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本家より売れちゃった…ちょっと気まずい?OEM車の開祖たち【推し車】

他メーカーが開発・生産したクルマの供給を受け、車名やメーカーエンブレムを入れ替え自社ブランドで販売する「OEM車」は、各メーカーの経営資源集中による開発車種の絞り込みで、1990年代後半以降は現在まで段階的に増えています。

当初は「自社に欠けている車種を補い、ユーザーが他メーカー系のディーラーを頼りにしないように」という、販売上の要求で一応売っている車種が多かったものの、現在はOEM元を上回るか、最初からOEM供給前提で、自社で売る方がついでという例も増えました。

そうした「本家より売れるOEM車」の始まりとなる、代表的な3台を紹介しましょう。

トヨタ デュエット(ダイハツ ストーリアOEM・1998年)

デュエットデュエット♪と軽快なCMで積極販売された、初のOEM車

トヨタ デュエット(前期型)

1967年の提携以降、ダイハツを傘下(2016年に完全子会社化)にしたトヨタは、2代目パブリカなどトヨタが開発したクルマを生産委託したり、子会社間のコンペ(競作)にも参加させました。

初代シャレード(1977年)以来のダイハツ小型車にも一目置いており、同社が1990年代後半、1998年10月からの新規格軽自動車をベースとする新たなリッターカー「ストーリア」を開発する際にも関与し、数ヶ月遅れでOEM版「デュエット」を発売します。

初代ヴィッツ(1999年)の登場で廃止予定のカローラII後継車がなかった、カローラ店向けには最適で、積極的にTVでCMを流すなど宣伝にも力を入れた結果、本家ストーリアをゆうに上回るヒット作となりました。

それ以降ダイハツ単独、あるいは共同開発したコンパクトカーをトヨタで販売するのが定番となり、現在のライズ(ロッキーOEM)やルーミー(トールOEM)も大人気モデルです。

最新「ストーリア」中古車情報
本日の在庫数 7台
平均価格 134万円
支払総額 50~285万円

日産 モコ(スズキ MRワゴンOEM・初代・2002年)

軽を売りたい日産、生産を増やしたいスズキの思惑が一致

日産 モコ(初代)

1999年に仏ルノー傘下入り、再建に取り掛かった日産では、軽自動車ユーザーを自社へ取り込み、日産車でステップアップしてもらうため軽自動車市場へ参入します。

しかし自社開発の軽は実験的なハイパーミニ(2000年)だけ、それ以前も開発経験がなく、生産ラインもないため、まずはOEM販売から始めようと2001年4月にスズキと提携。

スズキも東京モーターショー1999に出展したミッドシップ軽を、現実的なFF車に手直ししたワゴンR補完のスポーティ版、MRワゴンの生産を増やせる日産からの提案は魅力的だったようで、MRワゴンから数ヶ月遅れでモコのOEM供給を開始します。

その結果、ワゴンRが売れているため目標販売台数に達しない本家MRワゴン、本家よりグレード数を絞ったものの、販売規模が大きい日産で、マーチよりお得なエントリーモデルとして目標以上に売れるOEM版モコという図式が、最後の3代目まで続きました。

トヨタ タウンエース(ダイハツ グランマックスOEM・4代目・2008年)

小さすぎると言われつつ、いつの間にか主力車種

トヨタ タウンエース(4代目)

厳密には「本家は2020年国内発売なので、日本ではOEMと言い難かった車種」で、インドネシアのアストラダイハツで生産、海外では本家ダイハツ版も販売していたものの、日本では長らくトヨタ版が全てだったという珍しい例。

2020年にはダイハツでも国内販売を開始、2008年にライトエース(後に廃止)/タウンエースとして発売当時、中型商用車だった先代から、軽商用車ハイゼットを拡大したような小型商用車への転換は戸惑われました。

何しろサイズがひと回り以上小さくなって今までの荷物が載らない(ハイゼットカーゴのように助手席を倒し長尺物を載せる機能もない)、これでは仕事に使えないと騒がれたものの、そういうユーザーは4ナンバー版のハイエースを買えばいいだけの話です。

気がつけば普通に売れて街中を走っており、トヨタは小型商用車でもダイハツOEMが定番化、マツダへもボンゴ(5代目)としてOEM供給されています。

最新「タウンエースバン」中古車情報
本日の在庫数 269台
平均価格 180万円
支払総額 40~530万円

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...

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