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自動ブレーキは後付けできる?補助金とメーカー別の後付け安全装置

自動車メーカーの自動ブレーキ

車のメンテナンス作業をする人の手元の画像
©oscar/stock.adobe.com

経済産業省によると、販売されている新車の約78%に衝突被害軽減ブレーキが搭載しているとのデータが公表されています。

各自動車メーカーが取り組んでいる自動ブレーキ義務化の対応を紹介します。

トヨタ「Toyota Safety Sense」

Toyota Safety Sense」の特徴は以下の3つです。

  • 「カメラ」&「レーダー」の検知で夜間でも自動ブレーキに対応
  • 交差点で対向車線のクルマや歩行者横断を検知してくれる
  • 夜間の歩行者や自動車まで検知を可能としている

カメラによる画像認識と、レーダーによる感知で歩行者や先行するクルマ、対向車線のクルマまで検知できるのです。雨や霧などの状況変化にも対応し、遠距離感知もしてくれる優れた技術を持っています。

「Toyota Safety Sense」は4種類の自動ブレーキが存在し、車種によって異なります。

「Toyota Safety Sense」の種類
・交差点の対向車種および右左折時の横断者検知
・対歩行者・対車両(昼・夜)自転車運転者(昼)
・対歩行者(昼)・対車両
・対車両

スバル「アイサイト Ver.3」

「アイサイト」Ver.3の特徴は以下の3つです。

  • プリクラッシュブレーキによる2段階のブレーキ補助と3段階の警告
  • 後退時のブレーキアシスト機能で駐車時も安心
  • AT誤発進抑制制御による衝突回避の補助

スバルは「2030年までの死亡交通事故0」を掲げ「アイサイト」を導入しています。前を走る車両に対し車間距離で追突の危険を伝える3段階の警告と、2段階のブレーキアシストで被害を最低限に食い止めるシステムを自動ブレーキに採用しています。また、後退時の衝突回避用のブレーキアシストや誤発進を抑えるシステムを備えているのです。

日産自動車「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」

インテリジェント エマージェンシーブレーキの特徴は以下の3つです。

  • 緩い減速から緊急ブレーキの2段階で衝突を回避する操作をドライバーに伝える
  • 前方の車両や歩行者の有無をカメラで感知し、距離を測定できる
  • 一部車種にて夜間走行中の検知が可能に

前方の車両や歩行者に衝突する危険性を判断し、音による警告と自動的に弱いブレーキを作動させます。ドライバーによる危険回避操作が認識されなかった場合は、自動で衝突直前に強いブレーキが作動するのです。よって、衝突を回避する、あるいは被害の軽減を手助けする効果があります。

ホンダ「Honda SENSING」

Honda SENSINGの特徴は以下の3つです。

  • ミリ波レーダーで車両を認識
  • 軽い自動ブレーキから強い自動ブレーキの2段階で被害軽減をアシスト
  • 対向車に接近した場合、ステアリングの振動による警告システムを装備

ミリ波レーダーにより、前を走行する車両や対向車線の車両を感知します。衝突の可能性が高まると警告をうながし、自動ブレーキが状況に応じて2段階かかる仕組みです。対向車線のクルマに接近した場合は、ステアリング振動で警告をうながし、危険回避の操作を手助けしてくれるのです。

マツダ「i-ACTIVSENSE」

「i-ACTIVSENSE」の特徴は以下の2つです。

  • 時速30kmまでの低速走行時の衝突被害をブレーキがアシスト
  • 近赤外線センサーで目の前の車両をとらえ、ブレーキを自動制御

フロントガラスに設置した近赤外線センサーにより、時速30kmまでの低速走行時に前方のクルマに衝突する可能性が高いとブレーキを自動正業するシステムが働きます。ドライバー自身がブレーキペダルを踏むと即座に強い制御が働くので、衝突の回避をサポートしてくれるのです。

自動車メーカーによる後付け安全装置

©showcake/stock.adobe.com

衝突被害軽減ブレーキの後付け対応をしている自動車メーカーは現時点で見当たらず、後付けキットの発売予定もありません。現状では自動ブレーキを装備している新車、もしくは中古車を購入するしか方法が存在しないのです。

