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ル・マン制覇の偉業から数年後に再び脚光を浴び、国民的な名車となったロータリーレーサー、マツダ787B【推し車】

大逆転勝利と凱旋、そして時を経て再び浴びたスポットライト

マツダ787B(左)、737C(中央)、254(右)…過去に活躍したマシンがこうして保管されて日の目を見るような文化が日本でも育ったのは本当によいことで、できることならば全てのメーカーが歴史を大事にしてほしいと思う

マツダが大して期待もされずに迎えた1991年、ルール改正などさまざまな事情により有力なマシンは少なく、日本メーカー勢はマツダから2台の787Bとバックアップ役に近い787が1台の合計3台のみ。

まさか優勝争いに加わると思われなかったので、性能調整による車重制限も緩く、メルセデス・ベンツやジャガーが耐久性や燃費に苦しむ中を快調に走り抜けて見事優勝したのは、マツダ787Bの55号車!

それまでの成績を考えれば、敵も味方も、日本人でさえも「優勝してしまってビックリ!」でしたが、いかに有力ライバルがほとんど不在と言っても、トヨタ TS050 HYBRIDへ2016年に起きた悲劇(優勝が決まるゴール直前で失速・完走ならず)もあります。

マシンが速いだけでも、運が良いだけでも勝てないル・マン24時間レースでの勝利はそれ自体が偉業でしたが、F1ブームに湧いていた当時の日本ではあまり注目されず、翌年以降はマツダ自体の経営悪化、フォード傘下で再建を目指すなど、暗い時代に入りました。

いつしか「そんな事もあったね」扱いになりかけていたマツダ787Bの偉業ですが、2000年代に入って、ドキュメンタリー番組などで紹介されると国民に広く知られるようになり、マツダ自体も再建を終えて華々しく再スタートを切った頃で、人気車種として返り咲き!

クルマ好きならずとも知られる存在となった787Bは、その後イベントのデモランなどで勇姿を見せる機会が大幅に増えました。

今でもかつてGT-Rを破ったロータリー軍団、市販スポーツとして大人気だったRX-7と並び、マツダ787Bはロータリー派にとって、精神的に重要な柱の1つと言えるでしょう。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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