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リアスポイラーとは?リアウイングと何が違う?効果と取り付け方法
リアスポイラーってどこ?
リアスポイラーは、車の後部(リア)に取り付けられるエアロパーツです。取り付けられる場所は、車のボディ形状によってさまざまですが、セダンやクーペタイプではトランク部分の上部、ハッチバックタイプではルーフの後端部分などが多くなっています。
いずれも、ボディの一部や延長のような一体感のあるデザインと大きさで、一見するとエアロ”パーツ”には見えないかもしれません。この点では、後述する「リアウイング」とは異なります。
ハッチバックのルーフ後部に取り付けられるスポイラーは「テールゲートスポイラー」と呼ばれています。
テールゲートスポイラーも含めると、現在販売されている車でリアスポイラーを付けているモデルは軽自動車やミニバンも含め、意外に多いことがわかります。
リアウイングとの違いは何?
リアスポイラーと混同されやすいエアロパーツに「リアウイング」があります。リアスポイラーは、ボディとスポイラーが密着しているのに対し、リアウイングは羽根(ウイング)がボディと明らかに離れているのが特徴です。
また、リアウイングはパーツ自体が大きく、車のルーフとほぼ同じかそれ以上の高さになるものと考えてよいでしょう。
現在販売されている車で、大型の純正リアウイングを装着している車はほとんどありません。理由は後述しますが、リアウイングの効果はモータースポーツなどの高速走行において発揮されるためです。
リアスポイラーの効果は?
整流効果で高速安定性&燃費向上
リアスポイラーには、車の後ろにまとわりつく気流を整えて、空気抵抗を低下させる効果があります。リアスポイラーの形状や車体によって変わりますが、60~80km/h以上の速度で効果が感じられるとか。
リアスポイラーによって空気の流れを整えると、高速走行時の安定性がアップするうえ、不要な空気抵抗がなくなって燃費向上にも寄与します。
このように高速道路でもふらつきにくくなる、車への負担が減って燃費がよくなる効果が期待されていることが、車種やボディタイプ問わず多くの車にリアスポイラーが採用されている理由ともいえます。
ハイテクな「オートスポイラー」「アクティブスポイラー」も
速度が一定以上になると自動的にリアスポイラーが出てくるものは「オートスポイラー」や「アクティブスポイラー」などと呼ばれています。
最も有名なアクティブスポイラーは、ポルシェのリアスポイラーでしょう。時速80km/h以上になると自動的にリアスポイラーがせり出してきます。
アクティブスポイラーはポルシェ 911を始め、ボクスターやパナメーラなど様々なモデルに採用されています。
状況に応じて整流効果を生み出す、高級車ならではのハイテク装備です。
- 最新「911」中古車情報
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本日の在庫数 817台 平均価格 1,901万円 支払総額 247~7,280万円
- 最新「ボクスター」中古車情報
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本日の在庫数 171台 平均価格 415万円 支払総額 104~1,191万円
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本日の在庫数 207台 平均価格 712万円 支払総額 209~1,911万円
リアウイングとは目的が異なる!
車の後ろにある気流を取り除くリアスポイラーに対し、リアウイングは車の後ろにある気流を制御する目的があります。
前述の通り、リアウイングはモータースポーツなどの高速マシンに必要なエアロパーツです。
レースなどの高速走行では、車体の後部へ荷重をかける必要があります。これは、多くのスポーツカーやレーシングカーは後輪を駆動するFRか全輪を駆動する4WDであるため。
特に、後輪には一定の荷重をかけていないと、高速走行時の加速力やカーブなどでのタイヤのグリップ力が不足してしまいます。
そこで、リアウイングを用いてわざと風を受け、マシンを地上に押し付けることで、車体の後部、後輪へ荷重をかけるのです。「ウイング」と言っても、空へ舞い上がるためではなく、しっかり地面で踏ん張るためのパーツという点が面白いですね。
ボディを地面に押し付けるパーツは飛行機にも……
ちなみに着陸時に翼の上にピョコッと起き上がる、飛行機にも「スポイラー」が装備されています。こちらは、着陸時に機体を地面に押し付け、浮き上がらないように空気の流れを変えるもの。車の「リアウイング」と役割が少し似ているのです。
リアスポイラーとリアウイング、どっち?
