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遅すぎる迷惑車は「逆あおり運転」で通報できる?パトカーでの取り締まり事例はあるか調べてみた

道路を遅く走りすぎても“法律違反”?

©きょうこ あしたば/stock.adobe.com

一般的にいうスピード違反は「最高速度を超える速度で走ること」を指しますよね。これとは逆に「遅すぎる速度で走ること」も場所によっては違反になるって知ってました?

道路交通法第七十五条の四およびその施行令には、高速道路を走る際の最低速度のルールが定められています。要点をかいつまんで見てみましょう。

  • 高速道路では道路標識などで指定された最低速度未満の速度で走ってはならない
  • 最低速度の標識などがない高速道路では時速50キロ未満の速度で走ってはならない
  • 危険防止などでやむを得ない場合は最低速度未満で走ってもよい

最低速度を示す道路標識とは、数字の下にアンダーバーが付いている標識のことです。

さて、上記のルールを守らず走行すると「最低速度違反(違反点数1点、反則金6,000円=普通車の場合)」となるわけですが、遅すぎる車がパトカーに取り締まられることって実際にあるのでしょうか?

「高速道路を低速で走る車がいる」で警察出動事例も

とはいえ、速度が遅すぎる車がパトカーに捕まっている場面には出くわしたことはありません。何か事例はないかと情報を探ってみたところ、2018年に報じられた1件のニュースにたどり着きました。

2018年3月27日付けの日本経済新聞によると、同月26日、新東名高速道路下り線にて「低速で走る車がいる」との通報を受けた愛知県警高速隊が出動、時速約20キロで走っている乗用車を発見し停止するよう呼びかけたとのこと。

しかし乗用車は逃走、時速137キロで走ったあげく、渋滞に巻き込まれて事故を起こし停車。速度超過の容疑でドライバーは逮捕されました。

……というわけで、高速道路で通報があればパトカーは出動し、速度が遅すぎる車に対処するようです。上記の乗用車が警察の呼びかけに応じていれば、ドライバーは最低速度違反で取り締まられていたかもしれません。

一般道にも最低速度のルールはあるが……

高速道路を低速で走るとパトカーに捕まる可能性があるわけですが、一般道にも最低速度に関するルールが設けられています。

ただ、そのルールはあまり実用的なものではないかもしれません。道路交通法第二十三条および、平成29年に警察庁が出した最低速度規制に関する通達を要約してみましょう。

  • 一般道に最低速度規制の標識などがある場合、危険防止などでやむを得ない場合を除き、指定未満の速度で走行してはならない(道交法二十三条)
  • 最低速度規制を実施する一般道は、時速80キロ以上の最高速度規制が行われており、かつ観光にともなう低速走行による一般交通への支障が予想される区間に限定する(警察庁通達)

警察庁の通達によると、最低速度規制が行われる一般道は、最高速度が80キロ以上かつ観光による渋滞が予想される道路のみとなっています。うーん、そんな一般道ってあるのでしょうか?

一部の自動車専用道路には最低速度が設けられていますが、一般道は基本的に最低速度規制の対象外といえそうです。

執筆者プロフィール
加藤 貴之
加藤 貴之
1977年生まれのフリーライター。10年以上務めた運送業からライターに転向。以後8年以上にわたり、自動車関連記事やIT記事などの執筆を手がける。20代でスポーツカーに夢中になり、近年は最新のハイブリッド車に興...

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