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「ミニバンでもありSUVでもあり、そしてどちらでもない」ライバルなき唯一無二の存在!三菱デリカスペースギア【推し車】

「SUVミニバン」としてのイメージを盤石にしたスペースギア

初代オデッセイのように乗用車ベースのFF低床ロールーフミニバンが出る中、全て逆張りで迫力満点のデリカスペースギアのインパクトは強烈だった

コンパクトカーのデリカD:2(スズキ ソリオのOEM)があるなら、軽自動車版のデリカD:1があってもいいじゃない…と、eKクロス スペースを見ながら思っていたら、ビッグマイナーチェンジを機に「デリカミニ」を襲名。

パジェロミニすら思い出させて人気倍増のウルトラCで、三菱のしたたかさを感じさせましたが、その名がつく現行の三菱車では、もっとも「デリカ」ブランドのイメージを有効活用した例として、他メーカーの参考にもなるでしょう。

今回はその「デリカ」ブランドを盤石なものにしたイメージリーダー的SUVミニバン、1994年発売のデリカスペースギアを振り返ります。

最新「デリカスペースギア」中古車情報
本日の在庫数 101台
平均価格 137万円
支払総額 39~253万円

パジェロの土台を持つSUVミニバン、第2ステージへ

クロカンが似合うような場面でも全く違和感がなく、それでいて両側スライドドアの本格ミニバンなんて、三菱以外には作れなかった

1982年、初代デリカスターワゴンへ小型ボンネットトラック「フォルテ4WD」の4WDパワートレーンをフレームごと移植した4WDモデルを発売以降、「クロカンの土台を持つ1BOXワゴン」として、手堅い人気を誇った三菱 デリカ。

2代目(1986年モデルチェンジ)になっても、RVブームにも後押しされて1999年まで国内向け生産が続くロングセラーとなりましたが、1990年代前半には既に将来的な衝突安全基準、乗用車的な見栄えや快適性など、時代の変化への対応を求められます。

他社でも初代セレナ(バネットセレナ・1991年)のように、エンジンをフロントへ移動して短いボンネットを持つ、「セミキャブオーバー」スタイルの登場にも後押しされてか、1994年にモデルチェンジした4代目デリカもフロントエンジン車となりました。

ただし小型ボディやショートホイールベース、絶対的な積載性能の両立が求められる用途向けに3代目のバン/トラックおよび、2代目デリカスターワゴンは新たな衝突安全基準が適用される1999年まで継続(その後はマツダ ボンゴや日産 NV200バネットのOEM)。

乗用ワゴン版と、ボディを共用する商用バンの新型を並行販売することにして、3代目と区別するため前者は「デリカスペースギア」、後者は「デリカカーゴ」を名乗りました。

他には誰も真似できなかった、SUVとミニバンの完全融合

こんな場面が似合うミニバンなど、他にあるだろうか?こんな場面が似合うのに3列シートの快適性が高いSUVなど他にあるだろうか?

スターワゴンからスペースギアへ移行してもコンセプトは継続され、すなわちまだラダーフレーム式クロカンだった2代目パジェロ(1991年)からパワートレーンやフレームを移植し、短いボンネットを持つ新世代ミニバン/カーゴボディを載せる方式。

このため他社のミニバンとは異なり最低地上高は異様に高く、乗降性や操縦性に配慮したFF低床化の流れへ逆行した、床面が高く、FRレイアウトを基本にパートタイム式とフルタイム式を組み合わせた、やたらと贅沢な「スーパーセレクト4WD」も組み込まれます。

さらにフルキャブオーバー式だったスターワゴンと違ってエンジンルームには余裕があり、パジェロと同じ3リッターV6エンジン(6G72)も搭載しましたから、力強いディーゼルターボのクロカン系から、V6ガソリンのラグジュアリー仕様まで、なんでも対応可!

FF低床ミニバン需要は、シャリオやディオン(2000年)に任せれば良かったので、デリカスペースギアは思い切り個性的なSUVミニバンへと振り切ることができました。

近代的なミニバンなのに車高は異様に高く、最低地上高も余裕があって本格的な4WDシステム完備ですから悪路走破性はミニバン最強。

そして、いかなる3列シートクロカンと比べても快適性が高く、スライドドアも完備で乗降性は良好、という、「デメリットをメリットとして受け止められるユーザーにとっては、最高に使い勝手のいいクルマ」が誕生しました。

ライバルなき唯一無二の存在へ

現在のデリカD:5やデリカミニを購入するユーザーも、期待するイメージはデリカスペースギアの再来、あるいは継承だろう

もちろん、コンセプトとしてはスターワゴンからの継続ですが、1990年代に入って新世代ミニバンが続々と登場する中、思い切った逆張りをやってのけたのが、当時RVブームを牽引したパジェロ人気で勢いに乗っていた、三菱の凄みです。

しかも絶対的な需要は限られていたので、どこもデリカスペースギアのようなクルマは作らず、唯一無二の存在として根強い需要を誇りました。

三菱自動車の縮小期でもあり、デリカカーゴも販売したとはいえ商用車としての需要は少なかったので、結果的に1997年まで13年も作り続けるロングセラーとなり、その間に時代の変化に合わせてデザインもソフトになっていきます。

しかし、「悪路走破性と快適性の両立」という根強い需要に長年答え続けた三菱の努力は無駄にならず、「ミニバンでもありSUVでもあり、そしてどちらでもない」、デリカというジャンルの確立に成功、その後のデリカD:5やデリカミニの人気につながりました。

もしデリカスペースギアがなかったら、デリカスターワゴンは「昔売っていた変なクルマ」扱いになっていたかもしれませんし、今の三菱も軽自動車を含め、日産の下請け工場か新興国向けブランドになっていたかもしれません。

日本の自動車史においても、三菱自動車の命脈をつないだという意味でも、デリカスペースギアとは実に有意義なクルマでした。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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