リアウイングとリアウイングは形状が違えば、効果も違います。取り付ける目的が違うのですが、多くの場合、外装のデザイン性を重視して取り付けられるため、名前が混同されてしまっているようです。
ほとんどの場合、リアウイングは2本以上の支柱で支えられていますが、ボディに密着するように2本の支柱で装着されている、リアウイングともリアスポイラーとも取れるエアロパーツも多くあります。
市販車でも、レースマシンからのフィードバックでクルマづくりを行っているようなモデルであれば、大型のリアウイングを装着している場合もあります。
リアスポイラーとリアウイングか、迷うようなパーツの場合は「この車はモータースポーツ並みの高速走行が想定されているのか?」という視点を持つとよいかもしれません。
リアスポイラーは車検に通る?
もともと付いているリアスポイラー=メーカー純正リアスポイラーは、問題なく車検に通ります。事故などでぶつけて曲がった、破損して外れかけているなどがない限り、心配しなくてもよいでしょう。
対して、自分でリアスポイラーを取り付けた場合や、カスタムショップなどでリアスポイラーを後付けした場合は、車体の幅と最後部からはみ出ていないか、しっかりと取り付けられているかを確認しましょう。
両面テープでもしっかりと固定されていれば車検は通りますが、経年変化で粘着力が落ち、リアスポイラーが脱落すれば、道路交通法違反になりますので注意しましょう。
後付けのリアウイングも同様に、違法改造にならないよう保安基準を満たしている必要があります。
違法改造かどうか、必ず確認を!ポイントはこちらで解説しています
リアスポイラーの取り付け&取り外し方法
両面テープで取り付ける
リアスポイラーを自分で取り付ける際には、両面テープかトランクに穴をあける必要があります。
両面テープで取り付ける場合はスムーズに取り付けが終わりますが、走行中に外れてしまう可能性があります。そのため、両面テープで取り付ける際にはしっかりと固定しましょう。
両面テープなら取り外しも簡単ですし、取り外し後も穴などが空いていないのでケアも簡単です。
トランクに穴を開けて取り付ける
トランクに穴をあけて取り付ける場合は、手間がかかりますが、取り付け後は安定します。
ただ、トランクに穴をあけること自体をためらう人がいたり、上手く穴をあけられなかったりするので、自身がない方は両面テープでしっかり取り付ける方がいいかもしれません。
上はGTウイングなのでリアスポイラーとは形状が異なりますが、参考にしてみてください。
リアスポイラーの取り付け工賃は?
リアスポイラーの取付け工賃は、ショップが定める料金設定や形状によって異なりますが、安ければ数千円、高い場合でも数万円、10万円を超えるようなことは稀といった様子です。自分で取付けが不安な方は、ショップなどで取付けてもらいましょう。
リアスポイラーを塗装してみよう!
リアスポイラーを取り外して塗装する方法
リアスポイラーを塗装する際は、車から取り外す必要のがおすすめです。自分でリアスポイラーを取り付けたい人は、取り付け前に塗装するのがよいでしょう。
上の動画では、塗装が剥げてきたリアスポイラーをスプレーで再塗装しています。塗装前に、表面の塗装を削ってから行いましょう。
リアスポイラーを取り外さずに塗装する方法
こちらの動画では、ワゴンRのテールゲートスポイラーを取り外さずにスプレー塗装しています。スポイラーによっては単体での取り外しができない・難しいものもありますので、その場合は窓ガラスやボデイをしっかり養生してから塗装しましょう。
同様に、スプレーを吹きかける前にもとの塗装やハゲかけている表面を削ってキレイにしてから行っていますね。
リアスポイラーの塗装料金は?
板金や塗装業者、カスタム専門店などにリアスポイラーの塗装をお願いする場合、塗装のみであれば1.5万円~2.5万円ほどとみてよいでしょう。
ただしそういった業者にエアロパーツについて依頼する際は、純正パーツの取り外しや社外パーツの仮止め、塗装、取り付け、磨きなど、様々な工程を経ることになります。そのため、塗装料金だけでなく他の工賃も考慮しなければなりません。
業者の料金を比較する際は、「塗装のみの料金」なのか「一連のセット料金」なのかをよく確認する必要があります。
こんなパーツも実はエアロパーツ!
リアスポイラーは走行安定性や燃費に関わるエアロパーツで、車のその他の要素とともに総合的に性能を向上させるものです。
リアスポイラー単体での大きな効果が期待できるわけではないため、現代においてはドレスアップの一環として取り付けられているものがほとんどといえます。
また、リアスポイラーと同じく、走行安定性や燃費性能に寄与しつつも、ドレスアップを主体として取り付けられているエアロパーツは多くあります。
エアロパーツが取り付けられた状態で販売されているグレードなども多いため、あまり意識されていないかもしれませんね。
車のエアロパーツについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部 カー用品チーム