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市販車にGTウイングを取付けたら速くなる?違法改造&車検に注意

GTウイングは走行性能を向上させるとともに、サーキットマシンのような雰囲気をもたらすエアロパーツですが、ただ取付けただけでは違法改造になるだけでなく、車の性能を低下させてしまう恐れがあります。GTウイングを市販車に取付ける際の注意点と、公道上でGTウイングを使う必要性を再確認しましょう。

GTウイングとは?他のリアウイングとの違いは?

GTウイング
©KissShot/stock.adobe.com

GTウイングとは、グランドツーリングカーレースの車両に用いられる大型のリアウイングを、市販車が装着できるように調整したエアロパーツです。純正装着される小型のリアウイングやリアスポイラーは、空気の整流がおもな目的であるのに対し、GTウイングの目的は強力なダウンフォースによるリアタイヤのグリップ性能向上です。

車は速度が上がるほど浮力が発生する形状であるため、高速域になるほどタイヤのグリップが低下します。巨大なGTウイングが発生する強力な下向きの力は、ボディ後端を地面に押し付けるように作用し、高速域での車両安定性を高めるとともに、高速コーナーでのコーナリング速度を大きく引き上げます。

レースにおけるGTウイングのメリット・デメリット

GTウイングのメリット

  • 高速域での直進安定性向上
  • コーナリングスピードの向上
  • オーバーステアおよびブレーキ時の挙動変化を抑制
  • ウイング角度によるダウンフォース量の微調整
  • 後輪駆動車の場合は、トラクション性能の向上

GTウイングのデメリット

  • 空気抵抗増大による加速性能・最高速度・燃費性能の低下
  • フロント荷重減少によるアンダーステアの助長
  • 車重の増加

市販車にGTウイングを取付ける理由と目的

車のドレスアップ

サーキットマシンの象徴ともいえるGTウイングを取付けることで、レーシングカーのような迫力あるスタイリングになります。また、車のパーツのなかでもっとも目立つ部分であるため、大きなアクセントになると同時に、GTウイングの形状によっては車全体のイメージを大きく変えることもできます。

走行時の車体の安定性を得るため

GTウイングによる直進安定性の向上は高速走行時の安心感につながります。しかし、現在の販売されている車は、ノーマルボディの状態で最適な空力バランスになるように設計されているため、単純にGTウイングだけを取付けると、ボディ周辺の空気の乱れを引き起こし、かえって走行安定性が損なわれる場合があります。

GTウイングでドレスアップできる車種

日産 シルビア GTウイング ドリフト
©秋城/stock.adobe.com

クーペタイプのスポーツカー

元来レース車両用のエアロパーツであるGTウイングがもっとも似合う車は、クーペタイプのスポーツカーです。

世界ツーリングカー選手権を走るGTカーや、全日本プロドリフト選手権で戦うD-1マシンなどの車は、市販のクーペをベースに開発されるためそのマッチングのよさは折り紙付き。ワイドボディとコンパクトなキャビンが特徴のクーペボディは、大柄なGTウイングの存在感をさらに引き立てます。

ハッチバックやステーションワゴン

ハッチバックステーションワゴンのルーフ後端にGTウイングを付けると、世界ラリー選手権を走るWRカーや、世界ツーリングカーカップ(WTCR)のカップカーのような雰囲気に変貌します。

クーペやセダンに比べて取付けスペースの制約が多いものの、うまく取付けられればハッチバックカーにスポーティなイメージを付加することができます。

市販車にGTウイングを装着する時の注意点

GTウイングへの振動や負荷対策をしっかり

走行中のGTウイングには非常に大きな力が加わるため、振動や荷重負荷に耐えられるようにしっかりと取付けることが肝心です。これを怠ると、大事故に発展してしまう恐れがあります。

力を分散させるための当て板の取付けはもちろん、ボルトの緩み止めを使用したり、ボルトの締め付けトルクをしっかり管理して確実に取付けましょう。定期的なボルトの緩みチェックやメンテナンスも欠かせません。

トランクへの雨漏りがないように

GTウイングはボディに穴を開けて取付けるため、雨漏りへの対策もしなくてはなりません。雨漏りによって発生するサビはボディを早期に劣化させます。

ボディに開けたボルト穴には、錆止め塗装を施したうえで、ゴム板や防水コーキング剤などを使用して雨水の流入経路を完全に塞ぎましょう。取付け不備によって生じたボルトの緩みやボディの歪みが原因で雨漏りが起こる場合もあるため、確実に取付けることがなによりも肝心です。

