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名機・4G63ターボの最後を飾った!第3世代最後にして最強マシン・三菱 ランサーエボリューションIX MR【推し車】

ランエボ最強にして、名機4G63ターボの最後を飾る

名機4G63ターボをMIVEC化した最終進化系モデルを積むエボIX MR / エボワゴンMRが、実質的にランエボの究極進化と言えるだろう…高級高性能GTグレードもあるエボXも価値は高いが、同じ土俵で戦闘力を競うポジションのクルマではない

MOBY編集部がAIに聞いた、「30〜50代のクルマ好きが気になる名車」に歴代モデルがノミネートされた、三菱 ランサーエボリューション、通称「ランエボ」。

その中でも純粋な4WDターボスポーツとして、おそらくは「最強」であろうモデルが、最後のランエボIXおよびIX MRです。

次のエボXはベースモデルが大きく重くなり、JAF公認競技でも最低重量を軽くするハンデを設けなければ「最新の競技車両」として通用しないとみなされた経緯もあり、事実上エボIX / IX MRが最強と考えてもよいでしょう。

そしてこのマシンは、三菱が誇った名機・4G63ターボの最後を飾るモデルでもありました。

第3世代ランエボ、「終わりの始まり」へ…ランエボIX

ブーレイ顔の富士山グリルを廃したエボIX

車格アップしたギャランに代わる、国際ラリー用主力マシンとして急造された第1世代(4代目ランサーベース)、最強のグループAマシンへと成長した第2世代(同5代目ベース)、そしてWRCから事実上切り離された第3世代(同6代目ベース)。

「ランサーエボリューション」、通称「ランエボ」は、エボVI TM(トミ・マキネン・エディション)やエボVII GT-Aも含めて12台目となる「エボIX(9)」が2005年3月に発売されますが、先代エボVIII(8)/VIII MRから大幅な進化を遂げていました。

やはり冷却性能が懸念されていたフロントグリルの「ブーレイ顔」は廃され、空力・冷却性能のバランスが高い次元で取れている精悍かつ機能的なフロントマスクへと変更。

4G63ターボは吸気側の連続可変バルブタイミング機構のみながら三菱独自の「MIVEC」化、ターボチャージャーの改良で最大トルク発生回転数を500回転下げ(3,000回転)、コンプレッサーホイールをアルミ合金からマグネシウム合金化でレスポンスアップ!

6速MTは「GSR」のみとなったものの、容量に余裕のある5速MTを採用した競技ベース車「RS」および、新設定の「GT」では、歴代最強となる最大トルク41.5kg・m/3,000rpmを発揮し、一段とパワフルかつレスポンスの鋭い加速性能を得ました。

面白い試みとなったの新グレードの「GT」は、競技向けグレード「RS」のパワーユニットや駆動系を、一般向けグレード「GSR」の豪華装備を持つボディやタイヤと組み合わせたもので、RSの一般向け仕様とも、GSRの強化仕様とも言える中間グレードです。

エボVIIIのネガを潰してさらに進化し、新グレードも追加したエボIXは「究極のランエボ」に思えましたが、本当の究極はさらにもう半歩先にありました。

究極にして最強!ランエボIX MR

エボIX MRの競技向けグレード、RS…これぞ「最強のランエボ!」

2006年8月、エボVIII MRと同様に「MR(Mitsubishi Racing)」の名を得て登場した究極改良版「ランサーエボリューションIX MR」は、第3世代最後にして最強となる「究極のランエボ」でした。

次の第4世代「エボX」は車格アップしたギャランフォルティス(7代目ランサーの日本名)をベースにした大きく重いモデルで、高級・高性能GTセダン的なキャラクターでも売られたので、純粋なスポーツモデルとは言い難くなっています。

JAF公認競技の車両規則でも、エボXは車両最低重量を50kg軽くできるハンデを設けたほどでしたから、同じ土俵で戦えば加速・旋回性能ともにエボIX MRが最強と言ってよいでしょう。

エボIXからの具体的な改良点はわずかでしたが、ターボチャージャーのコンプレッサーホイールをアルミ合金製に戻す、あるいはマグネシウム合金製でも肉厚のものへ変更(オプションで選択)するとともに、コンプレッサー入口径の小径化など形状を変更。

カタログスペック上の変更はなかったものの、加速の立ち上がりが一段と鋭くなり、GSRで標準、RSでオプション(GTは設定されなかった)のアイバッハ製コイルスプリングで低められた車高などとともに、舗装路での戦闘力が向上していました。

他にはGSRのACDやスーパーAYCといった電子制御デバイスの制御変更もありましたが、輸出用のランサーEX2000ターボ(1981年)以来、スタリオンやギャランVR-4を経て歴代ランエボでも活躍してきた名機・4G63ターボの最後を飾る最終進化系でもあったのです。

ランサーエボリューションとして、そして4G63ターボとして究極の進化を遂げたランサーエボリューションIX MRは、発売から15年以上を経た現在も「最強のランエボ」として活躍し続けています。

耐久レースでも活躍、AT車もあったエボワゴン

国産ワゴンでは日産 ステージア260RSと並び、おそらく最強ということになるであろうエボワゴン

なお、エボIXにはランサーワゴンをベースにした歴代唯一のステーションワゴンモデル、「ランサーエボリューションワゴン」(2005年9月)および、同MR(2006年8月)も設定されました。

基本的にはランサーワゴンのフロントマスクや前後フェンダーをエボ仕様として、エボIX「GSR」の6速MTと「GT」のパワートレーンを移植したもので、スバル インプレッサスポーツワゴンWRX(2代目)にはSTIモデルがなかったので、当時のスポーツワゴンでは最強!

6速MTの「GT」と、5速AT(INVECS-II)のGT-Aが設定されてエボVII GT-A以来のAT限定免許ユーザーにも設定されたほか、長いルーフで有利な空力特性や、ワゴンボディでリアが重く前後重量配分に優れるメリットから、スーパー耐久レースにも投入されました。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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