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BEVにはN(ニュートラル)状態で走れるモードがある?「コースティング」とは
一昔前は教習所でも「NG」と教えられていた
私も教習所へ通い自動車免許を取得したのですが、乗り物系メディアに従事したこともあり、仕事でスクール体験やプロレーサーの指導なども受ける機会がありました。その時に教わったのが【トラクションの大切さ】です。
タイヤが路面と接地し走行している時には、アクセルオンで前に進む力、ブレーキ(エンジンブレーキも同様)を作動している状況はタイヤを路面に押し付ける方向にトラクションが発生しています。
これらの状態を生み出すことで、車体の動きを安定させているということがとても大切だと習いました。
しかし、マニュアルミッション車ではクラッチを切っている状態、オートマチック車ではニュートラルポジションでの空走は、いわゆるコースティングモードということになります。
トラクションのない、こういった空走は、最も車体の動きが不安定な状況にあるため、運転テクニック的にはNGと言われ育ったのです。
ただそれもアナログな時代のこと。今多くのメーカーがコースティングモードを取り入れ始めているのは、燃費性能や航続距離延長を求めるためでありますが、それを安全に行うための、電子制御技術が大幅に向上したということが裏側にはあるのです。
付け加えておくと、現状ではオートパイロットとコースティングモードを両立できるモデルがありません。つまりコースティングを行っている際には、自身で車両をコントロールしなければならないのです。
どちらの機能も同時に行うには、周囲を監視するカメラ性能の向上や、それをサポートするステアリング操作、駆動、制動系統においての自動制御システムのさらなる発展などが求められます。
技術の進歩はめまぐるしいものがあるので、近い将来、何もせずにどこまでも滑るように走ってゆく車が誕生することでしょう。
あなたはどっち?信号待ちで「N」に入れる?「D」のまま?
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- 執筆者プロフィール
- 小松 男
- 幼少時からクルマ、バイクをはじめ乗り物全般の運転を好み、社会人になり中古車業を営むも上手くいかず業界から離脱。その後は出版社に勤め、幅広く雑誌媒体を手掛ける。こだわりがないというこだわりを掲げる昭...