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既に1948年には航続距離200km本格派4ドアセダンEV「たま」が爆誕していた【推し車】
当時世界初、あるいは日本初の最新技術や、自動車業界のみならず、社会や文化にも大きな影響を与えた新たな車種カテゴリーには「先駆車」と呼ばれるクルマがあります。
それは必ずしも「最初の1台」とは限らず、普及のキッカケとなった1台を指す場合もありますが、今回紹介したいのは「国産EV」(外部から充電したバッテリーの電力だけで走るBEV)の先駆車です。
実はかなり古いカテゴリーながら、歴史的経緯により実験車レベルへ逆戻りした時代を経て、再び表舞台へ飛び出したEVの先駆車から、3台を代表して紹介しましょう。
たま セニア(1948年)
航続距離200kmを誇った本格派の4ドアセダンEV
太平洋戦争の敗戦後、本土空襲でも発電所は残り、軍需工場の操業停止であり余った唯一のエネルギー、電気に注目した立川飛行機が、民需転換で電気自動車への進出を決断し、オオタ(高速機関工業)と組んで開発したのが、電気自動車「たま」。
木金混合製で最高速度35km/h、航続距離わずか65km、デザインも古い「たま」ですが、充電するだけで走れて配給ガソリンが不要のため、意外なヒット車となります。
続いて近代的なコンパクトEV「たま ジュニア」、中型EV「たま セニア」も1948年に発売、特にセニアは当時の純ガソリン車と遜色ないサイズと近代デザイン、200kmを誇る航続距離の4ドアセダンで実用性も十分。
この勢いでさらに発展していくと思われたEVですが、1950年の朝鮮戦争特需による鉛バッテリー用の鉛が高騰、ガソリン販売も自由化されると、すぐにEVは不要となってしまいました。
日産 ハイパーミニ(2000年)
高額とはいえ、市販にあたり型式指定を取得した初の国産EV
1950年代以降、ガソリン車に性能で全くかなわず、実験車から再出発したEVですが、大規模イベントで技術アピールしたり、限定的なリース販売や実証実験を経て、2000年に国産EVで初めて型式指定を取得したのがハイパーミニです。
リースのみならず、400万円と高額ながら一般販売も行われた2人乗り軽自動車で、日産が生産したものとしては現在まで唯一の軽自動車(三菱との共同開発車は三菱で生産)。
航続距離115kmと、現在の超小型モビリティに近い性格ですが、発進時から大トルクなモーターの特性で加速は鋭く、軽量ボディと煮詰めたサスペンションで走りは軽快、街中で走るにはなかなか楽しいクルマでした。
充電は独自規格プラグの200V普通充電で、現在のEVスタンドでは充電できず、リチウムイオンバッテリーの劣化もあって稼働車両が現存するか不明ですが、近代EV初期の先駆車だったのは間違いありません。
三菱 i-MiEV(2009年)
4人乗りで急速充電可能、十分な実用性を持つ
リヤミッドシップのMR車ならではの、流麗なデザインや走行フィーリングが好評だった三菱の新規格乗用車「i(アイ)」ですが、あまりに独特すぎて派生車の開発などコスト低減が期待できず、持て余し気味かと思いきやEV化には最適!
何しろ床下にリチウムイオンバッテリーを搭載する以外、モーターやインバーター、充電関連機器をエンジンルームへそのまま押し込めたので、店員4人乗車スペースやラゲッジの使い勝手はガソリン車版と変わらず、大トルクのモーター特性で走りはむしろ良好です。
2007年から実証実験を始め、2009年に法人向けリース開始、2010年4月に一般販売も開始されたEV版「i-MiEV(アイミーブ)」は、補助金込みで300万を切るようになると現実的な価格と認識されはじめ、日産 リーフともども量販近代EVの先駆車となりました。
- 最新「アイミーブ」中古車情報
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本日の在庫数 94台 平均価格 54万円 支払総額 22~160万円
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
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- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...