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雨天時の事故は晴天時の400%!元教習官に聞いた事故防止のコツは【準備】だった
雨天時の運転で危険な思いをしたことがある人は多いのではないでしょうか。
雨天時は晴天時よりも事故や渋滞が増えるとも言われています。雨天時はどのようなことに気をつけて運転する必要があるのでしょう。
「雨天時は速度を控える」が大原則
首都高速道路の調査によると、晴れている日の1時間あたりの事故件数は1件なのに対して、雨の日は4.9件の事故が発生しているといいます。雨天時は晴天時よりも約5倍近い事故が発生していることになります。
雨天時は視界が悪くなるだけでなく、路面が濡れて滑りやすくなっています。そのため、晴天時よりも注意を払いながら運転する必要があります。深夜になると雨天時は晴天時よりも約7倍も交通事故が増えるというデータもあります。
雨天時の運転で気をつけるべきポイントを交通警察隊に所属していた元警察官に聞きました。
「雨天時の運転で気をつけるべきポイントは主に3つあります。
1つは、速度を控えるということです。濡れて滑りやすい路面では、タイヤと路面の間に水が入り込み制御できなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起きやすくなります。速度が高くなればなるほどこの現象が発生しやすくなり、とても危険です。
2つ目は、いつもより車間距離をあけておくことです。万が一濡れた路面でブレーキをかけたときに滑っても、車間距離を多めにあけておけば、追突事故の危険性が少なくなります。
3つ目は、雨天時に備えて良好な視界を確保できるようにしておくことです。特にワイパーの水はけ具合を事前に確認しておくことは重要です。」
路面上のマンホールや工事現場の鉄板などはかなり滑りやすくなっています。雨が上がっても濡れているマンホールや鉄板を走行するときは、急ブレーキをかけないように減速するなどして走行するようにしてください。
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ワイパーの水はけ具合が悪いと事故を引き起こす可能性も
ワイパーについて、さらに詳しく聞いてみました。
「ワイパーはゴムで水を弾いて視界を確保しています。ゴムが劣化していて、水を弾き飛ばすことができず、視界が悪くなっていると、運転中の急な出来事に気づくのが遅れてしまいます。
以前、ワイパーの水はけ具合が悪く、前方に車両が止まっていることに気づくのが遅れて、追突事故を起こしてしまったという事故が発生した事例があります。
晴れているときにはワイパーを作動させることがないので、ワイパーのゴムの劣化を把握できていないドライバーは多いかもしれません。
撥水タイプのガラスコーティング剤などをフロントガラスに塗布しておくと、雨天時に良好な視界を確保できるようになりますよ。」
さらに雨天時には、車の窓ガラスが曇りやすくなるため、視界不良につながります。そのため、エアコンを作動させて曇らないようにすることも重要です。エアコンの風向きを「フロントガラス」にして「A/C」をオンにすることで、フロントガラスが曇るのをある程度抑制できます。
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雨が降り続いている際は冠水場所にも注意しよう
近年では、局地的なゲリラ豪雨なども多く発生しています。突然の大雨では、アンダーパスや坂の終点、道路のくぼみなどが冠水することもあります。
局地的なゲリラ豪雨でなくても、長時間同じ場所で雨が降り続いている場合、冠水した道路に注意が必要です。運転前には、現在地だけでなく目的地の気象状況もチェックしてから出かけるようにしてください。
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さらに、雨天時に気をつけたいのが、歩行者への配慮です。水たまり付近を走行して水や泥を歩行者にかけてしまうと違反(泥はね運転:違反点数なし、普通車反則金6千円)になります。
特に免許を取って間もないドライバーは、視界が悪いことにばかり気を取られて、歩行者の存在に気づきにくいことがよくあります。
雨天時は晴天時よりも慎重に運転することはもちろん、雨天時に備えた事前の準備を怠らないようにしてください。
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- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...