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マン島TTとは?事故・死亡者続出の世界一危険なデスレースの歴史や記録

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マン島TT(アイル・オブ・マン・ツーリング・トロフィー)とは?

「マン島TT」とはイギリスのマン島という島で行われる世界最古の公道レースで、正式名称は「アイル・オブ・マン・ツーリング・トロフィー」と言います。

マン島TTではほぼ10日かけて、オートバイの排気量別に分け、2種類のグループとサイドカーでレースを競います。

まずは実際のレースをご覧あれ!

2019年のマン島TTの様子

見ての通り、普通の住宅街を異常なスピードで走行しています。マン島TTのイメージがついたところで、この世界一危険なレースについて解説していきます。

開催地のマン島はどこにある?

マン島はイギリスにある小さな島です。

イギリスは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの4つから成り立っており、マン島はその中心あたりに位置しています。

マン島TTはダグラスからスタートし、北東海岸部のラムジーを経由して西や北へと大きく曲がりながら、ダグラスまで戻るのです。1周37.75マイル(60.7km)、250以上のコーナーが存在します。

このコースは一般道で使用しているので、レース中の毎年5月終わりから10日間程度は普段は一般車両の通行を封鎖しています。海抜0ft~1,300ft(396m)を超える高低差があるコースです。

マン島の上空写真。広大な自然が広がっている。
©Mustard Assets/stock.adobe.com

国際モーターサイクルカップレースに出場する英国代表チームを選ぶためマン島TTは1905年にトライアル競技を行ったのが始まりでした。

この時は、同じマン島でもやや短めの1周25マイルのグレン・バインを経由してダグラスに戻るのです。コースは、ダグラスから南下してカッスルタウンを経由し、A3道路で北上してA1道路を東へ向かうのです。

マン島TT(アイル・オブ・マン・ツーリング・トロフィー)の歴史

マン島TT マークミラー
Agljones CC 表示 – 継承 3.0 / CC BY-SA 3.0
出典 : https://ja.wikipedia.org/

1907年に第1回が開催

ジャックマーシャル トライアンフ
1908年に優勝したジャック・マーシャル氏が乗っていたバイク(トライアンフ)
出典:https://www.flickr.com/ FIT GRADUATE CC0 / CC0 1.0

記念すべき第1回マン島TTは、1907年5月28日に行われました。15マイルを10周するレースが正式に行われました。

1911年にマウンテンコースが採用

1911年より初めにお伝えした1周37.75マイル(60.7km)のマウンテンコースが採用されました。この年から徐々に死亡事故が目立つようになっていきます。

1914年、ヘルメット着用義務化

1914年からはヘルメット着用が義務化されたり、スタート地点が変わるなど整備が施されていきます。

1923年、サイドカー部門が追加

1923年には現在も行われているサイドカーレースが開始。3年後の1926年にようやく全コースの舗装が完了します。

つまり、それまではコースにオフロードの部分があったということです。

マン島TTへ日本人も日本車もエントリー!

マン島TTに日本人初参加!

1930年、日本人初の参加者である多田健蔵がVelocetteに乗り15位にて完走しました。

多田健蔵とVelocette

ヴェロセット MSS 500 1947年型
ヴェロセット MSS 500 1947年型
©Sergey Kohl/stock.adobe.com

1949年ではロードレース世界選手権のイギリスラウンドとしてマン島TTも一戦に仲間入りまして公式レースとして認められ、その後にもWGPで最も重要な位置ともなりました。最近ではWGPを元GPと言います。

マン島TTでホンダ車が日本車初の優勝を飾る

1961年マイク・ヘイルウッド氏の乗ったホンダ車が優勝しました。ホンダ車としては初のマン島TT優勝となりました。

マイク・ヘイルウッド氏
出典:https://www.flickr.com/ Keith Nunns CC0 / CC0 1.0
マイクヘイルウッドが乗ったホンダ
マイク・ヘイルウッド氏が乗ったホンダ車
出典:https://www.flickr.com/ Kev Arnold CC0 / CC0 1.0

その大会では1~5位まで、の全員がホンダ車であった事は、日本のメーカーにとって大きな実績と言えるでしょう。

遂に日本人が初のマン島TT優勝!

