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「知っておくとさらに事故を防げる?」《自動ブレーキ》が作動しない条件はどんな時?

環境や条件によっては作動しないケースがある

【夜】対歩行者プリクラッシュセーフティ(トヨタ)

しかし、自動ブレーキは事故低減に有効なシステムではあるものの、場合によっては作動しないこともあるため注意が必要です。

国土交通省は、自動ブレーキが作動しない恐れのある局面を再現し、実際にテストしている動画をホームページ上で公開しています。動画内では、以下のシチュエーションにおいてテストが行われています。

  1. 規定の速度を超えて走行
  2. 街灯しかついていない暗い道路を走行
  3. 早朝や夕方など、逆光の太陽が眩しい道路を走行
  4. 薄暗い夕立ちの道路を走行
  5. 滑りやすい路面を走行
  6. 急な下り坂を走行

1〜4のシチュエーションでは、障害物をうまく検知できなかった、あるいは検知していても、外的要因によって本来の性能が発揮されなかったため、障害物に衝突。

5〜6のシチュエーションでは、自動ブレーキは作動しているものの、制動距離が伸びてしまったために、止まりきれず衝突してしまいました。

このように、走行中の環境や条件によっては、『障害物を正しく認識できない』『衝突を回避できない』といった場面があります。自動ブレーキで事故を完全に防ぐことはできないため、自動ブレーキに依存せず、ドライバー自身が注意を払って運転する必要があるのです。

自動ブレーキは”完全無欠な装置”ではない

©︎Kadmy/stock.adobe.com

自動ブレーキは機能的な問題のほかにも、ドライバーの認識の面にも問題があるといわれています。

過去にJAFが実施したアンケートによれば、半数弱のドライバーが自動ブレーキを”過信”していることが判明しました。交通事故分析センターも、研究結果において「装置に対する正しい知識を伝えるための啓蒙活動が必要」としており、自動ブレーキの機能を正しく理解することが求められています。

最近のクルマは、単眼カメラやミリ波レーダーなどを組み合わせており、年々安全性が高まってきているのは間違いありません。

各自動車メーカーは「トヨタセーフティセンス」「アイサイト」「スマートアシスト」など、優れた安全装置を開発していますが、これらはあくまでも万が一のときの”補助装置”。有能な装置ではあるものの、万能ではないことをしっかりと認識しておくことが大切です。

非常に暗い道路や滑りやすい道路、逆光や雨によって視界が悪くなっている道路などを走行する場合、自動ブレーキでは衝突を回避できないこともあるため、こういったシチュエーションではより一層注意を払いながら運転しましょう。

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執筆者プロフィール
室井大和
室井大和
1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...

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