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アラブドリフトとは?サウジの上級国民が熱狂する死亡遊戯!その雄姿に刮目せよ
近年、サウジアラビアを始めとする中東の富豪を中心に新たな自動車カルチャーが流行しています。その名もアラブドリフト。今回はこの異常とも言える文化について紹介します。
アラブドリフトとは
アラブドリフトは、別名サウジドリフトや中東ドリフトなどとも呼ばれており、特に人気のあるサウジアラビアではタフヒート(tafheet)やハグワラ(hagwala)と呼ばれることも。
主にこの遊びに興じているのはなんと王族。王族は法律により取り締まられることがなく、有り余る財産に対して娯楽が少ないこともあって、アラブドリフトは新しい貴族の遊びとして流行しているようです。
このアラブドリフト、いわゆる”普通のドリフト”とは一線を画したものになっています。
一般的なドリフトとの違い
よく見られるドリフトと比較しながら、アラブドリフトがどう違うのかを解説していきます。
まず日本などで行われている一般的なドリフトを簡単に説明すると、高スピードで走行しながらタイヤを滑らせることで、スピードを損なわずにカーブを曲がる技術です。
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一方、アラブドリフトも基本的な技術は同じ。では何が一線を画しているのか、それはその常軌を逸した危険性の高さにあります。
高級スポーツカーやSUVを使用!
ドリフトに最適な車は後輪駆動のマニュアル車だと言われています。ドリフトをすると車体に大きな負担がかかるため、パーツの入手しやすさや壊れにくさを重視するのがセオリーです。
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しかし、大富豪にはそんな常識は通用しません。フェラーリやメルセデス・ベンツといった高級車を惜しげもなく使用します。また、最近ではSUVでドリフトしているのが流行しているとのこと。
動画を見ると、誰もが憧れる車をまるでおもちゃのように扱っています。トヨタの最上級SUV、ランドクルーザーで片輪走行をする動画も投稿されています。
ランドクルーザーに乗っている芸能人は?実はあの清楚系女優も乗っていた!
公道を完全に私物化!国全体がサーキット
アラブドリフトの特徴として、そのほとんどが公道、つまり一般道で行われているということ。湾岸産油国では以前から一般道での危険行為が社会問題となっていましたが、アラブドリフトもその一つに数えられます。
当然周りには他の車両や通行人などがおり、事故に繋がるケースも少なくありません。通行人が多い場所で優れた技を披露すれば、動画投稿サイトなどで話題となり、一躍英雄となれるとのこと。
「タトウィーフ」という一般の車両をドリフトしながら猛スピードで追い抜くという技(?)まであるようです。
こういった光景は道路交通法が厳しい日本では見られないものでしょう。日本でも頭文字Dや湾岸ミッドナイトの走り屋のように、峠や公道でしのぎを削っていた方もいますが、それは昔の話。現在はサーキットをはじめ、安全が確保された場所でやらないと危険運転の罪で逮捕されてしまいます。
ちなみに日本ではありませんが、有名な公道レースに「マン島TT」というものがあります。現在も開催されており、続々と死者を出している世界一危険なレースです。
死亡者3桁のデスゲーム!世界最古の公道レース「マン島TT」とは?
実写版マッドマックス!箱乗りで自動小銃を乱射!
過激なチャレンジャーの中には、自動小銃を連射しながらドリフトする猛者も。ここまで来るともはや危険なのはドリフト行為ではなくなっています。
実際にYouTubeでは、アサルトライフルの「AK-47」を撃ちながらアラブドリフトをする様子が投稿されています。
日本なんて生ヌルい?アラブの上級国民の勇姿を見よ!
ちなみに動画内で使われているAK-47は、ゲームにもよく登場する有名なアサルトライフル。実はこの銃を開発した企業は電気自動車の開発に乗り出しています。かつてのソ連の車をモチーフとしたとのこと。
技術よりもインパクト!バズったら優勝
現在、日本ではドリフトが競技化しており、D1グランプリやMSCチャレンジなど、大きなイベントも毎年開催されています。こういった競技化の流れの中で、ドリフトは速さや実践的な技というよりは、「魅せる」技術としての要素が強まっています。
一方アラブドリフトにそのような考えはありません。娯楽がない環境に対するうっぷん晴らしとして楽しんでいるだけです。
世界一のドリフト技術を持つ言われるモータースポーツ選手、ケン・ブロックが公開した動画には1,000万回再生されたものも!彼がアラブドリフト界に参戦したら間違いなくトップに上り詰めるでしょう。
【世界一の激ヤバドリフト】ケン・ブロック動画7選|ドライビングテクニックから愛車まで
危険すぎて死傷者が続出
「ドリフト反乱」「路上のテロ」とも呼ばれるアラブドリフトですが、当然死亡事故が多数発生しています。
サウジアラビアでは、暴走行為で死亡事故を起こしたとしても、数か月から1年程度の懲役もしくは、「血の代償」と呼ばれる賠償金を支払うことで解決することがほとんどでした。
しかし、アラブドリフトが社会問題として発展するにつれて、徐々に処置が厳罰化しています。
日本人はお呼びでない!なぜなら貴族の遊びだから
ここまで読んで、自分も現地でアラブドリフトをしたい!という方もいるかもしれませんが、絶対にNGです。理由は”逮捕されるから”です。
なぜここまで過激なアラブドリフトが取り締まられないかというと、彼らが王族だからです。サウジアラビアを例にすると、この国は君主制であり、国王が実験を握っています。政党の結成も禁止されており、自由な言論活動ができない状況です。
アラブドリフトはこういった背景で、特別な層のみが楽しめる遊びであり、日本人が現地でこの遊戯に興じた場合、即処刑されてしまうでしょう。
やはり、ドリフトはサーキットで安全に行うのが一番。日本国内でドリフトができる場所はこちらの記事で紹介しています。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...