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車が水没したらどうなる?台風や洪水で相次ぐ浸水・冠水被害への対策方法は?

車のフロアの高さ以上まで浸水したら「水没車」扱い

車 水没 水没車の扱い
各地でゲリラ豪雨などが発生

台風やゲリラ豪雨、線状降水帯など、日本各地で大雨による被害が毎年のように発生しています。道路に雨水が溜まり、冠水した道路を走る車の映像をニュースなどで見かけたことがある方もいることでしょう。

車は雨の中を走っても壊れないように設計されてはいますが、電装部品やエンジンは本来、水に弱いもの。どの程度の水深までは走行できるかどうかは車によって多少の違いはあるものの、基本的には車は水の中を走行することができません。

一般的には、車はフロアの高さまで水に浸かってしまったら「水没」と判断され、「水没車」扱いとなります。水没してしまった車はさまざまなトラブルを抱えることになるため、修理はとても困難。車が水没してしまうのはできれば避けたいところです。

水没してしまったときの対処方法や、水没を防ぐ方法はあるのでしょうか。

車が水没・浸水するとどうなる?

カビや異臭が発生

車 水没 カビ・異臭
©phantom1311/stock.adobe.com

雨水や河川の水などが車内のシートやカーペットなどに浸かってしまうと、カビが発生したり汚い水が染み込んでしまったりなど、悪臭の原因となります。不快なだけでなく、アレルギーなどの健康被害につながることもあります。

電気系統のトラブル

車 水没 電気系統のトラブル
©kanpisut/stock.adobe.com

電装部品が水に浸かってしまうことで漏電やサビが発生し、電装部品が正しく動作しなくなることがあります。漏電した箇所から発火して車両火災となるケースも多いため、水没した車からはただちに脱出することが重要です。

電気自動車ハイブリッド車など、モーターやバッテリーを搭載している場合は走行不能なることも。

エンジンの破損

車 水没 エンジンの破損
©robert Casacci/stock.adobe.com

車のエンジンは、エアインテークから空気を吸い込んで、それをガソリンと一緒にエンジン内部に送り込むことでパワーを発生させています。しかし、水を吸い込んでしまうとエンジン内部の部品を破損してしまう「ウォーターハンマー現象」が起きてしまい、エンジンに多大なダメージを与えることに。

また、エアインテークだけでなく、車体後方下部などに設置されているマフラーからも水が侵入してしまうこともあるため、エンジンの高さまで水に浸かっていなかったとしてもエンジンが故障することがあります。

走行不能や車両火災など深刻な事態に

エンジンも電気系統も、車が走行する上では欠かせない部品です。そのため、水没によりそれらが破損、故障してしまうとエンジンがかからなくなってしまうなどで走行不能、最悪の場合は車両火災が発生してしまうことがあります。

車の水没・浸水を防ぐには?

深い水溜まりは避けて走行する

車 水没 車の水没・浸水を防ぐには
©Jeremy/stock.adobe.com

走行中、進行方向の道路に大きな水溜まりができていたり、冠水しているのが分かったらその道は避けて通りましょう。

水深が大したことないように見えても、実際はもっと深かったという場合もあります。気がついてからではもう遅いのです。安全第一で、多少遠回りになっても迂回することが重要です。

大雨などがあった場合は、土砂崩れや崩落にも注意が必要です。

どうしても通らなければならないときは?

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もしどうしてもその道を通らなければならない場合は、まず通過できるのかどうか確認しましょう。道路脇の縁石が見つけられるのなら、それを目安にすれば水深を予想することは可能です。縁石の高さは標準で15cmほどとなっているため、縁石が確認できるなら水深は15cm以下ということになります。

ただし、場所によっては15cm以下の縁石もあるため、普段から見慣れている道路でなければ目安にすることは危険です。

通過できそうだと判断して進む際は、スピードを出して一気に通過しようとするのではなく、ゆっくり慎重に進みましょう。スピードを出して水に飛び込むと、衝撃でバンパーなど車体前面が破損してしまうことがあります。

また、マフラーから水が侵入してくるのを防ぐため、ギアを1速やLレンジなどに入れてエンジンの回転数は高めをキープする必要があります。途中で止まらないよう、水の中に先行車がいないことを確認しましょう。

ただし、これだけやっても無事に通過できるとは限りません。冠水した道路には入らないことが基本です。

駐車するときは高台を選ぶ

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水は高いところから低いところに流れます。駐車する場所として高台を選ぶのもひとつの手です。大雨や洪水となるおそれがある場合は、一時的に車を高台のコインパーキングなどに避難させると被害を避けられるかもしれません。

ハザードマップを確認しよう

国土交通省が運営している「ハザードマップポータルサイト」で、洪水や高潮などの災害が発生するリスクを確認することができます。住む家はもちろん、駐車場や利用するコインパーキングなどの場所がリスクの高い場所でないかどうか調べておくと安心です。

避けられないこともある

日本は四方を海で囲まれているほか、河川の数も多く、毎年のように台風や洪水による災害が発生しています。自然災害は避けることができない場合もあるため、車よりも自分を含めた人命を優先することが大切です。

車が水没・浸水してしまったらどうする?

