、備え付けのブレーキペダルを踏めば急ブレーキとなりますが、車の運転をする上で人間がフットブレーキを行うことを長期間しなければ、アクセルペダルのみの操作に慣れきってしまい、いざというときブレーキ操作を即座にできるかということに、いささか不安感があります。
危険回避における急ブレーキ操作もEペダルシステムに組み込まれていれば良いのですが、すべてを車側で制御するのはまだ難しいでしょう。
Eペダルを利用する場合も、万が一に備えていつでもブレーキを踏めるようにしておきましょう。
日産のプロパイロットについてはこちら
安全装備/自動ブレーキについての記事はこちら
高性能な運転支援システムが事故ゼロへの道筋を開く
日産リーフ
アクセルペダルだけで加速・減速・停止すべてができてしまうEペダルは、ドライバーの負担を減らし、事故の抑制になるための素晴らしい技術です。
近年、予防安全装備や自動運転技術・運転支援システムの進化が顕著ですが、日本メーカーもここまできたかというほどの驚きを感じます。
高齢者の事故や、ドライバーの急な体調変化による交通事故のニュースをしばしば目にしますが、Eペダルはそういった事故の減少に大きく貢献できます。
いずれは事故のない社会へ近づくために、Eペダルは大きな一歩となるでしょう。
国内自動車メーカー各社の安全装備についてはこちら
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...