1963年に日本人初の優勝者が登場。スズキのRM63を操った伊藤光夫氏が、見事50ccクラスで勝利を収めました。

1976年にはロードレース世界選手権のイギリスラウンドがシルバーストーンのサーキットに移されて、公式ではなくなった後にマン島TTとなり、公式の期間中に日本人で優勝を収めたのは、伊藤光夫が最初で最後になりました。

公式WGPを失った訳として実は事故が多いコースの整備に費用が掛かりすぎる理由があったそうです。

ですが古き良き時代のこのマン島TTレースは生き続けます。

現代のマン島TT

マン島TT
Jonathan Camp CC 表示 – 継承 2.0 / CC BY-SA 2.0
出典 : https://www.flickr.com/

昨今のマン島TTレースでは、1980年代から日本国内でも高性能なオートバイが開発され、一般に販売されるオートバイでもサーキットで走れるほどの実力を持ったフルカウルバイクが増えました。

ライダー自身の運転技術の向上により、マン島TTへ出場を試みるライダー達が、マウンテンコースを200km/h近いスピードで駆け抜けていく時代が訪れます。

この平均速度記録も年々加速してゆき、2006年には、208.33km/hと更に記録を更新しています。

マン島TTの最新記録!

そんな中に今年もまた記録を更新したライダーがいます。

マイケル・ダンロップ

huntsmotorcycles CC0 / CC0 1.0
出典 : https://www.flickr.com/

マン島TTの全長60.7kmのマウンテンコースを、ダンロップ選手は平均速度133.393mph(約214.7km/h)で疾走、16分58秒254というラップタイムを記録しました。

マン島のモーターサイクルミュージアム前にはマイケル・ダンロップの叔父にあたるジョイ・ダンロップの石碑もあります。彼のマン島TT最多優勝記録はいまだに破られていません。

映画化やゲーム化も!

マイケル・ダンロップのドキュメンタリー映画が制作

「マン島TTレースでは歴史を受け継がれてきたライダー達の血脈は途切れることはなかった。80年代のマン島TTの伝説を創ったライダー、ジョイ・ダンロップ、弟のロバート・ダンロップからロバートの2人の息子、ウィリアムとマイケル。」

このマイケルがまた新たな記録を作っています。

「北アイルランドで生まれ育った2世代に渡る2つの兄弟は、愛すべきロードレースにすべてを捧げ、宿命の道を突き進む。」と題したドキュメンタリー映画が昨年に公開されました。

ロード・オフィシャル

リアルな視点でレースを体感できるゲームが登場

TT Isle of Man (マン島TTレース) :Ride on the Edge - PS4

TT Isle of Man (マン島TTレース) :Ride on the Edge – PS4

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2018年にPS4ソフトとして発売したこのソフトは、2016年と2017年シーズンの公式選手やコースを収録しています。マン島TTレース公式で、実際のコースを正確に反映しています。

まだ国内販売されていませんが、PC版とPS4、ニンテンドーSwitchで続編も発売しているようです。2020年3月に発売したということもあり、グラフィックや操作性はかなり進化しています。

こういったレースゲームをもっと楽しむにはハンコン(ハンドルコントローラー)がおすすめ!PS5も発売し、より高い没入感を求めている方におすすめです。VRと組み合わせれば気分はレーサーに。

マン島TTの無公害なクラス

IoM TT ZERO Challengeというクラスでは、「TEAM 無限」が2014~2015年にワンツーフィニッシュを遂げています。

このクラスは名前から意味する排気量ゼロの新開発した「神電(SHINDEN)」という電動モータサイクルによる成績です。ライダーにはジョン・マクギネス氏が登用されています。

マン島TT8月の終わりにもフェスティバル開催

Isle of Man TT Races
出典:https://www.flickr.com/ Paul Fargher CC0 / CC0 1.0

マン島TT祭り「 Isle of Man Festival of Motorcycling (Including the Classic TT)」という別なショートコースでの祭典も行われます。初めにお伝えしましたカッスルタウン近くのサザン100ロードレースです。ザ・クラッシックTTに値するクラッシックオートバイも集まります。

ザ・クラッシックTTの途中では、サミー・ミラーがドカティのオートバイで不思議なところにいますね。こんな事は良くある事です。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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