エンジンはかけないこと

車 水没 エンジン
©velimir/stock.adobe.com

前述のとおり、電装部品やエンジンにまで浸水していると、故障だけでなく漏電した箇所から発火するおそれがあります。そのため、「壊れてないかな?」と確認するためにエンジンをかけるのは、かえって故障リスクを高めてしまいますし、車両火災に巻き込まれてしまう危険性があるため、エンジンをかけるのはNGです。

ロードサービスを手配

車 水没 ロードサービス
©bartsadowski/stock.adobe.com

車が水没してしまった場合、まずはロードサービスなどに連絡し、車両の引き上げや整備工場への入庫を手配しましょう。車両火災が発生するおそれもあるため、待っている間は車から離れ、安全な場所に退避することが大切。水没した車内で待機するのは危険です。

修理するよりも買い替えがおすすめ

水没した車はダメージが大きく修理が困難なため、修理を依頼しても拒否されてしまうことがあります。整備工場などでも断られてしまったら自分で直すしかありませんが、現実的に考えると廃車にするしかありません。

また、修理できるとしても見積もりは高額になることが多く、修理後も水没が原因によるトラブルが後から発生する場合があるため、修理するよりも買い替えてしまったほうが手っ取り早いことがほとんどです。

走行中に水没してしまったらどうする?

すぐにエンジンを切る

車 水没 エンジンを切る
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前述のとおり、発火の危険があるためエンジンを切りましょう。

ドアが開かなければサイドウインドウを割って脱出

車 水没 サイドウインドウ
©andrewbalcombe/stock.adobe.com

水圧によってドアが重くなり、開くことができない場合があります。その場合はサイドウインドウから脱出します。手動ハンドルなどで窓が開くことができればいいですが、エンジンを切っているためパワーウインドウが使えません。そのため、ガラスを割って脱出します。

なお、フロントウインドウではなくサイドウインドウを割るのは、フロントウインドウは合わせガラスになっていて割るのが困難だからです。

ハンマーを用意しておこう

車のウインドウには強化ガラスが使用されているため、通常のガラスよりも割れにくくなっています。また、狭い車内で力を込めてガラスを割るのは難しいため、脱出用ハンマーを万が一のために備えておくことがおすすめです。

脱出したら車から離れる

無事に脱出できたら、車から離れてロードサービスなどの手配をしましょう。危険なため、車を無理に引き上げようとしたりはしないこと。

命を優先した行動を!

大切な愛車が水没してしまうのはなんとか防ぎたいものです。そのため、まだ大丈夫だと思いこんでギリギリまで堪らえようとするかもしれません。しかし、洪水などで水位がどんどん上昇してくる場合などもあり、脱出困難になってしまう場合もあります。

愛車の窓を割るのも抵抗を覚えるかもしれませんが、まずは自分の命を守るため、車から離れることを優先してください。

水没した車の処分はどうする?

車 水没 処分
©Marina Gordejeva/stock.adobe.com

車が水没してしまい修理せず処分すると決めた場合、スクラップにするしかないと思うかもしれません。しかし水没車でも買い取ってもらえる場合があります。

車がどの程度のダメージを負っているかで扱いは変わりますが、水没車専門の買取業者もいるほどなので、水没車だからと諦めずに買取査定をしてみるのは無駄ではありません。

買い取られた水没車は、部品取り車として部品単位で販売されたり、日本車需要が高い海外で販売されたりなどで市場へ出回ります。

水没車(冠水車)を買ってしまうと後が大変?

車 水没 水没車を購入
©xiaosan/stock.adobe.com

水没してしまった車は、日本でも「水没車(冠水車)」として中古車市場でも販売されています。

通常、水没車(冠水車)はかなり安く購入することができます。しかし、後から重大な故障などが発生するリスクが高いため、安さにつられて購入しても、後々の修理や維持にお金がかかってくるかもしれません。

なお、水没車(冠水車)は、販売時に水没車(冠水車)であることを表示・説明しなかった場合は不当表示となるため、購入するときにその車が水没車(冠水車)であることを確認することができます。もし、水没車(冠水車)ではないと虚偽の説明があった場合は契約取消を求めることが可能です。

「冠水車を消費者に販売する際、販売店にその旨を表示・説明する義務はない」などの情報が流れていますが、自動車公正取引協議会はこれは誤った情報であると注意喚起をしています。

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執筆者プロフィール
MOBY編集部 高山 志郎
MOBY編集部 高山 志郎
平成元年生まれ、東京都出身。学生時代にモータースポーツ活動を開始し、ドライバー兼エンジニアとして耐久レースなどに参戦。他業界で技術職を本業としながら車やバイクに触れ続け、縁あってWebメディアへ転身し...
監修者プロフィール
鈴木 ケンイチ
鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...

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