ただし、衝突被害を軽減する自動ブレーキは後付けできませんが、踏み間違い防止装置であれば一部メーカーから発売されています。

いずれも前後の超音波センサーを設置して障害物をとらえ、車内に設置する表示機のランプ点滅でドライバーに知らせるものです。

踏み間違い加速抑制システム(トヨタ)

「踏み間違い加速抑制システム」は、トヨタ自動車がメーカーで取り扱っている車種向けに後付けのオプションとして用意している安全用品です。

対応車種(安全装置非装備の車種。既に生産中止の車両もあり)
アクア、ヴィッツ、アリオン、カローラアクシオ、カローラフィールダー、パッソ  他

ペダル踏み間違い時加速抑制装置「つくつく防止」(ダイハツ)

トヨタの「踏み間違い加速抑制システム」のダイハツ版が「つくつく防止」です。前後に2つ、合計4つの超音波センサーを設置して障害物をとらえます。

対応車種(安全装置非装備の車種。既に生産中止の車両もあり)
タント、ムーヴ、ミラ、ミラココア、ミラース  他

ふみまちがい時加速抑制システム(スズキ)

「ふみまちがい時加速抑制システム」はスズキが販売する誤発進抑制用の後付け安全装置です。

対応車種(安全装置非装備の車種。既に生産中止の車両もあり)
ワゴンR FX・FXリミテッド2012年9月~2014年7月

後付け踏み間違い加速抑制アシスト(日産)

「後付け踏み間違い加速抑制アシスト」は日産が販売する誤発進抑制用の後付け安全装置です。

対応車種(安全装置非装備の車種。既に生産中止の車両もあり)
ノート、デイズ、マーチ、ジューク、シルフィ、ティーダ  他

ペダル踏み間違い時加速抑制アシスト(三菱)

後付け「ペダル踏み間違い時加速抑制アシスト」は三菱が販売する誤発進抑制用の後付け安全装置です。

対応車種(安全装置非装備の車種。既に生産中止の車両もあり)
ekワゴン、ekスペース

ペダル踏み間違い加速抑制装置(マツダ)

「ペダル踏み間違い加速抑制装置」はマツダが販売する誤発進抑制用の後付け安全装置です。

対応車種(安全装置非装備の車種。既に生産中止の車両もあり)
デミオ、ベリーサ

ペダル踏み間違い時加速抑制装置(スバル)

後付け「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」はスバルが販売する誤発進抑制用の後付け安全装置です。

対応車種(安全装置非装備の車種。既に生産中止の車両もあり)
インプレッサ、XV

踏み間違い加速抑制システム(ホンダ)

「踏み間違い加速抑制システム」はホンダが販売する誤発進抑制用の後付け安全装置です。

対応車種(安全装置非装備の車種。既に生産中止の車両もあり)
フィット、N-BOX

まとめ

運転するシニアの画像
©polkadot/stock.adobe.com

ここまで、自動ブレーキの後付け装置について紹介してきました。以下、簡単なおさらいをしましょう。

  • 「自動ブレーキ義務化」が進み交通事故の撲滅が進んでいる
  • 75歳以上の「ペダル踏み間違い」による事故が後を絶たない
  • 自動車メーカーによる「衝突被害軽減ブレーキ」の後付けは現状不可能
  • 「ペダル踏み間違え抑制装置」であれば後付けが可能
  • 国及び各自治体により装置の購入補助金制度が設けられている

国際基準で自動ブレーキ義務化が進む中で、高齢者ドライバーの運転中の事故や子どもを巻き込んだ交通事故などの撲滅を目指していく方向に向かいつつあります。

現状、メーカーによる衝突被害軽減ブレーキの後付けはできない状況ですが、ペダル踏み間違え抑制装置については所有しているクルマでも対応が可能です。

しかし、最後はドライバーの責任が問われます。自動ブレーキは運転を「手助け」してくれるシステムです。ハンドルを握るドライバーが常に安全運転を心掛けなければならないと改めて頭の中に入れて、快適なドライブを続けていきましょう!

自動ブレーキは誤作動しないの?誤作動の割合と事故率まとめ

各社自動ブレーキ機能の比較はこちら

執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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