車の「オールペン」は査定額アップ？それともダウン？中古車販売店の回答が意外

長く愛車に乗り続けていると、ボディ塗装の剥げや色あせが気になってくる人は多いでしょう。色を塗り直したり、一部分だけ修復したりすれば、売却での査定額がプラスになると考えたことはありませんか？

近年は、「オールペン」と呼ばれる塗装のカスタマイズを楽しむ人も増えていますが、色を塗り直した車の査定額はアップするのでしょうか？

オールペンは修復歴にみなされないが…

オールペンなど、ボディカラーを塗り直した車は、修復歴ありに該当しません。

修復歴にカウントされてしまうのは、交通事故で車のボディに損傷がある、または修理された跡が確認できるケースが挙げられます。車のボディを構成する骨格（フレーム）や鉄板（パネル）が潰れてしまう、もしくは壊れていると修復歴とみなされ、売却する際の査定額が左右するでしょう。

しかし、壁にこすってできた傷を隠すために別途購入した「タッチアップペン」で修復したり、カスタマイズで別のボディカラーへ塗り直したりしたケースは修復歴に該当しません。

車のボディカラーを塗り直したことで、大幅に査定額が下がる原因となる心配はないと考えてよいでしょう。

費やしたお金ほど査定額がプラスにならないケースは多い

しかし、車のボディカラーを塗り直したり、修復したりして手をかけても、費やしたお金ほど売却時の査定額が上がるわけではないようです。

オールペンや塗装を修復した車の買い取り査定額はどうなるのか、スポーツカーやカスタマイズカーの中古車を取り扱う販売店の関係者は次のように話します。

「オールペンを施した車両で査定額が上がるのか、下がるのかは車体の状態によります。

当店ではエアロパーツで改造されている、もしくは派手なラッピングが入っている車も買い取っていますが、丁寧に塗装されていてかつ状態が良好であれば、純正色でノーマル仕様の車と同じか、あるいはプラスアルファして買い取る場合があります。

ただし、ディーラーの下取りではオールペンを施した車両は査定がつかないかもしれないと考えてもらってよいかと思います。同系列の中古車センターで物件として並べるのを前提に下取り対応をしているので、蛍光色やら通常の車で用いられないような色に塗りなおした車は引き取りにくいという事情があるようです。

また、全部塗装をやり直すなど、かかった費用に対して見返りがあるかとされると、そこまで大きな期待をしないほうがよいかもしれません。当店でも、オールペンを施した車が持ち込まれた際は丁寧に塗装作業がされているかなど、細かい箇所までチェックしてから査定金額を出すようにしています。」

また、タッチペンでの傷の修復に関しても、関係者は次のように語っています。

「中途半端に傷をタッチペンなどで色を塗り直していると、ムラや雑な箇所が目立つようになって原因で状態が悪いように見えてしまいます。

少しでも査定でプラス要素にしたいなら修復は止めたほうがよいかもしれません。当店としても、そのような状態であれば逆に査定額を下げざるを得なくなってしまいます。

買取専門店に限らず、ディーラーでの下取りも同様で、下手に修復されている箇所があるとかえってマイナスポイントになってしまうと思います。」

オールペンや修復を施した車でも、買い取りに対応してくれるお店はありますが、塗装の具合によって買い取り額が下がりやすい傾向にあるようです。

趣味でカスタマイズするならオールペンはおすすめ

エアロパーツを装着するなどカスタマイズが趣味で、異なる特徴をもった車で目立ちたい人なら、オールペンはおすすめの方法といえます。

しかし車を売却する際に、少しでも査定額をアップさせるべくボディカラーを塗り直したり、傷を隠すためにタッチアップペンで修復したりしても成果は期待できません。

傷が目立つ車の場合、日本全国でチェーンを展開している買取専門店では自社の整備工場で、買取後にボディの塗装も修復するケースがあります。

そしてオールペンを行った愛車を売却する場合はディーラーの下取りではなく、カスタムカーも柔軟に買い取りに対応してくれる専門店を探すとよいでしょう。

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