違法改造車にならないように

GTウイングを公道で使用するためには、保安基準に適合することが条件です。突起物であるGTウイングは、交通事故が起こった際の被害を拡大させる恐れがあるためです。

保安基準に適合する強度や安全基準を満たしたGTウイングを選ぶことはもちろん、取付ける際も保安基準に適合する寸法や位置を遵守して安全に運用しましょう。保安基準に適合しないかたちでGTウイングを装着した車は違法改造車として取締り対象になります。

GTウイングに関わる保安基準と車検時の注意

GTウイング
©KissShot/stock.adobe.com

GTウイングを公道上で使用するためには、以下の条件を満たしていなければ保安基準違反となり、車検をとおすことはできません。

  • GTウイングがボディ後端からはみ出さないこと。
  • GTウイングの側端が、ボディのもっとも外側から165mm以上内側に収まっていること。
  • 165mm以上内側に収まらない場合は、車両と翼端との隙間が20mm以下であること。
  • 溶接やボルト・ナットなどで確実に固定されていること。
  • 半径2.5mm未満の鋭い突起がないこと。
  • 半径2.5mm未満の鋭い突起がある場合は、突起の高さを5mm未満におさめるか、60ショア(おおよそ消しゴムの硬度)以下の硬さとすること。
  • 後方視界を著しく妨げないこと。
  • 車検の検査官が安全であると認められる形状、取付け方法であること。

GTウイング取付けシミュレーション

全幅1,800mmの車には、1,800−165mm−165mm=1,470mm以下のGTウイングが取付けられます。ただし、ウイング本体および翼端板の厚さや形状に半径2.5mm未満の鋭い突起がないGTウイングに限られます。取付ける際は、ウイング後端がバンパー後端よりはみ出ず、後方視界を妨げない位置に、走行風で破損しないよう確実に取付けられていることが最低条件です。

GTウイングの側端が車のボディに収まらない場合、翼端板を延長してボディとの隙間を20mm以下とすることで車検が通った例があるようです。しかし、最終的な合否は担当する車検検査官の判断に委ねられます。

GTウイングで取締りにあうことは?

GTウイングは非常に目立つため、取締りの対象になりやすいパーツです。とくに、各地方運輸局で行われる「不正改造車を排除する運動」の強化月間中には、保安基準の合否にかかわらず検査対象となるケースがあるようです。

もし、保安基準に適合しないGTウイングを取付けていたり、取付け不備があった場合は、不正改造として罰せられ、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。また、15日以内に必要な整備を行い、当該自動車および自動車検査証を地方運輸局長に提示しなければ、50万円以下の罰金に加え、車両の使用停止命令が下されます。

市販車にGTウイングを取付けたら速くなる?

ドレスアップ目的のファッションウイングは速くならない

ドレスアップ用のGTウイングは、その形だけを模したものであり、高速走行では空気抵抗になるだけにとどまらず、強度不足で破損してしまう恐れがあります。

空気抵抗が増大することでダウンフォースが発生し、一部の速度領域では効果を発揮するものの、安定したダウンフォースを得ることができません。ファッションウイングをスポーツ走行で使用するのは非常に危険です。

レース用ウイングを取付けただけでは速くならない

レース用に製作されたウイングは、空気抵抗を低減させる工夫が施されているものの、空気抵抗を増大させることに違いはありません。速度が上がるほど大きなエンジン出力が必要になるため、加速性能は著しく低下します。

サーキットのラップタイム短縮を図るにも、単純にGTウイングを取付けただけでは曲げづらい車になってしまう恐れも。GTウイングの性能を活かすには前後のダウンフォースバランスやサスペンションも調整する必要があります。

そもそもGTウイングの効果が分かる速度域はスピード違反の可能性大

GTウイングが効果を発揮しはじめる速度はおおよそ80km/hから。一般道ではスピード違反になる速度であり、高速道路上の制限速度である100〜120km/hであってもGTウイングの恩恵を感じることは難しいでしょう。

保安基準と速度制限下では、GTウイングの性能を最大限に発揮させることは難しいため、公道においてGTウイングは不必要といわざるをえません。

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MOBY編集部 カー用品チーム
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