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EVは雨の日による漏電や感電の心配はないの?防水対策について聞いてみた
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感電のリスクは?EVの充電に関する安全について自工会に聞いてみた
最大約400Vもの高電圧バッテリーや高電圧部品が使われているEV。
しかし使用されている高電圧部品は、水やゴミなどを防ぐために露出がないように設計されています。もちろん雨や雪の日での充電も想定されているため、基本的には充電時に雨や雪を通して漏電が発生する可能性は低いのです。
実際に自動車メーカー14社によって構成されている一般社団法人・日本自動車工業会にも「雨の日にEVが充電する可能性があるのか」について問い合わせてみたところ、以下のような回答が得られました。
「充電器側で漏電対策が施されているため、自動車、充電器とも通常の整備がされていれば漏電の可能性はありません」
基本的には、プラグと車両の接触部分を拭き取るなど、最低限の注意を払えば、漏電のリスクは抑えられるようです。万が一漏電が起きてしまっても、センサーが察知してすぐに電気を遮断。つまり雨や雪の日だとしても、EVを充電することに大きな問題はないと言えます。
最近のEVは雨や雪、寒さへの過剰な心配は不要
充電時のリスクについてはほとんど心配がないことが分かりました。さらに、自工会の担当者はこう話します。
「ごく初期のEVでない限り、エアコンによる曇り取りや冷暖房機能を使用することで、EVの航続距離が極端に短くなってしまうということもありません」
お話によれば、10年以上前のごく初期のEVでは電熱線でお湯をわかす「電気ケトル」のような仕組みを採用していたため、消費電力が多かったそう。しかし、例えば「日産リーフ」では、2012年の一部改良の際にエアコンを「ヒートポンプ式」に変更し、航続距離への影響の改善が図られているとのことです。
実際に、ロードサービス事業を運営するJAFは2021年12月21日、電気自動車での効果的な防寒対策の調査を実施しています。
これは、大雪によって路上に立ち往生してしまった状態を再現し、その状態のまま、オートエアコンを常時25℃に設定させたEVが何時間まで稼働できるかを検証したものです。
実施された調査の結果、およそ9時間半後にバッテリーの残量が10%まで低下することが分りました。同じ環境のなかで、エアコンを使わず電気毛布やシートヒーターのみで過ごした車両は、13時間経過してもバッテリー残量が50%以上残っていたそうです。
ただし、実験時の外気温は-8.1℃とかなり過酷な環境でした。エアコンにも相当な負荷がかかっていたといえるため、よほど特殊な環境下におかれない限りは、“電欠”が起きることは考えにくいでしょう。
このように、EVの充電や走行にあたっては、天候や気温による影響を受けないよう、改良も進められているようです。
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- 執筆者プロフィール
- 小高皐月
- 1979年生まれ。会社員を経て、知人の縁で編集プロダクションに就職。子育ての経験を活かして様々な記事を担当していたが、取材をきっかけにドルオタ化。クルマを走らせながら一人でカラオケするのが大好きで、歴...