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〈中国の本気〉今まで中国車が日本国内で販売されなかった【理由】とは?

2021年12月に中国第一汽車の高級車ブランド「紅旗(ホンチー)」の車が正規輸入されたことは、輸入車業界で大きなニュースとなりました。

これまで日本で中国車をみかけなかったのは、日本でナンバーを取得するのが非常に難しかったためです。紅旗はどのようにして登録手続きを進めたのでしょうか。

実は…輸入車のナンバー取得は大変

輸入車が日本でナンバーを取得するためには、排ガス基準値や騒音規制値、安全性などが日本の公道を走れる基準を満たしていることを証明しなくてはなりません。

また、それらの性能を継続維持できる安定した品質管理体制が取れていることなどの証明も必要です。

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すでに型式が登録された実績がある車や、同様の構造をもつ車なら提出書類や審査は簡略化できるものの、完全新規の車を輸入してナンバーを取得するには膨大な手間がかかります。

場合によっては、車を構成する部品ひとつひとつの検査や、衝突試験や熱害試験など車を壊さなければ測れない性能を検査することも必要になります。

これらの検査は時間がかかるうえ、検査費用も莫大です。さらに検査機関は日本に数箇所しかないうえ、検査に合格できなければ修正が求められます。これは並行輸入・正規輸入に関わらず輸入車全般に共通するルールです。

しかし、こういった煩雑な手続きを簡略化するために「58協定」と呼ばれる多国間協定があります。

58協定非加盟の中国車は輸入しづらい

「58協定」とは、1958年に締結されたことに由来する、国連欧州経済委員会の多国間協定です。「車両等の型式認定相互承認協定」とも呼ばれています。

58協定の加盟国はいずれかの国で行われたテストで認証を得られれば、輸出先での技術要件を満たせるものとして輸入の際の試験が免除されます。

現在はEUをはじめとして、50ヵ国以上の国々が加盟していますが、中国とアメリカは世界有数の自動車産出国にもかかわらず58協定には加盟していません。

そのため、中国車とアメリカ車を輸入して登録するには、車両の安全性と信頼性をを逐一証明する必要があります。

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ただしアメリカ車は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が発行するFMVSSラベルよって安全性が証明されています。

つまり、車体にラベルが取付けられているアメリカ車であれば、正規輸入はもちろん日本への並行輸入も比較的簡単です。

しかし、中国車の場合はそういったラベルすら発行されません。そのため中国車の輸入にはどうしても手間がかかります。

中国車の輸入はベテランの並行輸入業者でも取り扱いたがらない案件であり、これが中国車が日本でほとんどみられなかった大きな理由です。

執筆者プロフィール
伊藤友春
伊藤友春
1981年生まれ。自動車専門Webライターとして執筆活動中。自動車の構造に明るく、ほとんどの整備や修理をDIYでこなす。輸入車・コンパクトカー・変わったデザインやコンセプトの車が好きで、現在の愛車はその最た...
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